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マリーシア・フットボールコラム

Zは最後を示さない  石井和裕

「いばらの道」「どん底」「苦闘の時間」「試練」。ワールドカップ出場を決めた翌朝の日刊スポーツから拾った言葉は違和感を含んでいる。欧州もアフリカも南米も羨む、おそらく最初で最後の緩い最終予選は、あっさりと終わった。

8年前の予選のときは、予選突破が決まった翌週に高熱を出して仕事を休んだ。12年前の予選のときは1週間も、まともに仕事ができなかった。16年前は涙した。20年前は満員になった国立に驚愕しただけ。だが、今回は何もなしだ。4連敗をしてもワールドカップ出場の可能性が残るレギュレーションで、敗退するほうが今の日本いとっては異常なのだ。

「1試合を残して特急突破」「世界一番乗り」、それは事実として残るだろう。だが、それで良いのか。一抹の不安のせいか、今回の突破に爽快感は一切無い。

「ジーコは正しかった。正しかったと証明できた。最高の瞬間です。」と、あるサポーターは語った、と記事にある。だが、一方で、サッカー協会が掲げたドイツ大会の目標はベスト8だ。そして、宮城の雨の中でサポーターが誓ったのは本大会決勝トーナメントでの雪辱ではなかったのか。誰もが、自然に「次こそは」と思ったのではなかったのか。前回の予選でソウルに乗り込んだとき、韓国を含むベスト8の組み合わせ表を模した巨大幕を見せつけられたときの思いを忘れたのか。

まだ、本当の戦いが始まるまで1年がある。日本はベスト8に進出できるのか、もしくはベスト8進出にふさわしいパフォーマンスを魅せることができるのか、証明するのは1年後だ。戦いは続く。日本国民のための「僕たちの日本代表」だ。まずは、ドイツで勝つために年内は、鹿島国とのプレーオフから。


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