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2階の目線2003

J1リーグ 1st stage 第2節 ベガルタ仙台
怪しい采配

試合は一貫してマリノスペースで進んでいた。すっかりサポーターにもお馴染みになっていた、奪ったボールを素早く前線に送り込んで多人数で殺到する攻めは、何度もスタンドを湧かせていた。気温7度。冷たい雨が横殴りに降る。試合開始直前にはゴール裏の広告看板が押し流された。そんな悪天候の中、17,000人ものファンがスタンドにやってきていた。磐田戦の快勝をテレビで知った人も多かろう。あれは静岡の地での出来事。今日はホームスタジアムでのリーグ緒戦だ。

「なんで使うんだよ!!」

67分。選手交代。奥が右にポジションチェンジすると、行き場を失って、今ひとつ機能しなかった清水がユキヒコと代わる。さらに「6」の文字が目に入る。先発した上野は昨年までの上野らしいプレースタイルではなかったが、岡田采配を忠実に守り、少ないタッチで素早くボールを配球していた。決して上野でなければいけない理由はありえないポジションであることは証明されたわけだが、デキの悪さで交代する必要があるわけでもない。その上野が下がり、入ってきたのは松田だった。

クラブで最も人気のある選手が入ってきたのにも関わらず、スタンドの反応は鈍かった。「なんで?」というムードは全体に少なからずあった。私たちの周りは疑問で一杯。その疑問の整理が出来ないうちに、松田がいきなりのぶちかましを中盤で見せる。
「おいおいおいおい!」
「いきなりカードもらってもおかしくないじゃないか。」
「3番!なんでそんなとこにいるの!?」

磐田戦と同じポジションに松田を入れて、ボランチに那須を上げてくるものと思った。だが、松田は、いつもに増して前からのチェックを試みる。しかし、ボールは彼を通り越す。気が付けば、攻め込む仙台を後ろから追いかける3番の姿。
「おいおい3番!どこにいるんだ!」
気が付けば
最終ラインの松田が前に行っているのではなかった。スリーバック。松田は、その前。ポジションはボランチ。
「いやまずいな。1-0でこんなコトやる必要ないじゃないか。3-0で残り5分とかならともかく。」
「まったく松田が試合に馴染んでいない。」
「本調子じゃない選手を、ピッチが悪いときに無理して出すなよ。」
抜かれた松田が、とぼとぼと歩いて自陣に戻ってくる。その時点で、もうボランチのプレーではないのだ。右へ左へ前へ後ろへ。埋めるべきスペースとマークすべき相手、そしてボールを求めて松田が右往左往する。が、しかし、動きは後手を踏む。逆に、左サイドに深く攻め込んできたい相手のチェックに行かないために、那須が対応せざるを得なくなり、中央は2人が守らざるを得なくなる危険な布陣も起きる。松田がチェックに行くか、那須の抜けたスペースに松田が下がらなければ行けないはずなのだが。磐田戦では那須がそれを行っていた。ところが3番の姿は見えなかった。
バランスは崩れ、奥や遠藤が戻ってくる。前線への駒は少なくなり、攻撃にも支障がでる。
「これじゃ一人少ないのと同じだ。」
松田には悪いが、これは素直にでた言葉だ。いや、松田には、というよりも根本には采配の問題があるのだが。

「松田と那須を入れ替えろよ!!」
気が付けば、前節まで那須の起用を疑問視していたK林さんまでが絶叫していた。それまでの華麗なパス回しと針の穴を通すようなスルーパスを楽しんだ空気はそこにない。肌を突き刺していた寒気は心にまで達しようとしていた。
崩れたバランス一向に改善されず、実質的には中盤の守備は無きに等しく、最終ラインの3人は慌てふためいておろおろと動きながらも奮戦。だが、抜け目無い佐藤寿一の素早い動きに屈した。

この瞬間に、沸き立ち叫び笑い楽しんだ67分間のゲームの記憶の大半は消えた。

残り時間は10分以上あった。だが、早々の右サイドからの決定機3度の後はさしたる反撃もなく、急ぐわけもなく、クロスを多発するわけもなく試合は終わる。寒さのせいもあってか、選手がスタンドに近づくことも待たずにそそくさと席を立つ人が多い。第二節にして、拍手とブーイングが交錯する試合後の風景。

微かに覚えていることはといえば、こんなことくらいか。

幸運なフリーキックをもらう。ゴール前ほぼ正面。プレーしたことがある人ならば誰もが知っている。この雨、この気温。近距離から蹴られたボールが腿に当たったときの激痛を。
「まっすぐぶち込め!!」
「ぶつけるつもりで低いタマ!」
「あの壁だと誰が逃げるかな?」
「森保とか?」
「いや、森保は逃げないだろう。もっと意気地のなさそうな奴いないか?」
「あ、あれだ!あれ!石井。」
「おぉ、絶対にあいつは逃げるな。」
「石井のところに打ち込め!」
「奴は逃げるぞ!!」
マルキーニョスが放った弾丸シュートは一瞬でゴールネットに達した。
「うぉ〜!!」
あまりのファインゴールに、雨のために最上段までびっしりと入った2階席バックスタンド寄りはぐわぁっと立ち上がった。

リプレイが大画面に映し出されると、ボールは背中を丸めながら半身に身体をひねって飛ぶ石井の脇を突き抜けていた。
「こんなの普通、言ったとおりになるかぁ!?」


  
(左)混雑していた2階。バックスタンド寄りは最上段まで一杯。
(中)2階上段に集結した仙台。1階の屋根下にも多数。
(右)ハーフタイムには「1-0終了」と表示されたのだが(右下)。

今日のポイント

●レギュラー組への温情なのか?岡ちゃん采配は磐田戦を帳消し。
●コーチングの不安がいくつかあったが、飛び出しは見事だったエノテツ。
●復調の兆しが見えない波戸。ユキヒコ不在で右の攻撃は迫力ナシ。
●キープ力もあり大活躍のマルキーニョス。
●トラップからドリブルが迫力アップしてきた久保。
●失点時以外は無難にこなした那須。
●「半袖に注意しろ!」セットプレーのときの小村。
●足元が悪く風も強く両チームともミスが多かった。
●カードの乱発がないように気を使ってコントロールした主審。


今日のお値段 

石井和裕

寸評:監督にも選手にも腹が立ったぞ。気分が悪い。
評価額:¥2700

67分までの気分
2000
奥のスルーパス
300
マルキーニョスの奮闘
400
残りの時間
0


奥田幸一郎

寸評:交代で流れが変わったのと、終了間際にそれまでの様な効果的な攻撃が出来なかった事が余りにも無念。磐田戦の勝利の意味が無くなってしまった・・・。
評価額:¥960

かなり安定したエノテツ
200
惨い出来の波戸
10
中澤は通常通りの出来
200
ミスが痛かった那須 
50
相変わらず高レベルのドゥ
300
遠藤は可もなく不可もなく
200
好パス連発の奥
300
中盤じゃ技術の無さが痛い清水
50
久々にしてはまずまずの上野
150
本当に有り難うマルキーニョス
500
まだフィットしない久保
100
有機的に攻撃に絡んだユキヒコ
200
全てに半端だった松田
0
そんな松田を投入してしまった岡田
-300
悲惨な試合展開
-1000


今野隆之

寸評:1-0で十分な試合だったのに。磐田戦の記憶が全て吹き飛ぶ後味悪いドロー。
評価額:¥2000

展開力
4000
決定力
- 1000
打開力
-500
采配 
-500


まるいたろう

寸評:攻撃の素早さは二重丸でした。しかし、最後に余計なオマケが…。
評価額:¥2500

すばらしい攻撃 とても楽しかった
4000
マツ投入大失敗
-1 500