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![]() 第15節 清水エスパルス 素晴らしいステージだった。昨シーズンの惨状と比べて、なんと贅沢なシーズンなんだろう。磐田に勝ち、ワールドカップの中断前に首位に立ったときも、ここまで、最終節まで優勝戦線の主役になるとは半信半疑だった。選手は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。試合後にフィールドを回る選手達に惜しみない拍手が贈られた。この日よりも、優勝の確率の高かった、あの市原戦の約2倍の36,125人が120分の戦いを見つめた。90分を終えて席を立つものはごく僅かだった。 序盤の攻勢を見れば、この日の選手達の意気込みは十分に伝わった。 立ち上がりの主役は、やはり清水だった。枠内の際どいシュートがゴールを襲う。ルーズボールはことごとくものにする。全体に寄せが早く、相手ボールになっても高い位置で奪う。すぐにサイドに展開してチャンスをうかがう。ウイルは左右に流れて一度ボールを受けてから次の展開へ。試合終盤まで波戸は高く開いた位置に陣取って右サイドを制圧する。左サイドはよく判らないが市川も上がってこず、スペースは三上が押さえていたように見えた。両サイドとも数的優位を作りだしていた。 ところがウイルが流れているせいで中央は不在だからボールはキープできるけれど相手は守りやすい。ボランチがパス回しに参加する頃には清水の守備陣形ができているから、サイドからクロスを入れるか中央でもミドルを放つかしかない。圧倒的なボール支配に相反する得点機の少なさ。前半の枠内の決定的シュートは1本のみだった。 「今日は悪いヤツいないの?」 「悪いヤツって誰?」 「戸田に決まってるじゃん。」 相手の出来の悪さもあって、失点の気配は少なかった。褐色の隕石弾ナザはヘッドでバロンを完封した。澤登がフリーになりゴール前に度々登場するようになるのは、こちらの動きの量が落ちてからだった。 それにしても前半の攻勢時に得点できなかったのが惜しまれる。あれだけのボール支配があったのにだ。だが、途中から、ある疑念が持ち上がってきた。もしかすると、ウイルがサイドに流れる戦術は得点のためではなく失点を防ぐため、市川とアレックスを上がらせないための牽制での指示ではなかったのか。このところの遠藤のコンディションで予想すれば、中央の押し上げが早くないことは考えられるはず。はたして今日の攻めに最初からゴールの見込みはあったのだろうか。 序盤の運動量の影響で、後半にはがっくりと動きが落ちる。どうしても勝ち点3がほしいこのゲームで、劣勢な時間に陥る。せっかくボールを奪っても攻めに転じることができない。動けない。ボールを横に回す。ボールを下げる。失望のスタンド。 「勝つ気があるのか!?」 厳しい声が飛ぶ。勝つ気がないわけがない。疲れもあろう。超人的なオーバーラップを繰り返していた松田に、ここでさらにハードな動きを要求することはできまい。三上の動きにだって、高望みは気の毒だ。となれば、ここはフィールドの選手達を支援しなければなるまい。スタンドが?いや、まずは、それはベンチの役割だ。せっかくボールを前線に入れても、ウイルが脚引きずる(なのか引きずるポーズなのか?)状態でボールを追えないシーンが出始める。他の選手もボールの動かし方が消極的だ。となれば、積極的にチャレンジできる選手を入れるしかない!とは監督は考えなかったようだ。いつものように交代は「清水 範久→平瀬 智行」。結局のところ平瀬と動けないウイルのコンビで何か起きたことがあったのか。「遠藤 彰弘 → 永山 邦夫」。もうどうにでもなってくれという感じだ。それでも永山はゴール前に上がりペナルティエリア内で激しくチャレンジした。 セットプレーでの得点しか希望がもてないような終盤の展開だった。ウイルを残したのはそのためだろう。当然のこと流れの中での得点のチャンスは少なかった。その割には審判の判定に走って抗議に向かうウイルに 「お前、抗議のときだけ走れるのか!?引っ込め!!」 と容赦ない野次が飛んだ。ところが抗議の直後のプレーではウイルは猛然とゴールに向かってもうダッシュを見せた。この男はわからない。 いつものように何となく90分で試合は終わった。 監督は、優勝するために90分で勝ち点3を得ることを今日も望まなかった。これまでの戦い方と同様だった。前節までは、その選択肢も理解できないこともない。磐田が全て勝ち点3をあげてくる可能性が100%だというわけではないからだ。しかし、この日に限っては最終節だ。確率的に言っても90分で勝負をつけなければ優勝できる可能性は低い。しかもベンチは柏の葉の状況を知り得たはずだ。だからこそ悔やまれる。 延長戦に入り、さすがにスタンドも柏の葉の状況を知りテンションが下がる。だが、勝ち点2を得て終わりたかった。プレーに暖かい拍手が贈られ声援が飛ぶ。 「上野 良治 → 久永 辰徳」「ウィル → 坂田 大輔」。馬鹿らしいとはこのこと。112分の坂田登場には罵声が飛んだ。 「今頃、何やってんだ!」 「さすがブラジル代表のワールドカップ史上最悪の監督!!」 「30分遅いんだよ!」 「いや60分遅いんだよ!」 「今から優勝できないぞ!!」 「交代枠使って選手を出してあげたいんなら・・・ここは下川だろ!!」 この日の坂田、そして鹿島での安永、まったく気の毒に思えてならない。 そして試合は終わった。ステージ最終節ということで監督の挨拶があった。ウルトラを中心にゴール裏の大多数はラザロニ・コールで戦績をたたえた。たしかに黒星がたったの一つというのは監督の功績だ。感謝しなければならない。監督へのブーイングはごく一部。私たちの周りの家族連れはキョトンとしていた。監督がどのような言葉で、この試合について触れるのか、みな注目した。しかし、その言葉は難解、文法無視の理解不可能。 「おいおいダメなのは監督のせいかと思ってたけど原因は通訳かよ!?」 「訳の分からない指示に通訳が輪をかけてんじゃないのか!?」 「選手と一緒に拍手しましょう?そんなことホ〜ントに言ってるのか? だって選手が拍手してないじゃないか!」 失望と怒りが充満していたこころが少し和らいだ。 セレモニーを終え、選手がフィールドを一周した。先頭を歩いていた監督はゴール裏を通り過ぎた。立ち止まって手を挙げようとする選手に気が付いて、慌てて戻ってこようとする。 「もうイイ、行っちゃってくれ!!」 「選手は良くやった。よく頑張ったぞ!」 「セカンドは優勝しろ!!」 「そろそろ天皇杯獲れ!!!!」 「それよりも、何処の何奴だ通訳出てこい!!」 今日のポイント ●松田が上がるシーンが多く、ナザと中澤で守った。 ●戸田、登場して警告とは期待通り。「(PK)期待してるぞ!」の声も飛んだ。 ●なんだったんだ清水エスパルス。 ●一見、カップ戦向きの失点しない手堅いサッカー。だが、昨年は天皇杯初戦敗退の実績。 ●あんにたくさんの「必勝ミサンガ」。切れたヤツは一人もいなかったのか? ●優勝は厳しい。国内無敗で優勝できないなんて。 今日のお値段
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