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2階の目線2003

J1リーグ 1st stage 第6節 名古屋グランパス
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リーグ戦でのスコアレスドローっていつ以来だろう。おそらく1992年3月22日。最後の日本リーグの最後の読売戦、国立競技場での試合以来だ。試合開始前から「引き分けじゃないの?」という予想の声が挙がり、試合開始後15分で「まったりとした引き分けペースだ。」という感想。おそらく24,000人の観客の何割かは予言者になれる。

温かな日差しに誘われて当日券が伸びた。予想を超える24,000人の観客は、この試合を楽しめたのか。ノーとは言えない。目指すサッカーの片鱗は戻ってきたし見せ場もあった。名古屋のデキが噂以上に酷すぎるということもあるが、ギリギリの体勢で放ったウエズレイらのシュート以外には際どいシーンはなかったわけで、トリコロールの強さが戻ってきたかのような印象もある。そしてなにより、市原はこの日も5-1で圧勝。チェ・ヨンスは2試合連続のハットトリックだというではないか。前節は相手が上だったと思えば、それほど悲観的になる必要もない。事実、「名古屋は年間最多引き分けの記録樹立を狙っているのではないか?」という冗談が飛ばせるほどの余裕の観戦だった。

マルキーニョスが戻ってトリコロールのサッカーが元にも戻ってきた。ボールが前へ的確に動くようになる。ドゥトラは前節いきなりの失点で正確性を欠いていたプレーが多かったが、ドリブルも切れ切れで復調。さらに那須だ。チャンスの芽を潰すだけでなく、前半は攻撃の起点としても見事なタイミングで小気味よくパスを送りだした。
「那須は一試合ごとに成長しているな。もう、那須から、そろそろ宇都宮あたりまで来ているよ。もう少しすれば上野を超えるな。」
「そんなコトしてるうちに上野が仙台に行っちゃったりしてね。」

市原戦に続いて試合全体のテンポは悪い。

それはミスが多いから。ただし、そのミスの過半数は名古屋のミスだ。パスが繋がらない。ウエズレイは孤立しているからパスのだしどころが無く、前を向かせないように押さえていれば、ズルズルと後ろにドリブルしていく。そして藤本は、まったく効果的に絡んでいない。引き分けばかりなのがわかる。
「でも、名古屋にはウエズレイの一発があるんですよ。だから油断できない。一発があるから0-0でなくて、最終的には予想は1-1。」
「ただ、全盛期のリック・フレアーのような試合運びだな。」

前半に見せ場を作ったのは久々にドゥトラ。

ロベルトカルロスほどではないものの、ドゥトラのキックも威力はかなりある。そのシュートがパナディッチの脇腹に当たる。あれは痛い場所だ。ボブサップが最初にダウンしたときにパンチを受けた場所に近い。ペナルティエリア内で倒れるパナディッチ。大男が身体をくの字に曲げて痛がる。少し時を置いて立ち上がる。再びドゥトラとパナディッチが同じような場所で相対する。
「撃て!」
シュートなのかクロスなのか。今度はパナディッチは吹っ飛ぶように後ろに倒れた。またしてもダウン。先ほどはボディ、今度はアッパー。見事に撃ち分けたコンビネーションだ。あまりの見事なヒットに場内が笑いに包まれるほどだ。強烈な一撃。だが、それは、至近距離からのボールに逃げずに向かっていったことの証でもあるのだが。
「あと一発でKO勝ちだ!!」
前半最後の見せ場は久保。フリーで放ったヘッドは惜しくもファーサイドのポストの外。狙いすぎだ。惜しいがフリーだったので決めなければならないシュート。すでにリーグでは5点は勿体ないことをしている。

後半はますます危なげない展開に。

特に立ち上がりからは完全に主導権を握る。シュートが枠に行かない。
「やっぱ引き分けだよ。」
ところが、必ず悪い時間が生まれるもので、名古屋攻勢の時間がやってくる。その流れを断ち切ったのはエノテツだ。思い切った飛び出しでピンチを逃れる。中には結果オーライの危ないものもあったが、ペナルティエリア内を支配していたことは間違えない。
その後には決定的なチャンスが2度やってくる。まずはカウンターからユキヒコが中央の奥へ。奥はシュートしたかったがパスが不正確でトラップが精一杯。その止まったボールに後ろから走り込んできたドゥトラがシュート。ボールは楢崎のの正面。パナディッチを2度のダウンに追い込んだドゥトラのシュートだが、ミドルレンジからの距離では楢崎を倒すことは出来なかった。
次はドゥトラから逆にユキヒコへ。至近距離のボレーに飛び込んだ楢崎が防いでゴールを割ることが出来ない。
「いやあ凄い。」
「これは勇気あるプレーだ。敵ながら凄い。」
「楢崎っぽくない飛び出しだった。」
立ち上がった楢崎にアウエーながら拍手が贈られる。

マルキーニョスが下がるまで、時々ではあるが磐田との開幕を思わせる攻撃のリズムを発生させた。久保の動きが万全でなく市原戦よりもキレがなかったが、中央でボールが持てる怖い選手がいるとサイドのスペースも空いてくる。だからドゥトラも活きた。もう少し久保の動きにダイナミズムが戻れば、ユキヒコや奥、遠藤が、代わる代わる前線に顔を出す流動的な攻撃が蘇るだろう。久保が復調しなければユキヒコも突破するためのスペースが少ないし、パスを出そうとしても久保の動きが重ければタイミングも合うまい。終盤のコーナーキックはニアサイドの絶妙のボールだったが久保が動かなかったために楢崎が簡単にキャッチ。あれではユキヒコのミスキックに見えてしまう。

凄い誤審もあったのだが。

波戸のクロスがゴールライン付近から上がる。余裕のあるタイミングだったが、ふわりと山なりのボールはカーブがかかるわけでもなく楢崎の頭を越えてファーサイドへ。前へ少し出ていた楢崎とゴールの間の上空をボールは通過する。そこでホイッスルが鳴る。副審はゴールキックを差している。
「おいおいでてないぞ!!」
「全然出ていないじゃないか!!」
副審の判定はスタンドからはわかりにくい。だから文句を付けにくいものである。だが、上空からボールとラインを一直線に見下ろせて、しかもゴールラインの延長線上に近い位置にある私たちの席は、副審が下にあるラインと上空のボールを同時に見るよりは間違えなく正確なはずだ。
「けど、ろくなクロスじゃないし大勢に影響ないぞ。」
ということなので、みな真剣には怒っていなかった。

それよりもまずいのは波戸だ。そのクロスが象徴的だったが、とくかく緩い山なりのクロスは美しくも正確でもない。タテへのドリブル突破もない。ユキヒコとの攻撃的なコンビネーションにキレがない。抜かれた後で追いかけられない(あのエスパルス戦で後ろから追いついてアレックスを封じ込めたのはわずかに数年前だ)。練習場では腰を押さえるなどの不安がある波戸の本当の体調はどうなのだ。無理をしているのではないか。代わりはいないのか。もちろんカフーの名前は禁句だ。

お互いにあまり無理をせずに終わる90分間。予想と覚悟通りの引き分け。勝ち点を失った感もあるが、市原戦と比べれば内容は遙かによい。心配がまだあるとすれば、ファミリージョインデーの入場無料で多数来場した子供達が、ゴールのない試合を楽しめたかどうかということだ。彼らが再びスタジアムへ帰ってきてくれるかは、次節の鹿島戦にかかっている。本当は強いが運悪くスコアレスドローの試合を見てしまったのだ、と思ってくれればよい。

選手達を見送り駅へ向かう。
「じゃ、つぎは鹿島国でね。」
「パスポートと日の丸忘れるなよ。」


今日のポイント

●無理しないプレーに徹した松田。僅かな攻撃参加も効果的なクロスを入れて見事。
●やはりマルキーニョス中心攻撃チームだった。
●名古屋は組織力無く不注意でのオフサイドも多かった。
●ピクシーナシの岡山に存在感すらない。
●ノリノリのドゥトラは右脚のミドルシュートも放つ。
●動きに無駄が多すぎるためにボールが来ない坂田。
●久々に出た「秘技・鈴木ハンド」。

今日のお値段 

石井和裕

寸評:もっと前節を引きずるかと思ったが、あっさりと元のマリノスに戻れそうだ。鹿島戦に勝つためのウォーミングアップと考えれば、この引き分けも悪くない。監督も妙な欲を出さずに采配してくれたし。
評価額:¥2900

エノテツvs1億円の対決は互角
600
最終ラインからも素早く回して展開
200
マルキーニョス復帰で組み立てに光明
400
温かな陽気
200
ドゥトラのゴールへの攻撃とパナディッチへの攻撃
500
シール
100
名古屋のダメダメさ
200
これならまだ大丈夫じゃんという雰囲気
400
後半にスタジアム全体の手拍子が揃った応援
300


なかむ〜

寸評:横パスとバックパスの連続はある程度克服できても、相手につきあう癖は克服困難なようで。右サイドの2人(特に波戸)はカフー移籍消滅報道で危機感が薄れてきたのか?
評価額:¥2000

基本給(引分)
500
時折見れたダイレクトプレイ
500
ドゥは頑張ってた
500
上達してる那須 
500
迷うな波戸
-100
楢崎の好セーブ
100


奥田幸一郎

寸評:球は回るがフィニッシュがイマイチ、といういつもの展開に。パナディッチが凄すぎたのもあるが勝つべき試合だった。ナラの飛び出しは珍しかったけど、あの場面で出なきゃプロじゃないわな。カフーとは言わないけどマトモな右SBが欲しいです。
評価額:¥1700

エノテツ:今日も完封
200
波戸:もうボールに触るな
-50
中澤:無難に押さえ込んだ
120
マツ:まずまずの仕事
120
ドゥ:相変わらず大車輪
150
那須:成長の跡がはっきり
120
遠藤:可も無く不可も無く
100
奥:やや精彩を欠いたか
80
ユキヒコ:壁に当たっている模様
20
久保:エースらしい活躍を求む
50
マルキ:すっかり屋台骨
150
坂田:かなり安定してきた
100
勝点2を失う
-500
パナディッチ劇場
500
らしくない楢崎
100
名古屋の惨い中盤
-10


今野隆之

寸評:「歌を忘れたカナリヤは…」なんて童謡があったなあ。開幕戦で見せた縦への速い展開、すっかり忘れちゃったのか? 連戦の疲れのせい…だといいのだが。
評価額:¥2000

マルキーニョス復帰
1000
パナディッチ受難の日
500
ますます冴える榎本哲
500
敵ながらあっぱれ体を張った楢崎のセーブ
500
絶不調の右サイド二人
-500


吉田雅幸

寸評:榎本の好セーブで、引き分けに持ち込めたような気がします。再三の攻撃も楢崎の好セーブで阻まれ多ので、ある意味キーパー対決だったように思いますが、縦への早い展開がなくなったのが、残念です。名古屋の守備に再三捕まれ、チャンスを失ったのが、残念です。縦への早い展開を仕掛ければもっと相手のファールが多く生まれ、セットプレーでチャンスがあったかもしれません。また、強風でボールコントロールがむずかしかったこともあるでしょうが負けなし名古屋からの勝ち点1を取ったのは、大きいと思います。
評価額:¥1700

両チームとも、決定機をつぶした、キーパーの好セーブ
2000
負けなし、名古屋から勝ち点1ゲット
200
強風対策を講じなかった、監督の采配
-500


寺山功

寸評:毎年見ているようなまったりとした展開。時折今シーズンの良い攻撃が見られたが、勝ち切るまでは成熟していないという事か。個人的には怜がレゴブロックコンテストで2位となり、メダルと副賞のブロックセットをもらったので大満足!試合はオマケみたいなものでした。
評価額:¥7000

レゴのコンテスト2位
5000
ドゥトラはエンジン全開
1000
何回かダイレクトで崩す展開あり
1000


まるいたろう

寸評:「勝て勝て勝てホームやぞ」なんてどこぞのチームの横断幕を出したくなった。マルキのいるうちに点を取って欲しかったがマッタリと終了で寂しかった。
評価額:¥1900

マルキがいると楽しい展開
1000
マルキがいないと寂しい展開(涙)
-100
那須はゲームごとに成長している
500
敵ながらパナディッチはいい選手
500