   
Bregenz 2002
2002年7月13日 UEFA Intertoto cup 2回戦第2戦
SW Bregenz(Austria)-AC Torino(Italia) - CasinoStadion -
ドイツ出張予定が突然延び土日がフリーになったので、どこかで試合はないかとインターネットを調べてみた。W杯直後で各国リーグも休みだし、あまり期待していなかったが、インタートトカップがあった。バカンスシーズンだというのに試合をやるなんてエライぞ、ちゃんと見に行ってやるからな!と思い対戦を確認したが、ドイツの2チームは両方ともアウェー。ホーム側はどこも聞いたことがないチームばかりだ。
ポルトガル、アイスランド、ラトビア・・・うーん飛行機で行くのは面倒だし、そこまでして行くほどそそられるカードじゃないなあ、とトーンダウン。そう思っていたらブレゲンツというのがオーストリアのチームであることを発見した。ブレゲンツはドイツ、スイスの国境付近にあるので、少し遠いけど許容範囲だ。しかも相手はカルチョの国、イタリアはAC Torinoで、中々いい組み合わせ。そこでブレゲンツについて少し調べてみた。チームの正式名称はCasino Schwarz Weiss Bregenz。オーストリア1部リーグの欄にはSWBなんて載っている場合もある。ブレゲンツという町はドイツ、スイスにまたがるBodenseeという大きな湖に面している。小さな町だが、7月中旬から毎年オペラを中心としたフェスティバルが開かれていて、結構有名なんだそうだ。待てよ、もしフェスティバル期間に入っていたらホテルがないぞ、と思ったがそれは水曜日からでぎりぎりセーフだった。でも念のため電話して部屋を予約しておく。
さて当日、現地に着くとあいにくの雨。まずはホテルのある町の中心部へ向かった。地図を見てみると、本当にこじんまりとした町だ。オペラ好きならいざ知らず、サッカー見に来る日本人は恐らくいないだろう。町のメインの通りをぶらついてみると、少ないけどいるいるエンジのシャツを着た連中が。背番号69でウルトラと書かれたTシャツを着ているのもいる。地元ブレゲンツのファンはほとんど見かけない。そのうちトリノサポーター15人くらいがカフェの前で歌って盛り上がり始めた。ああ、せっかくここは静かで落ち着いた町なのに。でもそれがないと欧州でサッカーを見る楽しみがないので許す、どんどん騒いでくれ。しかしどうしてもワールドカップで日本にまで来るような連中に比べると柄が悪そう。彼らは金髪美人が通ると、おお〜イイ女だぜ!って感じで目が泳ぎ、その内の一人なんかわざと聞こえるように「チュバッ」とかやってる・・・最低だなコイツら(笑)。当然彼女には無視されるわけだが、それを気にする様子はもちろんない。
そのうち雨もやんだので、試合の行われるCasinoStadionへ向かうことにした。ここは駅から歩いて10分くらい。スタジアム前のブースで15ユーロの当日券を購入する。スタジアムはトラック付きで、メインとバックスタンドの半分がイス席。その他は立ち見である。詰め込んでも1万人程度しか入らなそうなこじんまりとしたスタジアムだ。そんな小さな町のこじんまりとしたスタジアムに、マリーシアマフラーをしていったので、やたら注目を浴びてしまった。ブレゲンツのチームカラーは白黒で、トリノはエンジだからトリコロールが目立つのだ。しかも対戦相手と全然関係なさそうな東洋人と来れば皆興味深々。あー恥ずかしいからそんなにじろじろ見ないでくれい。落ち着かないからさっさと席に座ることにした。
その席の隣にはすでにトリノサポが2人いた。指定席に座るくらいなので柄は悪くないから、さっそく友達になる。その内の一人は、イタリア・ハイネケンに勤めていて、アシスタントレフェリーの免許も持っているそうだ。ワールドカップの話が話題になったら、あなたは韓国じゃないんだねーなんて言われて、もし韓国人だったらどうなんだ?って不安になってしまった(あえて聞かなかったが)。でも彼らは、アンチユーべだからかもしれないが敗因はトラパットーニだと言っていた。ついでに私の友人にユベントスファンがいるのだけれど、私はもちろんユーベが嫌いだと言っておいた(笑)。レッジーナにぼっちゃんが行くことも知っていて、ミウラから数えて4人目だと。また彼らによるとこのブレゲンツのスタジアムはトラックが
あるけど、小さいから近くて見やすいそうだ。確かにトリノはシンヨコの様に、でかすぎる上に陸上トラックがあり評判が悪いと聞いている。彼らはアップしている選手がライン際に来たりした時、あと試合中でもさかんに「マルコー!」とか「ファビオー!」とか声をかけていた。なんか友達に声をかけているようで良い感じだ。なるほど、確かにトリノじゃ声が届かなくてつまらないわなあ。海外での試合はホームチームを応援することが多いが、今日はトリノを応援することに決めた。
試合の方だが、第一戦はすでにトリノで行われており、1−0でトリノ先勝。今日が2戦目である。試合前にカルロ・マッツォーネがどうのこうのアナウンスされていた。UEFAから表彰でもされているのだろうか。トリノサポにドイツ語(オーストリアはドイツ語)分かるか?と聞かれたがもちろん全然分からない。分かるのは挨拶と数字と多少のサッカー用語くらいだ。さて前半が始まるとトリノがFWにロングボールを当てるような展開をするのに対し、ブレゲンツはドイツのチームと同様きちんとつないでサイド攻撃をしてくる。そして7分頃、いきなり右からのクロスにヘッドで一点取ってしまった。頭を抱える隣のトリノサポ2人。これでトータルスコアで同点になってしまった。トリノは攻めなくてはいけないが、まだシーズン前だからか動きが悪い。パスも足元ばかりで、チャンスらしいチャンスが作れず、シュート2本程度で前半を終えてしまった。反対にブレゲンツはリーグがすでに始まっているせいか全体に動きが良い。
ハーフタイムにはピッチ内でブラスバンドの演奏。実にのんびりしていてアットホームな雰囲気だ。でも運動会じゃないんだから、あんまりのんきな事やっていると負けちゃうんじゃないかと思ってしまった。でも小さな町のクラブでは、サッカーといえど勝敗でピリピリするような雰囲気ではないのだろう。
そんな雰囲気でブレゲンツの気が抜けたわけではないだろうが、後半開始すぐにトリノが同点にしてしまった。トリノは前半ダメダメだったのでこれは大きい、しかも貴重なアウェーゴールだ。左からのクロスにヘッドで合わせ、ジャストミートではなかったがボールはゴールポストの内側に当たってネットへ。大喜びのトリノサポ2人。普通アウェーで周りに相手チームのファンが大勢いたら少しは控えめに喜びそうなものだが、お構いなしでガッツポーズのお2人さん。実に幸せそうである。この同点ゴールの後、トリノはいきなりDFラインでボールを回し始めた。さすがイタリアのチームだけあって分かりやすい。後半は攻めるブレゲンツ、カウンターアタックのトリノと、俄然試合が動き出して面白くなった。しかし両チーム何回かチャンスを迎えるもそのまま試合終了。トータルスコア2−1でトリノの勝ち抜きが決まった。試合後は2人のうちの1人、ジウベルトーニさんとマフラー交換。ウチのチームもまたアジアのカップ戦に出て、相手チームのファンとマフラー交換できたらいいなあと感じた。

(左)CasinoStadion
(中)トリノサポ・ジウベルトーニさん
(右)目立ち過ぎのマリーシアマフラー

(左)ほぼ満席も1万人程度
(中)メインスタンド
(右)メインゲート
寺山功

   
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