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J1リーグ 2st stage 第8節 柏レイソル戦 『埋められなかった時間』 「今のがファールじゃないのかよ!」 「ファールじゃないなら、シミュレーションだろ!!倒れた方にカード出せよ!」 「どっちかだろうが!!」 転倒に騒然とするスタンド。だが、試合は、そのまま続行だ。 「でも、これで何とかなるかもしれないぞ。」 「そろそろエンジンかかるだろう。」 ボールの動きが早くなる。ポジションチェンジも激しくなる。ボールが縦に入り、ドリブルで仕掛ける。やっと、積極的な展開になる。いや、それでも、冷静に後からビデオで見れば、この時間以降でさえ本来のサッカーには至っていなかった。ましてや、それまでのサッカーは停滞そのもの。残り時間が押し迫って、やっと攻撃に転じるのは、昭和古典のプロレスかウルトラマンくらいのストーリー展開だ。いつから、そのような器用な芸当で勝つ試合運びを身に付けたつもりなのだろう。 試合を終え、バックスタンドからもゴール裏からもブーイングが起きる。 振り返ってみれば、何度も湧かせるシーンはあった。際どいコースに飛んだシュートを南がことごとく弾き返した。坂田への決定的なパスが通りかけて、思わず腰を浮かせたシーンもあった。だが、「健闘虚しく散った」とは思えない結末となった。きっと、それは前半の沈黙が原因だ。明神のミドルシュートがポストに直撃して、その後、約20分近く、トリコロールはシュートを放つことが出来なかった。しかも、やっと放ったシュートは、状況を見かねて長い距離のドリブルから中西がベテランらしく放った、「とりあえず撃って流れをくい止めよう」というロングシュートだ。前半最後の決定機は松田のヘッド。 フリーの選手がいてもボールが出ないちぐはぐな攻め。 「坂田だ!坂田!坂田!」 絶妙のタイミングでディフェンダーとの駆け引きに勝って飛び出す坂田やジョンファン。しかし、それに気が付いたスタンドの声援からはワンテンポもツーテンポも遅れて、やっと縦に出たボールがオフサイド。そんな虚しい組み立てを何度も見、柏のミドルシュートの連続を見、歯がゆさを積み重ねる。 「こいつら、コーナーキック狙って、とりあえず撃ってるんじゃないか?」 「早野ならやりかねない。」 それは大袈裟ではあるが、スリッピーなグランドでミドルシュートを狙ってくるのは定石だ。おまけに、ディフェンスラインの前にはスペースが出来てスカスカ。シュートもドリブルも自由自在の舞台を用意している。逆に、なぜか、トリコロールにはシュートがない。 前半終了間際に松田がゴール前に居座ったままとなった。 前節も終了間際にゴール前の松田がシュートを外した。決定的な場面だった。今節も決定機を三度潰した。だが、考えてみてほしい。松田がゴール前のフリーの場所にいるという事実を。彼はJリーグに於いて、かなり高いレベルでゴール前の危険なポイントを察知できるプレーヤーだ。そして、プロとしてスタンドの望むことを敏感に(たまに鈍感に)知る男だ。だから、彼は、シュートの撃てない状況がもどかしい。いち早く、決定機を作れる場所へ走り込んでしまう。他の選手達は松田に、それを許している。いや、松田にポジションを明け渡しているのではないか。なぜ「そこは俺が立つ場所だ」と、絶好機を生み出す場所を奪い返すことがなぜ出来ないのだろう。いつまでも松田が前にいるというのは異常事態だ。それは、松田の問題ではないのではないか。松田は熱き心に、虚しさを同居させながらゴール前に居座っていたのではないだろうか。 玉田の得点で柏のゴール裏からは、残り時間を示す砂時計のように、一人また一人と黄色いユニフォーム姿のサポーター達が最前列へ通路を駆け下りてくる。その数は増え続け、ついには試合終了のホイッスルが鳴る。 残り試合7試合で浦和との勝ち点差は9。次節は直接対決なので勝ったとして6試合で勝ち点差は6。普通に考えれば優勝は非常に厳しくなった。争う相手は浦和の他にもたくさんいるのだ。だが、もう一度考えてみよう。私たちは、いつから勝ち点計算をして優勝を自ら引き寄せるチームになったのか。失った勝ち点を計算違いとして嘆くチームになったのか。 「常勝」を勘違いしてしまっていないだろうか。 過去3ステージの優勝で、計算通りの星勘定だったことはない。なぜステージ優勝できたかというと、岡田監督が掲げた遠く高い位置になる「常勝」という目標に向かって、一試合一試合をステップアップして行くつもりでフィールドもスタンドも闘ってきたことの結果の積み重ねが、最終的に他のクラブと比較して優勝となっただけだ。優勝の逆算で試合を進めるなど、「常勝」に向かって試合を積み重ねるのと比べれば、あまりに望みが小さい。ここまで全勝できていようと、首位から勝ち点差が9あろうと、目標は遠く高い位置にあるのだから、違うサッカーを行う必要はない。まぁ、怪我人の強行出場をするかしないかの判断くらいが、その違いだろう。残り試合を全て勝つつもりで試合に臨む、それを応援する。これまでと違いはないのだ。そして、その結果、優勝が付いてくる可能性は、もちろん失っていない。 浦和戦。すんなり浦和に独走させるわけにはいかないだろう。ナビスコでの冷たい豪雨は記憶に新しい。 ガス戦。ガスに負けて気分がいい人はいない。 鹿島国戦。笑顔で霧の国境を越えたいと思わないか。 市原戦。市原臨海での借りは大きい。返すべきだ。 ガンバ戦。西野にはいつまでのリーグ優勝のない好監督でいてほしい。 新潟戦。もう一度、J1の厳しさを終盤で味あわせてあげよう。 読売戦。理由は不要だ。 全て勝ちたいではないか。単純なことだ。全て勝とう。7試合全て勝った時点で優勝の栄冠を手にするか、9試合全て勝った時点で栄冠を手にするか、いずれにしても、全てに勝って栄冠を手にすればいいのだ。まずは浦和から。 今日のポイント ●失点の場面はいつものこと。それよりは得点できなかったことが重大。 ●縦に勝負がなければ怖さがない左サイド。 ●ぽっかり空いた中盤の底。サンチョルとの連携の問題なのか、後手後手を踏み続け、 ついには後ろから倒して警告を受けてしまった那須。 ●バッタリ倒れる以外に印象がなかった久保。 今日のお値段
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