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2階の目線2002

第8節 柏レイソル

「キーパー南だからな。真ん中蹴ればはいるんだけどな。」
「でも、蹴れるかどうか。」
「細工すると危ないぞ。」
延長戦開始早々のPKを蹴るのはウイル。右を狙うがコースが甘い。南が弾く。
「あ〜止められた。」
と思ったが、ボールは幸運にもゴールポストに当たって内側に跳ね返った。バウンドしてゴールラインの内側に跳ねる。それを見て、私たちは喜んだ。

とにもかくにもマリノスは勝利したのだ。

「あっぶなかったぁ〜。」
「とにかく勝った。」
「良かった良かった。」
「下條監督、去年5試合の勝ち点の倍を1試合で稼いだ。」
「今から帰れば、ギリギリでアジア大会の中継に間に合う。」
やれやれの表情で、入りの寂しい国立競技場をあとにした。

下條監督の采配に大きな変化は見られなかった。「アグレッシブに行く。」「ボールを失うことを怖がるな。」といった攻撃的なセリフが聞かれていただけに、大きな変化があるものを期待もあったが、実際のゲームは攻撃の枚数をめったに多くかけない守備中心の手堅いもの。

毎年恒例になりそうな予感もちらほらとする下條采配。昨年のことが脳裏に浮かぶ。

「最初の一戦なんだから過剰な期待はしちゃいけないって。」
「っていうか、本人も繋ぎだってわかって受けてるんだから。」
「あんまりプレッシャーかけてもさぁ『そんなに勝ち負けいうなら俺やらないっすよ。』って最後の手段言えるもんな。」
「ほら、見てみ。右の永山のところに田中が戻ってこれる。ちゃんと来年の布陣になるだろ。」
「これでウイルを戻せば、ナザの枠も空くから、中盤と前線の外国人選手が2枚獲れる。」
「おぉ、なるほど、下條やるな。すっかり来期への繋ぎの役割に徹している。」
「もう、田中になんて『ほら、きみのためにポジション空けて待ってるよ。』って読んでいるようなもんだ。」
「ほんとだ、遠藤を使わなければ石川の入る場所もあるな。」
「すごいな下條監督。」
「これでも勝てとか文句いったら『そんなに勝ち負けいうなら俺やらないっすよ。』って・・・。」
ほとんど根拠のない会話だが、言えているのは、この試合一つでガタガタ言っても仕方ないってこと。

試合は低調な立ち上がり。原因はおそらく双方にある。サイドの攻防がなかった。柏は残留が懸かっているにもかかわらず、サイドはリスクを負わない。左サイドの平山はアーリークロスが得意な選手であるが、それでもえぐりが少なすぎる。マリノスは4バックの両翼が永山と三上。これは、ある程度、諦めておかなければならないだろう。
「なんか、まったりとしてるなぁ。」
「両方とも同じような攻めだよ。合わせ鏡みたいなんだもん。これじゃ、どっちも点獲れないな。」
「でも、早く点獲れって言っても『そんなに勝ち負けいうなら俺やらないっすよ。』って・・・。」

だが、下條監督は後半には手を打ってきたようだ。両サイドバックがオーバーラップするのではなく、遠藤と波戸がサイドに開いて突破を試み、ゴールライン付近まで持ち込むようになる。これで、やっとゲームが動き出した。一方、柏だが、エジウソン以外には危険な感じは加藤望が微かに、という前半だった。ときたま、サンパイオがファーサイドに走り込んでくるのはノーマークだった。しかし、失点の決定的なピンチまではナシ。そこで後半には菅原を投入。知名度の低い選手だがポジショニングがよい。飛び出しのタイミングも良く、こちらも攻撃に変化が出てきた。

松田はかなり意気込んで試合に臨んでいる。力が入りすぎているくらいにだ。そのせいか、不用意に蹴ったボールがあっけなくタッチを割る。
「おいおい、どうしたんだよ!」
「いや、榎本がタッチって言っちゃったんだよ。」
「でも、あそこで出す必要ないじゃん。」
「いや、キーパーが達也と南だろ。だからタッチって。カッチャンはお空の上だ。」
「あだち充かよ。」
力が入りすぎているといえば奥の動きも少しおかしかった。特にドリブルのキレがなく、相手に奪われることがたびたび。誰もが、再出発のこの試合で結果を出そうと思っている。戦術的な徹底は未完成で走り始めたばかりのチームだが、個々の気持は伝わってきた。それに、選手交代では積極的には見えなかった下條監督も問題点は1つ解消している。サイドからのクロスが上がった際に、中央が一人というシーンはなかった。必ず複数の選手が詰めていた。そして、大きく変わったのはあのシーンだ。波戸がもつれて倒れたが反則はマリノス側。柏ボールのフリーキック。マリノスの選手は抗議のために主審の近くへ寄ろうとする。しかし下條監督が大きなゼスチャーで動いた。「下がれ!」と。低調な試合の中で判定にナーバスになって、集中力を切らし、隙をつかれて失点する、あの悪いパターンを断ち切るための指示は前任者の正反対だった。

「でもなぁ、清水に代えて久永かよ。選手交代はなんとかならないのかよ。」
「でも、『そんなに勝ち負けいうなら俺やらないっすよ。』って・・・。」
「いかんいかん、ちゃんと応援しよう。」

クロスの精度に問題はあるものの後半はかなり支配することが出来た。これで左が三上ではなくてドゥトラであれば展開も少しは違うだろう。今日のところは、こんなもんだ。あとは、ウイルがフリーキックをもらうためにコロコロと転ぶのをやめれば、もう少し攻めのテンポも出るだろう。

延長戦開始早々のPKをウイルが決めた。スピードのあるボールで押し込んだ感じだ。普通に考えれば、あのコースを読んでいて止められなかった南の技術はかなりヤバイ。だが、結果、ウイルが勝ったことに違いはない。なにはともあれ、次節の鹿島戦に向けて再スタートとしては悪くない。今は、面白いよりも、負けないサッカーが最優先だ。


今日のポイント

●残留が懸かっているような気迫が感じられなかったスタジアム。
●前半のウイルの反則はどの審判も見ていなかったようで助かった。
●来年は岡田監督になるのなら、今からでも来てほしい、と思っていたら
 岡田さんは今日は釜山にいた。
●北嶋は先発どころかサブメンバーにも不在。せめて「北島サブ」だったら良かったのに。
●主審も早く帰ってアジア大会が見たかったようだ。


今日のお値段 


石井和裕

寸評:がっちり守って失点を防ぐことを最優先にしているようだ。幸い鹿島戦と磐田戦はチケットが売れているようなので、ただ勝つだけの試合でも良いのかもしれない。
評価額:¥2000

選手に気迫が見えた
500
ぽかぽか天気
150
エジウソン
50
下條監督の挙動
200
代表4バックの練習が出来た松田
300
勝ち点2
600
チアガール
100
三上と久永まずまず
100


中根努

寸評:下條マリノスの初戦。公約通り、「やりきるサッカー」が見られたのは及第点。
評価額:¥2400

カニパス バックパス少な目、シュートでフィニッシュの意識あり
1000
勝とうとする意識あり
500
ベストメンバー揃えば、さらに松田暴走の予感
500
俺王、ちゃんと仕事
300
清水アグレッシブ...そろそろ決めさせたい
300
でも、お得意の残業
-200


今野隆之

寸評:劇的な変化は最初から期待していなかったが、変化があったような、なかったような。波戸の力みすぎたシュートは、前向きな気持ちの表れと思いたい。
評価額:¥2600

全体的に気持ちは感じた
1000
好セーブ連発は当たり前になった榎本
700
ただしディフェンスは難あり、相手に救われた
-200
どうした奥? 精度が悪すぎる
-200
上体反らしを測定してみたいウィルの海老反り
500
サッカーでチアホン以外の鳴り物は新鮮だった
300
言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず勝ち
500


奥田幸一郎

寸評:サイド攻撃にちょっとしたコンビネーションが見られるようになった。最悪の状況は脱したんではないだろうか?まぁ、誰も期待していないので伸び伸びやってくださいな、下條さん。何はともあれ、残留確定。
評価額:¥3500

残留決定
2000
残り少ないVゴール
1000
延長だけどすぐ終わる
500


なかむ〜

寸評:秋の陽光の中、三連休の中日らしい、ヌルい試合。
評価額:¥2000

基本給+勝利給
1000
4バックへのチャレンジ
300
将軍松田、今日も攻守で頑張る
300
俺王と波戸の、シュートらしいシュート
300
下條監督、昨年の倍の勝ち点獲得
100


三沢まりの

寸評:「○○戦と比べたら面白い」、そんな表現でしか楽しさを表せない試合に慣れてきました。
評価額:¥2200

予想よりは安定していた新システム
300
4バックでも攻め上がる松田
600
南と榎本の好セーブ合戦
700
両チームのサイドアタックのキレ
300
俺王様、渡辺毅に毒針エルボー
-300
下條監督、2年越しの初勝利
500
但し延長
-200
柏の漢らしい応援風景
300