maliciaのプロフィールはこちらへ
![]() 第12節 鹿島アントラーズ 鹿島での試合は、いつも楽しみだ。日本で初めての15,000人屋根付きサッカー専用競技場として誕生して以来、仙台、鳥栖と並ぶ日本一のサッカースタジアムは、脚を踏み込むだけでサポーターをワクワクさせてくれてきたのだ。 ![]() 「今日の航空会社はどこからだ?」 途中のサービスエリアはユニフォーム姿の鹿島サポーターでいっぱいだった。 試合開始は19:00だが名物の渋滞を回避するために早めのスタート。名所の一つファミリーマート・スタジアム前店に立ち寄り、いよいよスタジアムは見えてきた。緩やかな屋根のラインが美しい外観を描き出している。早くも15:00には着いてしまった。そこには、いつものようにシーガルの面々を先頭にマリノスサポーターが集まっていた。カシマスタジアムはアウエーサポーターが完全隔離になっているので、並ぶ場所もフェンスに囲まれた引っ込んだ場所になっている。が、 「おい、隔離はイイがちょっと待て。入り口に警備員がいないじゃないか。ってことは、今、襲撃されれば、我々は逃げ場がなくなって全滅だ。」 鹿島のボランティアの方は、とても一生懸命で好感が持てるのだが、いつも運営計画はずさんだ。 ![]() ファミマ・スタジアム前店から見えるカシマスタジアム。「前」だけど、とてつもなく遠い。 マリーシアマフラーをしたジーコ。今日は味方だ。 「今日は厳しいですね。柏戦の鹿島は良かったですからね。」 「ほにゃらさわも、絶好調で柳沢モードだ。」 「ま、今日はスタジアム見学が目的の半分以上だからな。」 「新潟はアクセス以外は結構良かったですからね。」 と、まぁ、あんまりチーム状況をマジで話していると明るくない結論も見えてくるので、試合展開の予想は避け気味だ。新しいスタジアムに期待は大きい。どんなスタジアムでワールドカップを開催するのだろう。新横浜に初めて足を踏み込んだときは 「すげぇ!」 「でけぇ!!」 と歓声を上げたものだ。まったく持ち物検査になっていない持ち物検査を終え、紙コップとペットボトルを一緒に渡してくれる売店を通ってスタジアムの中へ。 「なんだこりゃ?」 「ひでぇよ、この造り。」 「しょぼぉ〜。」 「屋根無いじゃん。」 が、第一声。こりゃぁ想像以上の出来の悪さだ。一階の屋根は後ろ3列のみ。最後列の床はベニヤ。後ろの壁もグレーに塗ってコンクリートに見えるがベニヤだ。 「こんなもん、ワールドカップになったら壊したがるヤツ絶対いますよ。」 「『あのスタジアムの壁を叩き割ってきたんだぜ、俺』とか言ったら、そりゃ自慢できるもんな。」 「二階だって、あ〜んな歪んだデザイン重視した屋根付けちゃってるから雨吹き込んでくるじゃん。」 「たぶん、後ろ半分くらいしか屋根の意味無いじゃん。」 「あ〜つまんねぇの、アウエーは二階に入れないって言うし、どこにも行けないし、蒸し暑いし、試合までは3時間もあるし、もう帰ろうぜ。」 っておいおい、いくら楽しみだったからって試合がまだだ。あまりにがっかりしたので、落ち込みまくって、しかも、残された時間を過ごす方法もなく、みんな食に走った。鹿島の売店は健在。各地域の商店会が出店する売店には色とりどりの弁当やつまみが置かれている。鹿島名物のもつ煮も、最も美味しい店と言われる売店がアウエー側に入っているために、地元の人々を悲しませているという。とにかく食った。 試合開始前20分くらいになり選手紹介。鈴木の紹介の時に、マリノス側ゴール裏からは一斉にレッドカードが差し出された。しかも、みんな毅然とした態度だ。テンションも高まる。選手紹介が終われば、鹿島側からはビッグフラッグが登場し唄が響く。以前であれば、そういったホームの応援に圧倒されてしまうことが多かったマリノスサポーターだったが、この日は逆に盛り上がった。ビッグフラッグに大拍手。 「いいぞ〜!」 「おっきぃぞ〜!」 「旗の下の人がかわいそうだぞぉ〜!」 唄に合わせて踊る。手拍子を送る。唄が終わればアンコール!アンコール! ![]() 高いフェンスの向こうには別世界が広がる・・・1Fのわずかな屋根。床はベニヤ。 鹿島のパフォーマンスに「いいぞぉ〜!」の声。 と、楽しかったのはここまで。じつは場内に審判紹介で布施さんの名前紹介された時点で悪い予感がしていた。布施主審の審判のとしての技術が問題なのではない、事実、判定は公平で、基準はしっかりしていた。しかし、その基準が「ルーズ」。カードが少ない主審なのだ。昨年のチャンピオンシップは典型だった。厳しく裁いたモットラムさんの第一戦は互角に引き分けたが、流し気味の岡田さんの第二戦は惨敗した。鹿島は流し気味の主審に強い。つまり反則やりたい放題になれば、やったもん勝ちということだ。 試合開始早々の攻防で、マリノスのカウンター時に極端なレイトタックル(ボールを離した後にする反則タックル)があった。しかも、そのタックルの足は高くあげられていて、膝の下あたりに引っかかる危険なものだ。当然、布施主審は反則の判定だったがカードは出なかった。以後も、反則は的確にホイッスルを吹いてくれたが、カードは出なかった。数度の繰り返しの同じ反則に注意。何度注意しても同じ反則をする平瀬などもいたが、注意は注意のままだった。 しかし、これが決定的な敗因ではないのだ。序盤に、もう一つ、この試合の方向性を決定づけるプレーがあった。左の丸山のサイドを鹿島がコンビネーションで突破にかかった。丸山は抜かれかけた。当然、相手のドリブルに着いていかなければならない場面でありながら、ディフェンスラインの位置を気にしてボールとは関係のないポジションを取った。幸運にも、前に強い川口がボールを押さえたために大事には至らなかったが、以後も、同じようなプレーが続いたのだ。つまりは、スリートップの鹿島、しかも3人は横並びではなく、時間差でラインの突破を計り、斜めへの走り込みでマークの混乱を狙う、その動きに対して、同じ人数のラインで対応した。しかも、中盤でのチェックも甘かったので、ラインの裏を抜かれ放題。さらには、経験の浅い丸山と数馬は、ラインを気にするあまりに、交互に突入してくる柳沢、平瀬、鈴木にディフェンスとしての勝負を挑むことなく下がるだけだった。2失点目も、柳沢の横へのドリブルに着いていくことなく数馬が下がっていって、自由なスペースを与えて、見事に打ち込まれた。当然予想された鹿島の3トップに3人のラインで守りきれると考えたのだろうか。それとも、なんの準備もなかったのだろうか。代表クラスの3人を相手に、フィールドの中で修正しろと言うのは、丸山、数馬には、あまりに酷だ。 木島は動き回っていたが、城との距離が遠すぎて、中央でのツートップとしての連携が取れなかった。サイドの平間はディフェンスに追われて、70分くらいからは足が止まった。サイドチェンジしようとしても、いるべきポジションにいなかった。ボールが来てもプレーは正確性を欠いた。前半に再三の突破を許して追跡に疲れた数馬は、後半も柳沢に置いてきぼりを食った。しかし、ベンチが動いて平間を下げて攻撃に出たのは85分からだった。確かに、それ以前に坂田を出し田中を出したわけだが、キーになるべき平間が動けなくなったのは痛かった。 90分は、しかめっ面と苦痛と罵声とに支配される時間だった。こうなってしまえば、どんな反則が起ころうが、 「汚ねぇぞ鹿島!」 という野次が飛ぼうが関係ない。負けるべきして負けたのだ。J2は、はっきりと我々の目の前に見えている。 ![]() うつむいてフィールドを去る選手たち。このままじゃダメ、絶対にダメ。 今日のポイント ●城孤立。くさびをやっても、あとの9人が自陣で横一列に並んでいるのでは、為すすべがない。 今日のお値段
|