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![]() J1リーグ 2nd stage 第1節 読売 『磨の谷を抜けろ』 「なんてみっともない試合してるんだ!」 「勝ち点1じゃない。勝ち点-2だ。」 「読売なんて、な〜んにもやってないじゃないか。」 「完全に自滅だよ。」 セカンドステージの開幕戦は罵声とブーイングで終幕する。 バックスタンドの最上段では、試合終了のホイッスルとともに、もの凄い音がした。誰かが何かを投げつけたか、思いっきり椅子を蹴り上げたか。前半の余裕は、すっかり影を潜め、押しても押してもゴールネットを揺らせない。二つの失点は唖然とするミス。柳想鐵は、読売のダイレクトパスに参加して、見事な浮き球のスルーパスをワンタッチで桜井に供給した。そして、常勝を目指しても、榎本と中沢の「横浜名物連携ミス」は変わらない催し物。 「何回やったら直るんだ。」 「こんなのだから、前半で、もっと決められるゴールを決めておかないとダメなんだよ。」 「あ〜むかつく。」 一瞬の魔が差したといえばそれまで。だが、その魔の谷は、完全にはまればたまらなく深い。 強さは本物のはず。磐田戦と同じように圧倒的に押した前半。 マルキーニョスが決定機を外す。それでも、ビューティフルな2得点。ライバル読売、そして、セカンドステージの優勝争いの一角と目される読売に喰らわせた2発にスタンドが爆発する。飛び跳ねて喜ぶ。メンバーの吉田さんの娘が持ってきていたジャンボマリノス君を誰かが強奪し上空に投げる。また、投げる、投げる、投げる。優勝は伊達じゃない。強さを実感する。 目の前に見えるものへの自信。強さは折り紙付きのはずなのだ。 試合前から読売戦らしくない普通のムード。なぜなら、強さを知り、選手と監督を信じ、やることさえやってくれたら間違えなく勝てるという共通の意識がスタンドにはあったからだ。 「あの審判、さっきから那須の前でプレスばっかりかけてじゃまなんだよ。」 「だって、シャツの色を見てみなよ。」 「あ、なるほど。」 「やるよ!やるよ!やっちゃうよ!!!」 この程度の余裕はある。 ゴール裏も、読売の柳沢が宇宙開発したときに「やな〜ぎさ〜わ」コール。 いくら読売の前評判が良くとも実力差は顕著なのだ。といってスタンドに油断の雰囲気まではない。 疲れはあるだろう。奥の状態は良くない。いつもの運動量ではなかった。ユキヒコは後半に、出足の一歩が動かなくなりボールに追いつけなくなったり、抜きん出てのクロスが入れられずディフェンダーに当ててしまったりという場面が目立ったり。しかも、清水は存在を失ってから、そのありがたさがわかる。佐藤一樹は活躍の気配を感じさせるプレーぶりだったが、大きく試合を動かすほどのインパクトまでは期待しづらい。波戸は復帰したが、怪我する前と同じように、二度も三度もシャツを引っ張って警告。 「見苦しい!」 「汚らわしい!」 「ちっとは勉強しろ!!」 柳は、まだ中盤ではフィットしていない。判断の速さや展開の発想が、現時点では奥や那須には遠く及ばない。もちろん清水にも勝ってはいない。だからこそ、普通のメンバーで普通の状況の中で、かっちりと得点し、きっちりと守りきることが必要なのだ。 今日のスタジアムも豪雨の中にありながら応援の雰囲気は素晴らしかった。チャンスには自然に手拍子がわき上がる。ゴール裏の歌の始まりとともに手拍子もスタートし、勢い良く太鼓が叩かれる、そのタイミングを計ったように手拍子もボリュームアップする。誰に教えられたわけでも強制されたわけでもなく、それが当たり前のように平然と行われる。ミスへのブーイングや罵声も飛び交ったが、それ以上に好プレーへの拍手は大きかった。上手くいけば、今シーズンが終わる頃には、新横浜の手拍子は明確に名物として認知してもらえるかもしれない可能性まで感じられる。 だが、素晴らしいスタジアムの雰囲気と、ワクワクするゲームの質と、みんなが満足する勝ち点3の積み重ねは、相乗効果で上積みされるもの。「常勝」と「人気ビッグクラブへの道」。このチャンスを今、逃すわけにはいかない。 今日のポイント ●ゲームキャプテンにも復活しフィールドに君臨した松田。 ●前後半でデキが一変する最近のユキヒコ。 ●最大の弱点は中沢と榎本の間。 ●やけ酒のためにか、試合後も開いていた売店。 ●一瞬、大型ビジョンに映された「東京ヴェルディ196」の文字。 ちょうど、卑弥呼が邪馬台国の女王の頃に設立されたらしい。 今日のお値段
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