maliciaのプロフィールはこちらへ
![]() ナビスコカップBグループ 第1節 浦和FC東京 15時開始の試合は、試合開始前が最も暖かい。試合が進むにつれて太陽の位置は下がり、メインスタンドの屋根にかかって、やがて姿を消す。日差しを失った巨大スタジアムには、強い風が舞い込むのが常だ。負け試合の冷え込みは厳しい。しかし、今年の緒戦は90分を終えて、温かな視線と声援をフィールドに贈るムード。春はやってきた。 選手紹介で、つぎつぎに現れる新しい顔。久保、岡田には一段と大きな拍手。上野のスタメンオチにはどよめきが。対するガスのメンバーを見て凍った。 「なんだ、このメンバーは。」 「いや、アマラオ入れれば、ほぼベストメンバーでしょ。」 「まじ?」 「これに勝てないとなるとかなり厳しい。勝たなくちゃダメな試合だ。」 ガスのゴール裏からは「君たちのユキヒコ〜」の歌。 今日はマリノスのための開幕戦になる。そう確信する両チームのメンバー。そして、審判団とガスの選手が入場する。入場曲はない。声援もブーイングも起こらず、ただ、静かに入ってくる。そこへ大音響の花火。テーマ曲。音楽と歓声とともにトリコロールの(いや、紺だった)選手達が入場してくる。 「バルサ方式だ!!」 試合が始まると序盤の20分で変化の兆しが。 奪ったボール。前を向く。すると両サイドなどがグーンと前のスペースへ走り込む。この動きがあるからボールは停滞するのではなく、いくつかの選択肢の中の一つを選んで展開される。全体に攻めは早い。中盤に下がった久保がボールをタッチして、その間に久保を追い抜かした中盤の選手に渡されて、一気に全体を押し上げる。左右のバランスも良く両サイドが押されるシーンは、ほとんどない。奥は低い位置から始めて運動量は豊富に神出鬼没な昨年の序盤を思わせる。 まぁ、これが続いたのは20分くらい。 「ダイレクトで撃てば撃てたのに!!」とか 「フリーなんだから慌てて撃たなくてもしっかり撃てたのに!!」 といったフィニッシュのまずさはあったものの、しっかりと攻めた。シュートは、なにしろ久保がいるから多い。ニアに走り込んで点で合わせるヘッドは素晴らしかったし、とてつもなく無理な体勢からのボレーもあって、シュートの少ない試合に慣れた私たちには新鮮。 「フットボールみたいだ!!」 「なんか面白いじゃん。」 「今年は良いんじゃないの?」 「何言ってんだよ石井君。一昨年以外は、毎年、開幕では同じようなこと言ってるじゃないか。」 榎本哲はポジションが的確だ。 シュートの大半は正面だった。ディフェンダーとの連携で見事なポジションを的確にとったためだろう。 「なんかエノテツ小さくないか?」 身長が10センチ違うだけで、ずいぶん違う。だが、プレーの安定が、その小ささを感じさせなくなってくる。 「榎本偽物!榎本偽物!榎本偽物!」というガスのコール。 直後にシュートを榎本がセーブ。 「ははぁ〜ん、偽物に止められるシュートか!」 「お前らなんて、戸田の偽物とか阿部の偽物とか、ちゃちなものばっかじゃねぇか。」 那須・・・う〜ん、どうなんだ。 驚いた上野のスタメンオチと那須のボランチ起用。守備の安定が目的だったようだが、ピンチのほとんどは那須のポジションからだ。ボール扱いを誤ってしまったり、松田やドゥトラが前に行った際にカバーしなければならなかったのにカバーが遅れたために出来たスペースに飛び込まれたり。攻めのときも守りのときもディフェンスラインか前目の位置か、どちらかに吸収されてしまって「ボランチはどこ?」というシーンも目立つ。慣れないポジション。まだまだ問題山積みだ。 ユキヒコの意気込みが伝わってくる。 フィジカルコンタクトを挑み、ボールを奪って前へ。右サイドは、ほぼ制圧した。その圧力に倒れるガス選手。ファールはファール。だが、悪質ではなく勢い余ってのこと。レンタルとは思えない勢いにガスのゴール裏がコールする。 「エンジョイ・ユキヒコ!」 「笑ってユキヒコ!」 ここで、ユキヒコから笑顔が漏れたのか 「笑顔がステキ!」 心配された中へのドリブルはほおんどなくサイドからクロスを。セットプレーを。右サイドさけでなく左サイドへ回る場面もあった。 「おっユキヒコが左。」 「カフーとかぶらないポジションもやりたいんじゃないか?」 ところが、やぱりユキヒコの意気込みが得点を呼ぶ。 前半も終わろうかという44分。ガスの最終ラインでの無造作なボール扱いにユキヒコが身体を寄せてスライディングしながらボールを中央へ。そこへ狙っていたのは点獲り屋らしいマルキーニョス。ゆっくりと転がったボールはポストに当たってゴールラインを超えた。ガスのシュートがポストで外に弾かれたのとは対照的に。 笑顔のハーフタイムを境にゲームは低調に。 上野不在の煽りを受けたのは松田だ。ビルドアップを担ったが、繋ぐ選択肢も少なく前々へのロングボールが多くなる。久保は後ろからのボールの処理が得意ではないし、マルキーニョスは、ただ、何も考えずに頭に当てるだけ。攻めが、どんどん単調で鈍くなる。 次第にコンディションが万全ではないマルキーニョスは動けなくなる。遠藤はトラップミス。奥はワンモーション余計なところを何度も狙われるようになる。序盤の動きは影を潜める。 だが、失点の気配は、あまりに少なかった。 「このまま終われそうだなぁ。」 「っていうかガス、しょぼいな。」 大満足ではなくとも、終始笑顔で2003年初ゲームを終えた。 ![]() 今日のポイント ●若手GKデビュー戦は負けナシのマリノス。 ●途中出場の清水は左サイドのポジション。 ●松田、フェアプレー賞へ一歩前進。 ●軽率なプレーでミスを招いたディフェンス陣。 ●石川の見せ場無し。ガスのカウンターは影を潜める。 今日のお値段
|