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J1リーグ 1st stage 第3節 セレッソ大阪 『ホームで王者の復権をせよ』 後で解ったことだが、岡田監督は基本戦術の変更が裏目に出たことを選手達に謝罪し、昨年に近いサイド攻撃を基本にした戦術に変更していた。昨年同様に、選手への謝罪が、極々自然に、センセーショナルではなく普通に記事になる。そして勝利する。それは、監督と選手との厚い信頼関係を物語る吉報だ。 左右のサイドが攻め上がりクロスを入れる。久保までがサイドに流れてしまうのは昨年の悪い形までもが復活してしまっている証なのだが、まずは、素早い縦への攻めのパスと、大きなサイドチェンジが繰り返されるテンポに、トリコロールのサッカーが復活しつつあることが感じられる。 桜はすでに2度散っている。 「デカイだけだなあ。」 「カブラルってカブレラとは大違いだな。」 「誰が獲ってきたんだよ、この2番。」 「そりゃ、前の前の監督ですよ。」 ずるずる下がるのか、下がって逆襲を待つつもりなのかは解らない。ただ、下がる割には、大きな2番のカブラルが守備をもたつき、ハイボールに競り負け、さらにトリコロールのチャンスを演出する。この大型外国人選手によって試合のテンポは微妙に狂う。 「これは列伝入り濃厚ですねぇ。」 さらには徳重のポジションが深い。サイド攻撃に堪えきれなくなって下がっているのか、それとも、今年のポジションは深い位置なのかは解らないが、これでは4バックのようだ。しかも、ミスを連発し、簡単にボールも奪える。 「やってくれるなぁ徳重さん。」 昨年に痛いゴールを喫した、あの徳重とは思えない。 「今日のキーマンは徳重さんと西澤さんだぞ。」 両サイドの攻撃が目立つ。特に右のユキヒコは積極的。セレッソの中盤での組織的なプレッシャーが無きに等しいことを差し引いても、この日の前への姿勢は特筆ものだ。停滞せず、最初のワントラップで相手を抜き去る。そのたびに、「キャー」というギャル声がスタンドから発せられる。足元ではなく、前のスペースにボールが出て、一気にスピードを上げて攻め上がる。中央への上がりが間に合わないくらいだ。間に合わないのには、奥の体調不良の影響もあるのだが。 体調不良といえば、森島が心配だ。確かにゴールを奪った。だが、あれは、どんなに調子が悪くても外すまい。それよりも、流れの中でのミスやスピードの衰え、ボールを呼び込むプレーの少なさがため息を呼んだ。それを上回る徳重さんと西澤さんの活躍で目立ちはしなかったが。それゆえ、セレッソの攻撃に華がない。大久保は孤立。ただし、セットプレーは鍛えられている。失点の場面も、偶然に近く松田に当たっていなければゴールだったろうし、その前のコーナーキックでも、キック自体がミスだったので助かったが、ゴール前で振り切られる選手が多く出た。あの失点は仕方ない。 あっと息をのむ。そして確信し、ゴールを待つ。 フリーキックが蹴られ、ボールの弾道を計算し、落下点を見、久保の状態を知り、シュートし、ゴールネットを揺らすまで、これほどまでに一瞬が長く感じられるゴールも珍しい。なにしろ、どうみても、間違えなくゴールするシチュエーションなのだ。あとは久保がミスをしないことを、ほんの0.0何秒かの間に祈るだけ。それを、豪快に美しく決めてくれた久保に感謝する。スローで見れば解ること。 「なんでセンターフォワードがフリーなんだよ!!!!」 ひとしきり跳ねて叫んで喜んだ後には、このまか不思議なセレッソディフェンスを卑下する。 「これはもう、相手を誉めるしかないだろう。」 そして安堵。 「よし、直ぐに追いついて良かった。」 後半は、このクラブの持ち味の油断で、開始早々に肝を冷やす。前半同様にセレッソはファールが多い。大久保にもフラストレーションが溜まる。判定に異議を唱える。罵声とブーイングが飛ぶスタンド。 「騒ぐな騒ぐな!大久保が文句言うときはみんな静かにしろ。何言ってるか審判にちゃんと聞こえるようにしろ。」 日も傾き、気温が下がり始めると、試合のテンションも下がる。 セレッソは相変わらず。トリコロールは、本調子ではないドゥトラと奥のキレを失う。清水は何度か突破でチャンスを作りだしているが、久保と連携での変化ある攻撃は少ない。ただ、いたずらに時間が過ぎる。 「失点はないだろうが得点の臭いもしない。」 「これは、もっと前が動いて工夫しないと。」 上野からは正確で素早いボールが捌かれる。下がったセレッソを最終ラインで崩すことができない。 やや遅すぎた感もある。だが60分を過ぎて動いた。 チャンスを演出していたユキヒコを下げる。右にはいるのは柳想鐵だ。頼れる男が帰ってきた。ユキヒコは由幸だ。せっかく、今期で一番の活躍をしていたのにもかかわらず、柳想鐵はユキヒコが昨年のエコパで見せたような幅のあるプレーを見せた。右サイドで縦に動くだけでなく、状況に合わせて中央にも入ってくる。そして、その明いた右サイドを波戸が活用する。これで、攻撃に変化が出る。 柳想鐵の登場で、あきらかにセレッソは混乱している。セットプレーのマークも乱れる、柳想鐵にマークが行く。中沢へのプレッシャーは少ない。となればゴールは必然だ。引き分けの覚悟も決めなければならない残り10分で決着。 けっして誉められる内容ではないだろう。だが、この勝ち点3は大きい。復調のきっかけを確実なものにした選手もいる。 「なんだよ、結局、柳想鐵待ちだったじゃねぇか。」 「ま、いいよ、今日勝ち点3だけで十分満足。」 「水曜日は厳しいぞ。チェックはキツイし、運動量も必要とされるし。」 「今年最初の大一番だな。」 見上げれば、頭上にはチャンピオンフラッグが控えめにはためいていた。 今日のポイント ●これならレギュラーも狙える上野。 ●攻撃的には噛み合っていなかった那須。 ●らしさは十分に発揮した清水。 ●メッセージボードでWWE化が進んだゴール裏。ブームだ。 ●ハーフタイム抽選の当選番号に00001番。鷲尾さんか? 今日のお値段
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