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天皇杯にこだわる理由
石井和裕


1993年に栄冠を勝ち取って以来、天皇杯は敗退の歴史なっている。それも、下部リーグのチームに簡単に負ける。負けるとモチベーションやサッカーカレンダーの話題になる。天皇杯は不要だという意見も出る。マリーシアのコアメンバーは過剰に天皇杯にこだわり続けている。それは、ただ、毎年のように決勝戦に進出していた黄金期を懐かしがっているのではない。
日本にも「ビッグクラブ」と称されるクラブが区分されてきた。具体的には、鹿島、浦和、横浜、磐田、名古屋がそれに当たる。それぞれ、カラーを持っている。鹿島はプレーが汚いが抜け目無い試合運び。浦和は弱いが人気は圧倒的に一番。磐田はテクニックと組織力に優れたビルドアップできるサッカーの質。名古屋だけがちょっと違って、豊富な資金で獲得する良質な(もしくは知名度の高い)外国人選手。
さて、トリコロールが誇るべきカラーとは何だろう。その資産は。他のクラブのサポーターからは「タナボタ得意」「ギャルサポ多い」などといった声が挙がるだろう。岡田監督がゲーム内容を変えてくれる予兆はあるものの、磐田や鹿島ほどの特長が出るのには時間がかかる。そして長持ちするかはわからない。だからこそ天皇杯はトリコロールの資産なのだ。
1993年元旦の優勝は最多と並ぶ6回。並んだ相手は慶応BRBだ。プロクラブとしては圧倒的な優勝回数。これを徹底的に伸ばすことが「横浜といえば天皇杯に強い勝負強さ」という評価に繋がるのだ。あと4回優勝すれば優勝回数は二桁。あと1回優勝するだけで単独1位の7回目の優勝なのだ。他のクラブが天皇杯を軽視するのならば、それは好都合だ。ダントツの二桁優勝したとき、トリコロールはビッグクラブのアイデンティティーを確かなモノにし、選手もフロントもサポーターも、このクラブを愛する軸を一つにして意識を共有することができるのではないだろうか。契約切れが間近な選手までもが「トリコロールの天皇杯栄光の歴史の一頁に貢献することでキャリアの勲章にするのだ。」と胸を張ってゲームに全力を尽くせるクラブであってほしい。
だから毎年言うのだ。「長いプレシーズンマッチは終わった。天皇杯が本番だ。」