maliciaのプロフィールはこちらへ
氷点下でも暖かかったソウル 1997年11月 1日(土)試合の日 昨朝、9時30分出発。昨日より幾分暖かい。 バスに乗り込む。私は大事な試合でしか着ない1985年ユニフォームを装着。バスは、途中、ロッテワールド免税店へ立ち寄る。ほとんどのツアーバスはここへ立ち寄るそうだ。だから、免税店の中は、ブランドもののショップの前に応援グッズをもったサポーターなんて不釣り合いな風景になってしまった。人が一杯。 ロッテワールドの脇にバス大集結。その数、約300台。いよいよだ。12時。見えてきた、巨大な美しいスタジアム。蚕室オリンピック競技場。予想よりも大きくて立派だ。 日本人専用のバス駐車場。完全隔離。ここから歩いて本当に蚕室へ行くんだ。緊張の人、余裕の人、笑顔の人、表情はさまざまだ。 そして、これが8000人の警備陣。テレビにも映っていたと思うけど、行進は見事。それだけで、圧倒されてしまう。 長い列。 空港で使っている金属探知機を導入してシビアな所持品検査。なかなか列は進まない。入場に約1時間かかった。でもアウェーは試合開始30分前に入場が基本だから、まあ許容範囲か。この列の間に沢山のメンバーと再会。そして、列に配られるティッシュ。『彼は誰?彼はイエスキリストです。』なんと布教だ!そして、チアホーンを売りに来るおばさん。垢すりエステのパンフレットと申込書。なんじゃこりゃ。商魂たくましいなぁ。チケットを売ってください、という韓国人もやってきた。海苔は試食までできる。 スタジアムに入る。すっかり喉が乾いてしまった。しかし、日本側のゴール裏に売店はない。勇気を出して韓国側に少し入ったところへ行ってみる。あった、売店があった。サイダー、コーヒー、海苔巻、スルメなどが売っている。売店の場所が口こみで広がって日本人も結構買っている。売店のおじさんも丁寧。笑顔。日本人も韓国人も相手を気づかって譲りながら買っている。でも、ここには列をつくるという習慣はないようだ。それと、金属探知機であんなにシビアな所持品検査をしたのに、中で缶ジュースを売ってるのはなぜ? 席は永野ちゃんと札幌から来た佐名木さんと一緒になった。他のメンバーの場所も大体確認できた。片方のゴール裏はすべて日本サポーター。それにしても、それ以外のスタンドは真っ赤。それもそのはず。だって、みんな、東大門市場で買ってきたんでしょ、7000ウォンのやつ。 ウエーブが始まる。もちろん、日本側も参加。お互いに、スタンドの国境をウエーブが越えると拍手。 見れば、レッドデビルズの横断幕に『Let`s go to France together !』。『Welcom to Korea』の巨大横断幕も出た。日本側のスタンドでちらしを配るスーツ姿の韓国人。なになに『がんばれ日本代表』って書いてある。でも、あれ、その後突然『ロッテワールドのチケット食事をセットにしたお得なツアーをご用意しました…』なんじゃこりゃ。文章の前後が噛み合ってない。しかも値段が高い。 見れば永野ちゃんは、『アジアカップ優勝』の時に着て行っていたのユニフォームを着ているじゃないか。この縁起担ぎ。 蚕室の2階は傾斜が急。通路が狭い。でも、その分、真上から見下ろすような感じで、とても見やすい。1階はかなりフラットで見ずらい。 蚕室の試合前は、ず〜と盛り上げ役の男女が喋ったり、その音頭にあわせて歌ったりと盛り沢山。応援歌をカラオケにあわせて歌う場面が3回くらい。もちろん踊りも決まってる。ゴール裏と2階席は総立ちで歌って踊る。でもこの曲が、ハウスミュージックぽくつくってるんだろうけど、手振りが入ると、なんかポンチャックっぽいんだなぁ。 途中、ビジョンに中継の解説役らしいチェスンホーが映し出された。佐名木さんは 「チェスンホー!!」 と絶叫。1985年の韓国のエース。佐名木さんは韓国の歴代選手のなかで最も認めてるらしい。 それにしても不思議なもので、マリーシアメンバーのほとんどと会うことが出来た。きっと、行動パターンが似てるからなんだろうね。 応援合戦も熱を帯びてくる。多分、レッドデビルズは 「イルボン倒せ!」 ってコールしてるんだと思う。 それに、日本の応援が使っていないオリジナルの応援歌もいくつか入っていた。 選手紹介。アナウンサーが各選手のなが〜い前置きの説明を加えて、力を込めて読み上げる。 「東京でカズを完璧に抑えた男……。チェ!ヨン!イル!!(ってかんじかな)」対して、日本側の紹介はアナウンスなし。しかも、顔写真が出たのは、なんと、北沢、ロペス、岡田監督、あと一人だけ!!これはオペレーションミスだと思う。そう、信じてる。あまりのあっけなさに、ブーイングもでなかった。あれって感じ。 いよいよ選手入場。韓国のゴール裏には巨大国旗。そして、あの虎の朝鮮半島。さらに、すばらしい横断幕。トーナメント表のベスト4にブラジル、ドイツ、イングランド、韓国の国旗が勝ち上がってるデザイン。『俺達は出場を決めている。本大会はベスト4へ行くぞ!』って意味。これはカッコいい。でも、永野ちゃんがイチャモンをつけた。 「あの横断幕はおかしい。ぜったいおかしい。まちがってるよ。」 韓国のベスト4に注文をつけるのかと思いきや… 「他はいいとしても、なんでイングランドなんだよ!」 これには爆笑。 日本側は日の丸とどらえもん。 さて、試合内容はご承知のとおり。 私たちの席の上の列は40代。いやほんと、こういう人が来てくれるのってうれしい。みんな、戦術に一物あって、『サイド!』『キープしろ!』とか、大声張り上げて、とっても良いムードだった。サポーターってやっぱ層が厚いよね。こうじゃなきゃ。 さすがに得点のときは、周囲の見知らぬ人とも抱き合って跳ねまくってしまった。ほんと狂気乱舞ってこのこと。嬉しかった。そして、最後にもう一度泣いたのは、試合終了後、電光掲示板に『日本のみなさん、またおあいしましょう。』って文字が出たとき。なんか嬉しかった。日韓のエールの交換も。終了後、記念撮影をしてバスへ戻る。帰ってから、いろんな人に 「試合終了後、何時間くらい外に出れなかった?」 って聞かれたけど、ぜんぜん問題なかった。 それどころか、スタジアム外でバスまでの道のり、私たちの列を拍手で送ってくれる人も多かった。もちろん、こちらも拍手で応えた。お互いの健闘をたたえ、 「Go to France together !」 と、言葉を交した。肩をたたき合った。握手をした。 そして、韓国代表のユニフォームを手に持って立っている人達も沢山。彼等は、シャツの交換をしたくて、日本人サポーターの通る道までやってきたのだ。シャツやバンダナなどの記念品を交換する姿が多く見られた。ほとんど強奪って感じの子供の集団もあったみたい。 試合後、数名で夕食を食べに行った。その帰りのタクシーで運転手がこう話しかけてきた。
「UAEウズベキスタンニマケル。カンコクハUAEニゼンリョクデカツネ。ダカラニホンダイジョウブ。イッショニワールドカップヘイケル。」
私たちはホテルに戻り、香港スタースポーツで広東語実況の中継を見て試合を振り返った。
|