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2階の目線2003

ナビスコカップBグループ 第3節 柏レイソル

試合前の柏ゴール裏は騒々しい。歌声はもちろんトランペットやサイレン、謎の鳴り物まで。試合開始を直前に、大音量で子供の笑い声が流された。何を使っているのかは解らないが「きゃははは・・・。」という笑い声が何度か流された。普通であれば、この手の挑発にアウエーのゴール裏は乗せられて、険悪なムードができあがり、スタジアム全体の手拍子や歓声が少数のアウエーサポーターにプレッシャーをかけていくはずだ。
しかし、トリコロールのサポーターは、ここで、トリコロールのサポーターにしかできない、思いもよらない反撃に出る。
「キ・モ・イ・!・キ・モ・イ・!・キ・モ・イ・!・キ・モ・イ・!・」
ゴール裏から沸き起こったのは「キモイコール」だ。さすがは60パーセントを10代20代の女性が占める、トリコロールならではの反撃。「キモイ」と面と向かって言われて平気でいられる男性は少ない。そして、「キモイ」と言われる友達も、あまり持ちたくないものである。スタジアムは試合前にトリコロールが制圧した。柏サポーターにとっては、これが、この日の受難の始まりだった。

観客はわずかに4000人。寂しいムードで始まったゲームは、あっと言う間に2点リードとなる。1点目は中沢。久々にでた、まさにボンバーヘッド。飛んだ瞬間にヘッドは勝てると予感し、ボールの行方を追う。右のポストに当たったボールは左のポスト方向に跳ね返りゴールに吸い込まれた。見事な先制に盛り上がるトリコロールのサポーター。さらには右サイドを崩してペナルティエリア前で久保が受ける。だれもがシュートを考えたが、久保は間髪入れずに隣のマルキーニョスに。放ったシュートは逆の左サイドネットを揺らした。見事なコントロールシュート。試合開始から10分余りで2点を奪ってしまった。

強い。力強さを印象づける前半の戦い方だった。

奥と遠藤が前線に絡む。特に奥はペナルティエリア内に進入することも多数。トップ下の位置で全体を操れば、次にはサイドの深い位置からロングキックでサイドを変えるなど、神出鬼没。この日も効果的だった右サイドの崩しのフィニッシュを受け持つこともある。アーリークロスをスライディングボレーで撃ち込んだプレーはため息が漏れたくらいだ。遠藤も、前後半で2つの惜しいミドルシュートを枠内に撃ち込んだ。今年の遠藤はシュートの意識が恐ろしく強い。思わぬタイミングで撃ってくるから、見ているほうも驚いてしまう。

この日の見どころの一つは引いた相手の崩し方。

光明は見えた。深い位置でボールを回すのではなく、ディフェンダーの前で素早くパスを交換する。スピードを緩める。長いパスを合図に一気に動いて中へ切り込む。昨年と大きく違うのは、テンポの変化とパスの長短。メリハリの効いた攻撃で相手を崩す。けっして奪って素早くだけが攻めの特徴ではないようだ。

後半も開始早々にマルキーニョスが決めた。最終ラインからのボールが抜け出て、これを巧みにドリブルしてキーパーと一対一。南が身体を倒すタイミングに合わせて浮き球で決めた。

ここで完全に勝負あった。この後は久保のゴールに興味は移る。3-0の直後から「久保!久保!久保!」の大コールが起きる。ファーサイドのゴール前にいた久保がボールを要求するが、ボールは力無くニアのペナルティエリア角付近に転がる。ゴールに背を向けて猛然とダッシュした久保はボールに追いつくと、ワンステップで振り向いて、ノートラップでシュートを放つ。ゴールを見ずして弾丸シュートのコースは的確。惜しくもクロスバーの僅か上を通過した。この身体の回転はドラゴンスクリューだ。その後も再三シュートのチャンスがあるがゴールは奪えず。またも久保の初ゴールは先送りとなる。

この日の岡ちゃんは同じ間違えを犯さない。

ツートップを温存。遠藤も休ませた。永山を投入して万全の体勢で90分の経過を待つ。さすがに3-0となってからは受け身となり、ピンチの連続となる。開き直ったかのように高い位置で果敢にチャレンジしてくる柏にボールを奪われフリーでミドルシュートを撃たれるシーンが多発。そのほとんどが枠の外とエノテツの正面に飛んだ。本来ならば、ホームチームの反撃にスタジアムが湧くはずなのだが、柏の葉は静かなままだった。なぜなら、後半途中からゴール裏は黄色いユニフォームを脱ぎ、残り10分ほどになってからは、横断幕を片づけるので精一杯だったからだ。

ロスタイムに入る頃には、ゴール裏には空席が目立ち、貼られた横断幕は、わずかに2枚になっていた。


  
(左)試合開始5分前。空席の目立つバックスタンド。
(中)選手入場時のメインスタンド。 (右)ユニフォーム型の応援幕を広げる。

 
(左)3点目だ。 (右)横断幕が外されて席も寂しいゴール裏。

今日のポイント

●完全復調問題ナシのユキヒコ。両翼がそろった。
●全てによかったエノテツ。
●松田の攻撃参加は少なかった。
●ワンボランチではこらえられないシーンが後盤は続出した。


今日のお値段 

石井和裕

寸評:守備の不安はあるものの十分以上だ。
評価額:¥4050

マルキーニョスの1点目
800
マルキーニョスの2点目
1000
ガンバレ久保
500
奥・遠藤の運動量
400
松田復調
200
早い先制点
400
雨でも屋根あり
200
南のでかい態度
100
後かたづけシーン
100
ナビスコ負けナシ
300
帰りはすいていた
50