  
日本万国博覧会
石井和裕
1970年に行われた、歴代日本でも最大級のビッグイベント「EXPO70万博」の記録映画を見た。最近、この万博はブームだ。1970年代、20世紀に人々が描いた21世紀の未来の姿を30年後の今、振り返ってみる楽しさがあるからだ。この万博、何が凄いかっていうと、まず数字。敷地の中に、なんと830,000人が同時に来場していた。地方の県庁所在地の人口を上回る人数だ。会場内は、常に、試合後のスタジアム外の大混乱の同じ状況。一つのパビリオンを見るのに、数時間の整列を強いられたという。特に一番人気のソ連館は4時間待ち。一番の売りが「レーニンの偉業」だったのは、今となっては笑い話だ。
この「夢の万博」だが、今、映像としてみると時代を感じてしまう。その数時間待って見る展示物の大半は写真。一部は映像。目玉になるのはアメリカ館の月の石など。ステージで繰り広げられる華々しい民族舞踊も、今では六本木あたりの料理店では、食事をしながら普通に見ることが出来る。だが、当時にあっては、それは、遠い異国の触れることの出来ない文化だったのだ。この映画は万博開催後に作られたのだが、ナレーション表現からも、その頃の国際情勢を実感できる。韓国に関しては
「日本からの独立。国土を二つに断たれた中で今日の国造りを目指す韓国の現状が、静かに訴えられています。」
という説明。現在の私たちの感覚からは「日本からの独立」などは、まったく意識の外だ。
2002年に開催されるワールドカップは、スポーツにおける万国博。70年代には触れることの出来なかった国の文化をスポーツを通して実感することが出来る。サッカーがなければ「トリニダードトバゴ」「コートジボアール」「トルクメニスタン」という国名を知る日本人が、どれだけいたことだろう。
私たちは世界各国から来日するサッカーファンを、どのように迎えるのだろう。そこで何が生まれるのだろう。そして、2030年に振り返って、2002年ワールドカップを、どのように語るのだろう。
   
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