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![]() 第7節 ジェフ市原 「休むな!」「動いてもらえ!」「シュート撃たなきゃ始まらないぞ!」 マリーシア創始者、新沼さんの檄は失点後に激しさを増した。それは、暗く、重く、悲しい声だった。残留争いの厳しさを、スタンドもヒシヒシと感じ始めた。そんな一戦だった。試合後に、「勝ち点1を獲って前進。」「負けゲームを引き分けで凌ぎきった。」「勝てる試合を落として勝ち点を2ロスした。」口々に、この試合の意味合いを意見し、それはまとまることのないまま、私たちはスタジアムを後にした。 開始6分に城のシュートをブリットが押し込んで先制。今や強豪の市原に対して、よもやの序盤の先制で盛り上がる。「このまま逃げ切れるわけはない。」という思いも、心のどこかにしまいながら、しかし、なんとかなるのかもしれないという希望。すこし余裕を持って観戦することが出来た。だから、試合内容を序盤は良く吟味しての観戦も可能だった。今日勝てば、次の浦和戦の直接で順位を入れ替えることが出来る。そのためには、今日を勝たなければならないのだ。ゴールキックの判定にゴール裏から大ブーイングと罵声が飛ぶ。そこへ永野君の大きな声の野次が飛ぶ。 「こら審判!ちゃんと見すぎだぁ〜!!!」 「ってことは、判定は合ってるってことですね。」 「うん、そうだ。」 この日は小村が出場停止なので冷や汗ものの見苦しいファールは比較的目立たなかったが、それにしても不用意なファールがまだ多い。 「審判の近くで反則しちゃダメだぁ〜!」 布陣は中央に小原を起用。波戸はストッパー。小原はセーフティーを意識してかパスが短い。それがかえってピンチに繋がるケースもあったが、全体的には合格点だ。ナザはチェ・ヨンスとのマッチアップ。空中戦は互角だった。ドンピシャリのヘディングシュートはなかった。 「くさびになってますね。」 「うん、なかなかボールが奪えないな。さすがに巧い。」 「強いね。やっぱ強い。」 「でも、くさびのときは、まだ大丈夫。これが放り込まれると、とたんにやばくなるぜ。」 「そういえば、チェ・ヨンスは民間人になってからは怖くないな。(ワールドカップ予選時は徴兵により軍属)」 さらに、今年のチェ・ヨンスがゴールを量産しているパターン、ペナルティエリアあたりでウエーブの弧を描く動きで外に広がりながらマークを外して、中に入ってくるところでスルーパスを受けてシュート!というシーンは、最後まで無かった。これは、ボランチの永山と金子の献身的な守備によるところが大きい。特に金子は市原の中盤の選手にボールが入ると、すぐに対応し前を向かせないことも。その見事なアプローチに今亜シーンがあった。市原選手が金子を背負いながらドリブルで下がり何度か振り向いてパスを狙うが振り向けない。それでも付いていくので、やむを得ずディフェンスラインにバックパス。その時、金子にむけて大きな拍手が起きた。贅沢を言うと、すぐに下がってしまうディフェンスラインとの連携が、うまくいかないときに、ミドルシュートを打ち込まれるシーンがかなりあったので、それを改善してほしい。撃たれると判っていて、本当に撃たれるのだから、もうスタンドは冷や冷やものだ。それでも、そのシュートが、なかなか枠に行かなかったから助かった。いやはや、川口の運も大したものだ。 「でた、川口の運!」 「いいぞ川口。」 「3億円の運。」 「それじゃ宝くじだ。」 「ポーツマス行ったら関係者じゃなくなるからtoto買えるぞ、川口。」 永山も金子もボールキープする時間は短く、単純に前の選手に渡していくので、これまでになくマリノスのサッカーは前向きになった。とはいっても、磐田や鹿島や東京などと比べると、まだまだ遅いのだが。城はくさびになって良く働いた。先制点のシーンでも、よく無理な体勢からシュートを撃った。 「いいじゃないか城。さすがに市原戦は違うな。」 「積極的だ城。」 「でも先制点のシーンは枠に行っていなかったのも城らしい。」 ところだが、城がトップでボールを受けると、そこでスピードが止まってしまう。これは城の責任なのか。それとも、波戸ではなく石川が入っても、左よりは深い位置から上がってこなければならない右サイドのシステム上の欠陥なのか。それは判らない。どちらかというとブリットが前で城が1.5列目のほうが、城からサイドに有効なパスも出て良いようにも見えた。 後半に市原はゴール前のフリーキックのチャンス。今日は怪我で阿部がいないから、まだ安心・・・と思っていたら、そこで阿部が交代で入ってきた。しかもフリーキックを蹴る位置にまっしぐらだ。 「おいおいマジかよ。」 スタンドは頭を抱えた。バレーボールのピンチサーバーじゃないんだから。 その後、左サイドに村井も入ってきた。このサイドは、とたんに危うくなる。阿部もボランチの深い位置からサイドにロングボールを送り込んでくるので、永山と金子のチェックが効かない。攻撃のキーマンの阿部と村井が入って、市原は、やっと本気モード。マリノスも坂田と遠藤とま”を入れて坊ちゃんを坂田のトップ脇。これで両クラブとも中盤省略の図式ができあがった。 左から坊ちゃんが逆サイドの裏にサイドチェンジする。右から折り返しのクロスがゴール前のスペースに入る。走り込んできた坂田は脚を伸ばしてダイレクトシュート。ボールは枠を反れる。左→右→中への大きな展開に沸く。 「それはクライフでも入れられないって!」 直後に、ルーズボールを坂田が追うが、跳ねたボールは手のひらにバチンと当たる。ホイッスル。 「おいおい、今度はマラドーナか!」 「ここまで音も聞こえたぞ!」 延長戦にはいると、お互いに攻め合いになって坂田と坊ちゃんが決定的なチャンスを作るシーンも多くなる。坂田のシュートは枠の外へ、坊ちゃんは際どいシュートを放つがネットを揺らすことが出来ない。あれだけ決定機がありながら追加点を奪えなかった。逆に、市原は安定したパス回しが印象的だった。延長戦に入ってからは、さすがに組立も乱れたが、紙一重のところまで崩したシーンは市原の方がはるかに多かった。 「市原は強くなったな。」 「やっぱ、いいサッカーしてる。」 「でも、残留が懸かってない市原は迫力に欠けるな。」 結局のところ、試合前には「裏切りに近い」という声も出ていた川口が敗戦から救った。 「川口!考え直してくれ!!」 「しばらくいてくれぇ!」 「今のセーブで1億値上げしろ!!!」 それにしても川口放出。その直前には、新潟で修羅場を経験していた吉原を放出。それでいて。元日産ファームでフリューゲルスに所属した29歳、Jリーグ出場10試合という謎のゴールキーパーを獲得。謹慎中の安永をレンタルで獲得。まともな思考の補強とはとても思えない。残留への道は険しい。 「次はどことだっけ?」 「浦和。」 「強豪だな。」 「強豪?」 「そりゃそうだよ。うちより下は2つしかいないんだから、いつでも敵は強豪だ。」 「浦和と順位をひっくり返すチャンスだったのにな。」 「それにしても俺たち、セレッソと読売と浦和しか見てないな。」 「なんで広島と福岡は眼中にないんだろう?」 今日のポイント ●ボランチの改善で試合展開は変わる兆し。 今日のお値段
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