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J1YAMAZAKI NABISCO CUP G-A セレッソ大阪戦 『清水の舞台』 真夏の決戦。しかし、開聞までに連なった列は思いの外短く、ナビスコカップへの関心の低さを痛感せざるを得ない。 決戦ともなれば贅沢は言えない。 選手紹介で小さなどよめき。ゴールを守るのは哲也。決戦での哲也といえば、あの愚行を想い出すが、前節の守備を見る限り、さすがの岡田監督も哲也を使わざるを得なかったようだ。 「哲也かぁ。」 「大丈夫だ、グラウはいないから。」 それは期待か、気休めか。 前回の対戦とはメンバーががらりと変わったセレッソ。攻めに怖さがないことは予想通りだが、怖さどころか特徴すら掴めない。カブラルもいない。 「監督もクビになったし。」 「何人代わったんだっけ?」 「大倉もクビになったね。」 「東欧にパイプがあるっていっても、あればいいってもんじゃないよね。」 「どこに繋がっているのやら。」 ふと、数年前のユニバーサルスタジオで飲料水の蛇口に工業用水のパイプが繋がっていた事件を想い出した。大阪と、繋ぎ間違ったパイプ。 積極的な選手の挑戦なのか。 序盤からサイド攻撃は積極的。ドゥトラ不在は痛いが、大きな穴を心配することなく時間が進む。主導権は簡単に獲れる。問題は、いつ、何点獲れるかだ。 「とにかく手抜きさえしなければ勝てるんだから。」 「なんでもいいから絶対に勝て。」 スポンサーの苗字を持つ男・山崎の決定機はまたもやゴールを奪えない。 「ドンドン行け!」 「すぐにやり直し!!次だ次!」 「もう一本、シュートを撃て!」 痛いほど思い知っている、決定期を外した後のエアポケット。フィールドに油断の空気を漂わせるわけにはいかない。 対するセレッソには覇気がなく、中央では安永が自信満々の雰囲気で起点になる。そしてヘディングでのシュート。 「誰だよキーパー。」 「羽田だって。」 「羽田ぁ?」 「誰だっけ?」 「黒河の控えだったヤツだ。」 「そんなヤツが、何で止めるんだよ。」 その翌日に、黒河が長居で復調を見せることは誰も想像していなかった。 「とにかく、そんなヤツには撃って撃って撃ちまくれ!」 時折見せる反撃は意外な男が中心。 西澤でも森島でもない。危険のなのは古橋だった。何度も見せる突破に注目がいく。 「9番!気をつけろ!」 「前を向かせるな!」 「で、誰?」 「古橋?」 「ミスターホンダだよ。」 セレッソは、ミスターデンソーに続いて、ミスターホンダを攻撃の軸に据えたのだ。 いつものことだ、後半開始早々の猛攻。 だが、ゴールネットは揺れない。 「いい加減に、もういいだろう羽田!!」 「その調子だ。続けろ続けろ!」 古橋の突破に注意しながらも攻める。だが、暑さもあり続かない。 試合開始早々から押せ押せだったスタンドの雰囲気も、やや勢いを削ぐ。なんとかしないとなぁ・・・いや、きっと大丈夫だ・・・でも、ムードが悪くなるぞ・・・。 という場面で、キッチリと動く岡田監督。再び大声援でライン間際に迫ったスタンドからパワーが送られる。 「さぁ行け!」 「勝負!!」 「左!」 「おぉ〜〜〜〜!」 明らかに坂田とユキヒコが入って押し込んだ時間帯。トリコロールの試合を見慣れた者ほど裏切られた。まさかのタイミングで、美しい奇跡を描いたボールは放たれ、そして、ネットを大きく揺らす。あまりの美的衝撃に、スタンドの揺れは、ネットの揺れからワンテンポもツーテンポも遅れる。そして小さかった。 安堵に胸をなで下ろす。そして、想い出したかのように追加点を要求する。だが、選手達は、すでに臨戦態勢。さらに得点を虎視眈々と狙っている。 追加点が獲れない。だが、スタンドに焦りのムードはない。広島の試合経過を、皆が知っていたのか、それとも、必ず逆転二位抜けするという確信からだったのか。面白みがあるサッカーとはいえないが、現実的なカップ戦仕様のトリコロールを前向きに後押しするスタンド。メンバーは大きく変わっていても、ボールをキープしながら、セレッソの出方をうかがって、急にテンポアップする大人の駆け引きを見せるフィールドの選手達。そこには、隙のないスタンドとフィールドの連帯感があった。 「お前が行け!」 「途中出場だろうが!!」 阿部の消極的なプレーを除いては。 「横浜F・マリノス、決勝トーナメント進出決定です!!」 アナウンスに歓声が湧くスタンド。 浦和はさいたまスタジアムという特別な舞台を用意してきた。世間は、どちらを王者と呼ぶか、それは、すでに明白だ。彼らの特別な舞台は、トリコロールにとっては普通の通過点に過ぎない。目標は三度目の三冠。 今日のポイント ●ベトナムに続いて2ゴール目の清水。打ち止めか。 ●ミスターホンダを封じた、元ミスタージェフ。 ●まったく問題なかった哲也。 ●好クロス連発のユキヒコ。 ●安永らしいプレーが光った。今回は迷いナシ。 今日のお値段
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