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![]() J1リーグ 2nd stage 第13節 鹿島アントラーズ 『赤い紙』 名古屋駅での誓いから一週間。目標の優勝ライン「勝ち点27」に向けて大切な再スタート。レギュラーを欠くとはいえ、国際試合に油断は禁物。フィールド上では何がおきるかわからないのだ。 試合前に繰り返される久保の応援歌。なんという嫌みったらしい行い。ファーストのハットトリックの再現を願う歌声。その願いは簡単に叶った。得意の左脚アウトサイドを使ったテクニカルなシュート。圧倒的にボールを支配し完勝の予感。 だが、その予感に一抹の不安を差し込んだ。 「吹かないのか!?」 あのチャンピオンシップ第二戦での悪夢のような大敗を思わせるルーズなジャッジ。今日は掴みや斜め後方からのチャージに甘い。簡単に笛を吹かれることはない。つまり、決して倒れてはならない。我慢して堪えて耐えて、前へ前へと突き進まなければならない試合になる。試合開始後10分で状況は把握した。ただ、問題なのは、この手のジャッジの主審と相性が悪いのがトリコロールであり、めっぽう相性がよいのが鹿島国だということだ。 「倒れるな!!」 「よし、それならこっちもやって良いぞ!!」 ただでさえエキサイトする国際試合。荒れ模様を感じさせる立ち上がりにヒートアップする。 圧勝のはずが危機に陥るレッドカード。 退場の宣告を受けたのは柳。それまで、苛立ちを隠せない挙動でプレーに精彩を欠いていたのは小笠原。だが、この赤い紙で形成は一気に逆転する。 「退場が時間の問題だったのに、こっちが退場かよ!!」 「なんであれで赤なんだよ!黄色だろ!!」 「あれで赤出したら、きりないぞ!!」 確かに、相手に暴行をしたとなれば一発退場。2試合停止もやむを得ない。だが、その前にやり合っていて胸を突いた行為。通常であれば黄色が出るケースが多い。黄色を出しておいて、呼び止めて厳重に注意を促す。だが、ここで一発退場。冷静さを失っているはずだった小笠原の術中にはまる結果に陥るとは。 前半は安定した守備で捌く。 失点の可能性は低い。名良橋も怪我で交代し、攻めてに欠ける。ゴール前のピンチも、とんでもないミスキックで自滅。何度かあった哲也の判断ミスも怪我には至らない。これならば、なんとかなるかもしれない。いや、そのうちカウンターで追加点が獲れるかも。そんな45分間だ。 後半にはいると、前半唯一の脅威だった深井を下げるなど、またしても采配ミスか?と思わせておいて、トニーニョ・セレーゾは絶妙の采配を振るう。両サイドをワイドにポジショニングして、こちらの中盤の守備が効かなくなる。おかげで、前半の警告以来、ちっちゃいプレーに縮んでいた小笠原が得意のミドルシュートを決める。 「よりによって小笠原かよ!!」 これは必然でもある。そして逆転。 トリコロールの右サイドは沈黙。ユキヒコに積極性が見られない。 「ボールを下げるな!!!」 「なんで下げちゃうんだよ。勝負しろ!!」 「こんなやつ使うなよ!!」 「でも、あれだけアシストしてるじゃん。」 「ユキヒコは確かにアシストと記録には残っているけど記憶に残ったプレーがないんだよ!!」 「ファールだろ!!」 「いや、倒れたら負けだ!!我慢しろ!!」 「掴んでるじゃねぇか!!」 「お前、 オフサイド流して、うちのピンチにしてどうするんだ!!」 判定に苛立つ。 「 おい!うちが有利になったから良いけど、今のはファールじゃないだろ!!」 苦しい発言だ。 「 ファールじゃない!今日は絶対にそんなの吹かない!!」 「負けるな!!」 喉が痛む絶叫が続く。 「 ホントはファールだけど今日の基準ならファールじゃないだろう!」 「そうだよ!!ホントはファールだからって今日はファールじゃないプレーをファールにするな!!」 複雑すぎて、試合のペースについてゆけない。笑い事ではない。 「ふざけんな!!」 「いや、怒っても仕方ない。今日は判定のことは諦めるしかないって。」 「今日は甘いんだから、そのつもりで我慢してやらないとダメだ!!」 何とか得点しなければならない。 シュートを積極的に放つ。だが、今ひとつ、コンビネーションが合わない。柳の退場の他にもう一つ、試合のターニングポイントが一つ。 坂田が逃した一対一。曽ケ端が出てくる。真っ向勝負に行った坂田はコースを塞ぐために出てきた曽ケ端の望み通りの間合いでシュートを放った。 「あ〜。」 天を仰ぎ座席に座る。 「おびき出すなり交わすなり、なんかやれよ!!」 怒ったのはスタンドだけではない。 終盤にツートップの呼吸が合わない。ほとんどパス交換はない。シュートを連発するマルキーニョス。坂田が、もっと良いポジションにいても、パスは出ない。無理をしてでもシュートを放つ。 「あ〜パスしろよ!!」 「いや、無理だ。坂田は信用を失っちまった。」 「そうだよな。もう自分で決めるしかないってマルキーニョスは思ってる。」 「気持ちは分かるがチーム的にはまずい。」 「でも、どうしようもない。」 「坂田!もう、自分で決めて挽回するしかないぞ!!!」 次に標的になったのは不運にもボールボーイだ。 鹿島国は、残り時間が少なくなると、いつもの露骨な時間稼ぎに出る。ボールがタッチを出てもとりにいかない。スローインを投げる選手が、外に出てこないのでボールボーイもボールを投げられない。 「いいから投げちゃえ!!」 「タッチラインの上にボール置いちゃえよ。そうしたら、急がないと遅延になるんだから!!」 「急げ小僧!!」 「早くボール出せ!でないと 月謝値上げするぞ。」 この日、鹿島国戦らしい最大のハイライトは池内の人として(日本人としてではない)恥ずかしい行為。試合の流れと関係のないところで倒れ、担架で運び出されると、すぐに立ち上がってフィールドに入り、トリコロールのボールをまんまと返させた行為だ。倒れた時点で、すでに怪しかった。 「埋めちまえ!!」 「外国に送り返せ!!!」 すでに怒り心頭のスタンドに殺気が走る立ち上がった瞬間。 「見苦しいぞ!勝ってって一人多い方がすることか?カード出せ!!」 「いつも汚ねぇな鹿島は!!」 「ボール戻さなくて良い!!」 「戻すんだったら、あいつに思いっきりぶつけろ!!」 その殺気は手拍子に込められる。 中沢を前線に上げての総攻撃。汚く止める鹿島国の守備にセットプレーを何度も得る。そのたびに沸き起こる拍手、手拍子。その音は凄まじい。ゴール裏の応援歌が聞こえない。完全優勝への希望と、忌まわしい外国チームへの怒りを乗せた音は屋根に響く。 だが、僅かにタイミングがずれる。ヘッドで撃てるはずのボールが、僅かに後ろへ。気負った中沢の突っ込みも早すぎる。体勢を変えてオーバーヘッド。 「ダメだ!頭で行けよ!!」 「ちゃんとクロス上げろ!!!!」 「オーバーヘッドじゃない!ボンバーヘッドで行かないと!!」 試合は終わった。またしても、獲れるところで獲っておかなかったために訪れた勝ち点ロス。とはいっても、その転機は、あまりに突然すぎた。 「お前ら!毎度毎度退場しやがってよぉ!!!!」 「いや、退場したやつは、そこにいないって。いる選手達は良くやったよ。」 「今日は不運だった。仕方ない。」 「いや、でも鹿島国に負けたのは気に入らない。」 試合後にわかった、ある事実。 「おぁ、浦和負けてるじゃん。」 「しかもアンジョンファン。」 「なに?世界の山ちゃんで言ってたとおりじゃん。」 「ガス負けた。」 「名古屋もダメ。」 「なんだよ、言ってたとおりになるのかよ。なんでうちだけ違うんだよ。」 「いや、ちょとまて。良く思いだしてみると、みんな、最終節の話はしてたよ。引き分けで優勝だって。でも・・・今日の試合に勝つって・・・誰も、一言も言っていなかった!!!!」 「なにぃ!?しまった。言っておけば・・・。」 「言霊になっていない。」 「しまった。」 「よし、今日は言うぞ。仙台には勝つ!!」 「オレも言っとくぞ。次は勝つぞ!!」 「よし、優勝ラインは勝ち点26に変更だ。」 「最後に磐田に勝って優勝だ。」 「優勝まで、勝ち点6!!!」 試合終了から40分以上が経ち、人影も少なくなったスタジアムの通路に、まだ優勝を諦めない男達の声が響いた。 今日のポイント ●マルキーニョス停止。「あのシュートが決めれない坂田を大熊は代表から外すべき!」と、 みんなで言ってみた。 ●一発退場は不運とは言え許されない柳の行為。ゴール裏スタンドからの拍手には共感できない声多数。 ●さすがに足が止まった後半。 ●家族になんと説明する池内。 ●結局は裏目に出た可能性がある久保交代。 ●一生懸命にジャッジしてくれたことはわかるが、 Jリーグの基準ともFIFAのルールともかけ離れたジャッジになった松村さん。 ●マリノス君とマリノスケがやらずにスタッフが撃っても面白さが半減以下のTシャツバズーカ。 今日のお値段
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