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![]() 第15節 浦和レッズ いつだったか福田は試合後のインタビューで「負けないよ!」と言っていた。 まさに完勝だった。終盤の緩みが出た時間に攻め込まれるシーンが連続したが、決定的なシュートは1本も撃たれていない。前半に3本。枠内はナシ。後半になるとシュートは1本も撃たれていない。逆にゴールネットを揺らさなかったのが不思議なシーンは5回はあった。スコアの数倍の差を見せつけた試合結果。年間総合順位2位も確保し、満足なリーグ戦を終えた。 この試合の不満を言えば浦和が弱すぎたこと。 あまりにプロとして酷すぎる。パスは繋がらずトラップは出来ない。簡単なロングパスはタッチを割り余裕があるはずのボールもタッチに蹴り出す。だから試合にテンポが生まれなかった。あまりに見苦しい。これで、もっと掴む行為に厳しく対処する主審が裁いていたら、警告者が倍増だ。 不幸な面もある。試合開始早々に平川が負傷交代。彼はもっと見たかった選手だ。もともと山田の出場が出来ず、普段とは逆の右サイドの担当をして負傷。代わりに入った永井はそのままのポジションであってスリートップにはしてこなかった(入ったとたんにマリノス守備陣はテクニカルエリアの監督に守備陣形の指示を確認に行っていたがムダだった)。左に入った路木はボロボロ。 「あれがホントに路木かよ。」 「ダメすぎる。」 と、厳しい声が飛んだ。そして途中交代した。お話にならないくらいに両サイドはガタガタに崩した。試合前の選手紹介でブーイングが起きなかった浦和サポーター側ノーマークのドゥトラの足技にも着いていけない。これほどまでにゴールライン際まで左右からえぐるマリノスを見たのは久々だ。 常にボールは動いていた。 そしてたった一度のゴールは右サイドから生まれた。凄い表情で縦に猛然とドリブル突破しクロスをニアサイドへ。走り込んできていた清水にドンぴしゃだ。つねにピンポイントで枠を外すと言われてきた清水もこれを外すわけがない。見事に最終節で今季2点目を決めた。アシストは1点目の市原戦と同じ波戸。 とにかく、いつ点が入ってもおかしくないムードは、52分、ここでやっとリードの安堵になった。直前にはゴール前の攻防から右サイドに流れてきたボールを受けた平瀬が、ゴールマウスに速い球を打ち込めばゴールというゴールキーパーが不在の絶好のチャンスに豪快に空振りをするというサッカーとしては珍しいプレーでまずい雰囲気も見えつつあったが、もっとも出場機会の多かったフォワードの清水が決めたのは大きかった。逆に平瀬は、もはや不要のムードが一気に蔓延した。なにしろ試合前の練習では撃っても撃ってもシュートが枠に飛ばずに心配していたのだ。それが試合では空振り。よく「試合では練習以上のことは出来ない」と言われるが、まさに枠に飛ばす以下の見事な空振りだった。 「ダメすぎる。」 「もう帰ってくれ!」 「今すぐ帰ってくれ!!」 「住民税は払ってからな!!!」 今週、日刊スポーツに掲載されていた相田みつを美術館の広告に掲載された作品はこれ。 「あてにするからはずれる。」 しかし清水の運動量は凄かった。前線からボールを追い回す。だから浦和のディフェンダーはボールを蹴り出してしまうのだ。ただ一人、坪井を除いては。 遠藤の動きも軽快。ドリブルが冴える。シュートは落胆級だったのだが、あの動きは天皇杯に向けて大きく期待が膨らむ。そして永山。エメルソントゥットの行く手を阻んだ。さらにスタンドを大きく湧かせたのは中沢。ボンバーヘッドが守備で炸裂。浦和の選手はバタバタとなぎ倒されていった。地を這う赤いユニフォームの選手達。K林さんは 「さぁ浦和の皆さんも元気出しましょう!!」 と叫んだ。 前半から決定的なチャンスは続出だった。スコア以上の一方的なゲーム。 とにかく中盤でのチェックがあまいのでボールが回る。そしてマリノスには終盤まで遊びが少なかったため縦にもボールがよく入った。井原は大忙し。みんな知っているから、左脚で無理な体勢になったときは固唾をのんだ。「やる!」っと思われるその時、本当にやる。懸命のプレーだったが限界が見えた。今日のマリノスは止められない。派手に腕を使った反則にはイエローカード。おもわず「いはら〜いはら〜いはら〜」の懐かしい応援歌が出てしまう。さらに輪をかけたのは浦和の山岸だ。前半の下へのパンチングでK林さんが不可解なキレ。 「浦和ふざけんな!なめてんのか!!あんな下手なキーパー使いやがって。早く代えろ。あんなのにボールを触らせるな!!だいたい、あんな下手なヤツを獲って、なんで埼玉出身の榎本獲れないんだ!!いい加減にしろ!!」 次第に支離滅裂になっていく絶好調(?)のK林さんに周囲は引いた。言いたい放題だったからだ。それほどまでに、この日の浦和は連敗に値するチームだったのだ。 後半に入った阿部は足技を見せた。そしてラインの裏を狙う積極性が光った。来年は期待できる。意表をついた振り向きざまのクロスも見事だった。だが、パートナーが坂田になると、とたんに違和感が。両方共に忙しない。なにかパスが雑で思いやりが感じられないのだ。だからスムーズではない。これは、この後の天皇杯とオフの練習が解消してくれうだろう。 この男のことにも触れないわけにはいかないだろう。 福田と共に、今年で浦和を去る井原がフィールドにはいた。何度か見られたセットプレーでは松田との対決。前半に一度はヘディングシュートがゴールの方向へ飛んだものの、他は松田の人並みはずれた身体能力に圧倒された。 「後半も、こっちのゴールを狙って行けよ!」 という野次。コーナーキックでは 「赤の3番の頭!!」 という声も飛ぶ。左脚の危なっかしいクリアには 「うわっ出た!」 と叫んでしまうし、思いっきり手を使った反則でイエローカードをもらうと、井原〜井原〜井原〜という懐かしい応援歌が、控えめに踊り付きで自然に出てしまう。 ナビスコカップ決勝の自殺点(記録上は小笠原のゴール)は美しくなかった。なぜなら、井原の身体はゴールの枠から外れた位置にあり身体も逃げていたからだ。井原の自殺点は、めいっぱいに身体を投げ出しギリギリで触れたボールが運悪く、しかも見事にファインゴールでネットを揺らさなければならない。だから、ナビスコカップ決勝のシーンを見て、昔からのファンは衰えを嘆いた。 だが、私たちの目の前の井原はクリアボールこそイージーさを増していたが、随所に井原らしさを見せる出来であった。清水のシュートに競りに行ったのも井原だった。もし清水の脚にボールが当たらなければ、めいっぱいに投げ出した脚に当たり自殺点になっていた。14:00開始晴天は井原の自殺点日和だ。 試合終了後、松田のインタビューが続く中、場内のセレモニーは始まっていた。といってもフラッグを持って全選手がトラックを一周するだけのものだ。メインスタンド前を起点にまずは出島の前へやってくる。井原は深々と頭を下げた。トリコロールに染まった 出島から大きな拍手が贈られる。場内がWe are REDSの大コールに包まれる駒場で井原のJリーグ人生は一つの節目を迎えた。そんな中で年輩のマリノスサポーターはWe Are MARINOS !と声を大にして叫びたかった。大ブームのまっただ中だった1992年から1995年にかけてのマリノスの代表的な応援歌はWe Are MARINOS ! あのブラジル代表主将オスカーの後継者としてディフェンスの中央を担った井原の全盛期はWe Are MARINOS !の大コールに包まれていたのだ。 We are REDSなんて・・・あいつに赤は似合わない。試合中の辛辣な気持を忘れて。 ![]() (左)試合前のサインボール投げで飛んできた下條監督サインボール。 (中)超満員の出島。 (右)全員が一体となったよいムードの応援だった。 ![]() 試合前に「9」のプラカードが出されたのは「西側」のみ。 しかし、その中にYOKOHAMA(広告)の文字が。 今日のポイント ●終わってみれば年間勝ち点が昨年を下回った浦和。 ●榎本見せ場ナシ。 ●リードを奪えばこのチームは強い。 ●試合後に唯一ユニフォームを投げ込んだドゥトラ。契約が心配。 ●試合前の応援ムードをひと振りで台無しにしてしまった平瀬。 ●試合終了後の静寂。 今日のお値段
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