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![]() 第11節 柏レイソル こぼれてきたボールを無理な体勢から押さえ込んだ。バウンドしたボールは力業でネットを揺らした。座っていた観客もボールの行方を立ち上がって追った。そしてそれはスタンディングオベーションに変わった。もしくは、そのまま飛び跳ねて倒れるほどに喜びを弾けさせた。 不用意なファールで退場した2人の選手。 90分の残り時間を、自分たちで考えることなく無駄にボールを回してシュートがほとんどないままに勝ち点を失った選手達。 1枚カードをもらっているのにも関わらず、こちらが1人多い間に右の久永を交代させなかったラザロニ。 ドゥトラにプレイメークさせるため中央にはいることを命じ、左に三上を入れたがために、左サイドからの攻撃を皆無にしてしまったラザロニ。 ドリブルで勝負することもなく、ウイルがディフェンスを背負って受けたボールのリターンも、ほとんど受け取ることがなかった遠藤。 サイドからの攻撃を徹底することなく、中央でことごとくサンパイオに跳ね返された攻撃。 憤慨もののゲームのはずが、すべて帳消しになった。それほどまでに、攻撃する姿勢を示した坂田のチャレンジは素晴らしかった。もちろんドゥトラも。そして、平瀬がフィールドに登場することで、相手ディフェンスの裏を狙えるようになりボールは前に動くようになった。素晴らしいゲームではないが、全てを忘れることができる劇的なゴール。素晴らしいサッカーではないが、評論が必要なくなるようなエキサイティングな結末。残り試合が少なくなってきた時点で負けナシの首位。多くのサポーターが余韻を楽しみ、簡単にはスタジアムから去らなかった。 本来ならば、まったりと勝てるはずの試合だった。組み立てができなくとも、サンパイオを左右におびき出して消耗させて攻め手を奪えば良かったはずだ。だが、展開は大苦戦。それでも、全てを水に流して喜ぼう。それほどまでに最後の数秒は誉めても誉めすぎとは言えまい。 序盤は動きがなかった。つまらないが結果が何となく出るだろうと思われた真夏のゲームだった。試合が動いたのは花火。突然、神宮球場の方向から上がった花火にスタンドが盛り上がった。しかし、すぐに歓声は変わった。 「チャンスが来た!今のうちに攻めろ!!」 「ここで決めろ!!」 「今がチャンスだ!!」 集中力が削がれたスタジアムのムード。大轟音で指示が聞こえないであろうフィールド。幸運なことに、この時はマリノスの時間だった。柏陣内に攻め込んでいる。 「行け!!決めろ!!」 フィールドの選手達には聞こえるはずのない個々の声が絶叫になる。花火は、それほど長いわけがない。フィニッシュを飾る花火が連発されたとき、右サイドの清水から絶妙のカーブをかけたグランダーのクロスがゴール前を横切り逆サイドに渡った。ボールを受けワントラップでゴールキーパーをかわし、ぽっかりと口を開けた柏ゴールに流し込んだ。チャンスに決めた先制弾。 「ただいまのゴールは・・・背番号3・松田・・・。」 こんな時に決めるのは、やはりお前だったか。美味しすぎる、いや、こういうときに、あのポジションにいる勝負勘は素晴らしすぎる。 その後、いらだちが募る柏。大野が2枚目のカードをもらい退場になる。歓声が上がる。 「さっさと出て行け大野!!」 「早く出ろ大野!!」 大野は歩いてフィールドの外に出ようとしていた。左のタッチ際から右のタッチまで。 「大野!早くしろ!今帰れば隅田川の花火に間に合うぞ!!」 「総武線乗って行けよぉ!!」 「ユニフォームと同じ色の電車だぞ!!」 本当ならば、そのまま逃げ切れるはずだったのだが。 試合後にお立ち台に登って跳ねる平瀬と坂田。K林さんは叫んだ。 「平瀬ぇ!!こっちのファンはイイだろう!」 今日のポイント ●結局、得点した3人は勝負した男。 ●これだけ劣勢に追い込まれても勝てる底力。 ●攻めも守りもサンパイオ。 ●最後のひと跳ねが余計だったのか、坂田が倒されたプレーでPK取れず。 ●罰金ものの久永の退場プレー。ナザは1枚目のイエローが不用意すぎた。 ●状態がイイ時間に次の手を考えることは無いのかラザロニ。いつも手遅れ勝ち点2。 ●大野は両国橋付近で明神夫婦と待ち合わせに間に合ったか(のはずないか)。 今日のお値段
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