message
マリーシア・フットボールコラム

トリコロール最大の危機が迫る 石井和裕

今、私たちの目の前には、過去に経験をしたことがない危険が待っているそれが、どれほど大きなものなのか、そのための準備が、どのように進んでいくのかは明らかではない。ただ、確実に「名門」「目標は優勝」「アジアの頂点へ」と無邪気に叫んでいた時代とは違う時代がやってきていることを、私たちは自覚しなければならない。


まずは残留争いだ。有名な2001年の残留争いよりも危険な状況にあることを、2001年を経験したサポーターならば自覚していると思う。しかし、若いサポーターたちには、その貴重な経験がない。それゆえ、スタジアムには危機感と緩さが同居している。そして、どちらかというと緩さが勝っている。クラブも同様。残留争いのまっただ中にあることをひた隠しするかのようなコミュニケーション。「名門」のプライドか、それとも、来期スポンサー獲得のために予期展望を見せる必要があるためか、ただスタジアムに来場し試合を眺めるだけであれば、残留争いを感じさせるものはない。あえて隠しているかのようだ。それは危険なことだ。残留争いのプレッシャーは人を狂わせる。土壇場で、その圧力に対応できるようになるほど人は強くはない。思い返してほしい。夏には補強をし、手堅い監督を指揮官に据え、中村俊輔という切り札を持ち、それでも2001年は最終節に残留を決めたのだ。特に、クラブと監督へは厳しい態度で「残留へ向けた一致団結」を形成するよう、サポーターは働きかけるべきだろう。一致団結が一つのカタチを見せたとき、一気に連勝街道を走り始めたジェフ千葉の姿を見るが良い。

私たちは、絶対に残留をしなければならない。今期の責任の重さは、他の残留争いのライバルたちよりも、極めて重い。なぜならば、たとえ残留をしても、来季の私たちに明るい未来は見えてこない可能性があるからだ。それゆえ、降格などすれば、どれほどの暗黒の時代が待っているかは判らない。状況は日々悪化しているのだ。

サブプライムローン問題が露呈してから、自動車市場の展望は不安視されていた。信用収縮・経済後退・ガソリン高などの悪環境に囲まれる中で、米国の9月新車販売台数は大幅減少した。原因は買い控えだけではない。消費者が自動車を購入しようとしても、自動車ローンの審査を通らなくなってしまったのだ。米国日産も、9月には前年同月比36.8%減の急減。目標販売台数の達成どころではない数字となっている。さらにはリーマンショックで米国市場は「火の車」。すでに日産自動車栃木工場ではインフィニティの減産に入ってる。

7兆円(!)の累積赤字を抱えるGMはクライスラーとビッグスリー同士の合併を画策している。フォードは目先の資金のために子会社であるマツダの株式を売却するようだ。自動車業界はこの金融危機によって生き残る企業と死ぬ企業が決まってくる。日産自動車は、トリコロールを支援するどころか、自らの生き残りをかけなければならない状況だ。

今期、残留に失敗すると、日産自動車は大鉈を振るってくる。そうすれば、主力選手のほとんどは放出だ。一年でJ1に返り咲いた広島のような芸当は難しい。ほとんどの人が想像をしているJ2での闘いよりも、もっと苦しい日々が待ち受けているのだ。そして、残留しても大型補強は難しい。監督も一流どころが来るわけではないかもしれない。また来年も残留争いかもしれない。それでも、夢は見れる。それがフットボールだ。来期が始めれば、またフットボールの可能性にサポーターは賭けることはできる。ただし、その夢の行使は残留することが条件だ。最大の危機をサポーターは自覚し、残留機運を盛り上げなければならない。クラブが緩いのであれば、少し厳しい態度でバランスがとれるというもの。

選手たちには愛に溢れる声援を。クラブと監督には、愛が生み出す叱咤激励を。目の前に口を開けて待っている危機を回避するには、クラブ全ての力を結集する必要がある。今こそスタジアムを愛で包め。





confidential 秘密 message 伝言 photo&movies reference 参考 witness 目撃
scandal 醜聞 legend 伝説 classics 古典 index LINK