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2階の目線 2階の目線2012

理解で前へ進む 0-2 仙台(日産)
2012年3月17日 石井和裕

「シーズンあけましておめでとうございます。」
リーグ開幕戦でのお馴染みの挨拶。ホーム開幕戦には、いつもは会えない仲間も沢山やってくる。

2年半ぶり。」
「そんなに久しぶりだっけ。」
「名古屋でも博多でも会ってるから、そんな気しないよ。」
「でも日産スタジアムは2年半ぶりなんだよ。」
大阪、長野、福岡など、遠方からも仲間がやってくる。試合前はお土産の菓子が次々に回ってくる。

柏での開幕戦を観戦できた仲間は、ほんの一握りでしかない。激戦の噂は期待に変わる。誰もが、このホーム開幕戦に、大きな期待と夢を抱いてやってきている。

アディショナンルタイム90分+8分にPKを献上。それを決められると、バックスタンドは一斉に席を立つ人たちでざわめく。噛み合ない攻撃は、学から狩野へのたった一度の決定機を創ったのみ。しかも、その決定機は、天高く宇宙開発によって失われ、重苦しい落胆が巨大スタジアムに漂う。そんなムードの中でのPKは、前がかりになっていた故、致し方ないとはいえ、落胆ムードに追い打ちをかけた。

「日産で8月から勝ってねーぞ!」
バックスタンドへの挨拶に選手が来たとき、飛んだ言葉に驚く。もう、このスタジアムではずっと歓喜を味わっていない。確かに、選手達はショックだろう。自信を持って臨んだ試合での完敗。列に並ぶこともなくバラバラの挨拶ならばしなければ良い。べつに、この挨拶は選手をさらし者にするために行なわれる罰ではないのだから。こんな完敗のときこそ、サッと走ってきて、スッと頭を下げて、サササッと全力で幸手行くくらいでも良いのだ。本来の意味を忘れさえしなければ。

コンセプトは見えている。試合の中で随所に感じる。しかし、本来の意味、考え方が浸透していないために、まだまだ完成度が低い。それが、現時点でのトリコロール。間違ってはいない。なぜ、素早くボールを前に進めるのか、なぜパスの選択肢は縦を優先しなければならないのか、なぜサイドバックは攻撃的なポジションをとるのか、なぜ、安易なクロスを放り込まないのか、それらの本質的な意味を、選手一人一人、サポーターの理解が進み共通の握りが出来れば、このサッカーは爆発的に面白くなるに違いない。

センターバックが再三再四の突破を許したのは、両サイドバックが上がりすぎて、栗原と中澤の間隔を開き過ぎたことが一因だろう。そして、金井が上がった際に、左サイドバックのポジションに兵藤が入るやり方が、上手く機能しているとは言い難い。小椋の負担も大きい。中村大先生は豊富な運動量で前線の攻撃に絡み続ける。前節でも散見されたが、中村大先生が前にいる故に、やはり中盤の底でのプレーメイクは重要だ。必要なのは「奥」や「上野」の存在だ。簡単に捌き過ぎては試合を創ることは出来ないし、パスの選択肢の第一優先がバックパスでは闘いにならない。その打開策のための狩野投入だったはずだが、その意味を理解していない選手は、狩野を右に張らせて、中村大先生を中盤の底に下げた。両者は全く機能せず無駄に時間を捨てた。あの時間帯が、この試合の全てを表していたのではないか。

「今日の金井は凄く良かったと思うんだよ。守備とか上手くなったね。」
「金井は良かったねー。」
「でも、なんで金井を下げちゃうんだろう。」
「いや、あれは金井を下げたのではなくて、中盤の底の兵藤の問題なんじゃないのかな。」
「20日はナビスコだから、ちょっと思い切って選手を替えてもイイと思うんだよね。兵藤ではなくて中町を使うとか、もしくは森谷。中澤も休ませて富澤とか使うとイイ。」
しっかり呑むほどの気は起こらないが、そのまま帰るのは惜しい仲間達が、いつの間にかタコデリオ(オフィシャルショップ隣りの奥のタコスの店)に集まって、ワンドリンクを片手に語る。
「鳥栖では勝とう!」
「その前に大宮。」
意外なことに、会話の中で大宮を苦手意識する言葉は何も出なかった。

私たちは前を向いている。



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題字:書道家うどよしさんに書いていただきました。