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ブンデスリーガの開幕戦を見るため、ハノーバーからヴォルフスブルクという小さな町へ行った。普段は直通の急行があるのだが、土曜は運休でどうやって行けばよいのか分からなかったので、バイエルンのユニフォームを着た連中についていくことにした。5つ目くらいの駅でみんな降りたので、ここで乗り換えかなと思ったらやっぱりそうで、ヴォルフスブルク行きの鈍行列車が止まっていた。その列車,はじめはバイエルンのサポーターしか見かけなかったけど、終点が近づくにつれて緑色のユニフォームを着た人達も乗り込んできた。 相席に2人ヴォルフスブルクのサポーターが座って缶コーラをくれ、これから試合があるんだけど知ってるか?と片言の英語だかドイツ語だかで聞かれた。ぼくはもちろんと答えて、それでチケットを持ってないかどうかだずねてみた。すると彼はちょっと待ってと言って、他のサポーターの所へ行って聞いてくれた。なにやらチケット持ってるらしいぞしめしめ。ヴォルフスブルクは小さいスタジアムだから、多分チケットは売り切れていてダフ屋から買わなきゃいけないかなと思ってたのだ。
駅を降りるとワーゲンのでっかい工場があるだけで、あとはほとんど何もなし。スタジアムは歩いて15分くらいの所らしい。彼ら(全部で5人)がビールを買うというので途中でスーパーに寄ったのだが、そこでこいつら500の缶ビール20本位買っていて、そんなに飲むのかいと思ってしまった。試合までにはかなり時間があったので、スタジアムのそばの芝生でビールを飲むことにした。彼ら5人は,チケット売ってくれたビール腹と、もっと若いのが3人(高校生くらいだったかも)、あと酒の飲み過ぎで赤い顔してパンチドランカーみたいになってるおじさんが1人という内訳だ。かれらの日本に対する知識は、ブッフバルトが日本でプレーしてたことと長野オリンピックと2002年ワールドカップと寿司だけだった。そんだけありゃ十分か。ビール腹は奥寺のことを知っていた。パンチドランカーさんは、ただでさえドイツ語じゃ理解できないのにろれつが回ってないため会話が成り立たない。あと若いのが1人バナナを買ってきてそれを1本手に持ってかかげ、オリバーカーン(バイエルンのGK)ウッウッウッ、とやってバカにするんだといって僕にもくれた。多分カーンがゴリラみたいだからそうやるんだろうと思ったが、後にスタジアムでそんなことやってる奴は1人もいないことが判明。どう考えてもやってる方がバカに見えるため、バナナはもらって帰ることになった。 スタジアムは陸上トラック付きで、立ち見もいれて2万ちょっとしか収容できず,日本の競技場みたい。スタジアム周りもいなかのせいか、のんびりしてて危ない雰囲気ゼロ。スタンドに入っても、ゴール裏立ち見席におばさんとか子供とかたくさんいた。バイエルンの方はサポーターがまとまって応援をしていたが、ヴォルフスブルクの方はみんな本当にただ試合を見ることを楽しんでいる、という感じで,組織的な応援はなかった。名門クラブでない所は意外とこういう雰囲気なのかも知れず、このように肩の力を抜いた接し方もありなのかなと思った。日本ではセリエAの影響かチームを愛する=熱狂的なサポート、という考え方しかないようだが。 試合はバイエルンが思ったより悪く、特に前半は両チームともミスが目立ってJリーグみたいだった。エウベルが1点取ってバイエルンが勝ったが引き分けてもおかしくなかった。後でサッカーダイジェストの記事を読んだら、開幕前に比べるとエウベルが悪く、エッフェンベルクはフィットしてきたと書いてあった。しかし、この試合のみ観戦した限りでは、エウベルだけが点の取れそうな動きをしていた(特に前半は)。開幕前はもっと良かったらしい。あとアリ・ダエイはサブで試合には出られなかった。 帰りの電車はバイエルンのサポーターと一緒になった。こいつらがもう頭悪そうなのばっかりで、車内でビール飲んで歌ったり踊ったりはねたり女の子ナンパしたり、えらい騒ぎだこりゃあ。ただ危なそうなのは車両を通り過ぎていったのが1人いただけで、そこにいたのはただ陽気に騒いでいるだけの連中だった。で、気づいたことが、彼らはみなサポートマフラーをたくさん身につけているんだけど、バイエルン以外のドルトムントやらケルンなんかのマフラーも持っているわけ。なんでかなと不思議だったんだけど、よくよく見ると、FUCKケルンとかノイン・ダンケとか書いてあって中指立てた絵もあったりする。なるほどこれは楽しいマフラーだなあと、感心してしまった。もちろんオフィシャルじゃだめだろうが、日本でもこういう品のないマフラーがあったらいいのに。 寺山功
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