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![]() 第2節 サンフレッチェ広島 新横浜が、いつものホームスタジアムの雰囲気を取り戻したのは最後の15分間。つまり幸運なパスを相手から受けて、上野が見事にゴールネットを揺らしたときからだった。ゴール裏がいつもと違ったのか?観客が少なかったのか?いや、それは違う。16,927人の観客発表があったとき、それは意外なほど多い数字に感じられた。それほどまでに、この日の試合は静かに、そして消化試合のごとくのんびりと進められた。ゴールへの執念を表現するナザ、責任感が人一倍強い波戸、観客のことを誰よりも真剣に想う松田らは、どのような表情で、この試合を見守っていたのだろう。カルロス・ゴーンは2失点目を喫した時点でスタジアムをあとにした。 勝機は少なくなかった。いや、前半に1点を先制すれば一方的な展開になることも十分に考えられた。広島の攻めは散発的でボールは落ち着かない。だが、それに付き合うようにマリノスのゴールも落ち着かずパスは回らなかった。ときたま、集中力を欠いたからなのか、信じられないボールが選手の足元を抜けていき、スーパーファンタジックパスが前線に出ることがあった。広島の右サイドの駒野は『Jリーグ名物』ワンバウンドのボールの落下点を間違えボールに頭上を抜かれ、三上に当たり負け。さらにウイルに中盤でのヘッドを競り負けた。突破口はここにあると思えた。 だが、左の生命線、ドゥトラの突破は見られなかった。なぜなら、今日のポジションはボランチだったからだ。右の久永も覇気に欠け、左右両翼を失った攻撃は、とりあえず前線に預けるというモノだった。結局のところ、これは機能することなく、ついにポジション変更。3バックを4バックにし、奥をボランチにしてドゥトラを前に。さらには、左右を積極的に突くために清水を坂田を投入した。 試合後に罵声を浴びることになった平瀬。トラップミスや判断ミスが目立った。だが、忘れてならないのは、彼が得意とするボールが、ほとんど供給されていないということだ。柏戦のゴールや、輝いていた五輪予選最終2戦を思い出してほしい。中央にポジションを取ってディフェンダーとの駆け引きから裏に飛び出してボールを引き出す、そんな動きができる位置を、彼は与えられてはいない。 問題なのはウイルとの連携であろう。もはや『不動』のポジションとなったウイル。だから、平瀬にしても清水にしても、相棒として起用された選手はサイドへのポジションを余儀なくされる。ウイルが素早く捌くのであれば、近くのポジションをとってもよいが、たいていの場合は、いったんキープだ。だから、近くにいても離れてウイルのドリブルのスペースを作ってあげる必要が出る。ウイルがサイドでボールを受けた場合は相棒へセンターへ。だが、ウイルは誰かにパスしても、サイドから中へ走って入ってくることはないから、センターは一人で孤立無援だ。 さらには、奥が、トップ下としての運動量が足りていないというのも状況を悪化させている。左右の動きはよいとして、トップとの近い位置での連動や、いわゆる2列目からフォワードを追い越しての飛び出しというのは皆無だ。元々、経験が豊富なわけではなく、さらには怪我。この日は消えている時間が長かった。 平瀬への罵声が忘れさせているが、ウイルのプレーは『最悪』。 「さっさと代えろ!!」 「もう死んでもいい!!」 かなりの罵声を負けず劣らず2階席からは浴びていた。特に倒れて起きあがらず、せっかくのチャンスをボールを出して切らなければならなくなったシーンは最悪中の最悪だった。どうみても大したことがなくフォールでもないのだ。案の定、ボールが出れば立ち上がる。ただ単に、わがままな演技のためにマリノスはチャンスを失っただけだった。 攻めのカタチが、とりあえず中盤からウイルに預けるというものなのだから、ゲームの結果はウイルの出来如何だ。ところが、少しの接触で倒れる倒れる倒れる倒れる倒れる。その倒れ方はほとんどが同じフォーム。マラドーナの倒れ方は両手を伸ばし顎をあげ、哀愁の漂う哀しい表情で宙を舞うという美があったが、ウイルの場合は美の欠片もない。 「なんでイヤ〜ンって倒れ方するんだよぉ!」 「行かないで!!」 「捨てないで!!」 競り合う相手に体重を預け、反発されるか先に行かれると、バンザイの格好から、もたれかかったままズルズルと地面に流れ落ちていく、そんな女々しい倒れ方は怒りどころか失笑を誘った。 これも、いつもの脆さなのか。淡々と進んでいくゲームの流れを変え、雰囲気を引き締める役割を担う男がいなかったからなのか、とにかく、もうリーグは終わったかのようなムードなのだ。すでに消化試合になったかのよう。せっかく、中澤、数馬、那須が期待以上のディフェンスでピンチを凌いでいただけに、この試合はもったいない。榎本のスーパーセーブが勝ち点に繋がらないなんて。 最後に、この日は前節の経験が活かされたのか、無駄なファールが比較的少なかった。残念だったのは連続警告記録を更新してしまったことだ。どうみても、あまり遅すぎるタイミングでのレイトタックル。しかも足を高くあげてのこと。幸い相手選手がかわしたため怪我を負わせることはなかったが、行為だけで完全に警告は間違えないプレーだった。広島ボールになっていたため、アドバンテージでそのままホイッスルが鳴らずプレーが続いたが、直後にボールを奪い取った。 「ゆっくりパスを繋げ!!」 「時間をかけて警告出すのを忘れさせろ!!」 「撃つな、入らないんだから!ゆっくり!」 「このまま10分キープしてハーフタイムになれば忘れるぞ!!」 「いや、ロスタイム表示の数字を見れば記憶が混乱する!」 「馬鹿!攻めるな!!」 「誰か審判の近くでいろんな数字を言え!!!!」 しかし、広島がボールをタッチに出したため、結局、適切にイエローカードが提示されてしまった。 試合後に漏れる私たちの言葉に力はない。 「勝つサッカーか面白いサッカーか、せめて、どっちかにしてくれ。」 今日のポイント ●ボランチのポジションのボールの持ち方じゃない。 ひやひやモノだったドゥトラのフェイント。 ●失点は集中力の問題。急造ディフェンスは崩れなかった。 ●ビロング トゥ リオ ●残り時間僅かな中で的確な引出とクロス入れをおこなった坂田。 ●「北の国から」の影響か寂しい客の入り。 今日のお値段
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