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マリーシア・フットボールコラム

トリコロール新時代の幕開け 石井和裕

2008年の締めくくり。天皇杯敗退の翌日、大晦日の神奈川新聞に、ついに来たか・・・という記事が掲載された。

日産自動車が株式を売却して横浜マリノスへの出資比率を下げようとしている。株式保有比率を33%以下にまで引き下げて経営権を手放すことを視野に入れている。

このニュースには伏線があって、クラブ関係者の話し振りからしても、近い将来に日産が資本を引き上げる可能性があることを、薄々感づいていた人も多い。例えば、唐突に打ち上げられていた「2010年ホーム観客100万人計画」は、日産自動車からの補填が無くなった場合に、自立するために必要な観客動員数だとされている。現実味のない数字になっているのは、それだけ、現時点で、自立への道が遠いことを示している。08−09シーズンのコーキチ采配が若手起用に傾いたのも、厳しい09-10シーズンを見据えてのことだろう

株式保有比率が下がり、連結子会社から除外されれば、日産自動車は横浜マリノスの経営に責任を取る必要がなくなる。それは横浜マリノスにとっては困ったことなのだが、世界的な自動車不況の中で「日産自動車の経営自体の先行きが暗いのに、万年赤字の異業種子会社を抱え込む必要があるのか」という意見に、反論の術がない。すでに、その要求は、ネットなどで見る限りでも、日産自動車の株主から噴出していたので唐突感もないほどだ。

さて、サポーターはどうすればよいだろうか。今、重要なのは「ただ、勝つことだけを要求」することが、クラブにとって単純なプラスとは言いにくい。そう簡単に勝てるわけがないし、勝っただけで経営状況が好転するとも思えない。

だから、クラブとスタジアムの魅力を、もっと伝えるためにどうすれば良いのかを考えるべきだと思う。ハマトラ、ウイマリ、ポスター活動などなど、様々な試みが行なわれている。そして、肝心のスタジアム内でも、今までの概念にとらわれることなく、アクションを起こしていくことが必要ではないだろうか。そして再検証も必要だろう。本当にゴール裏は熟成しているのか?ゴール裏の年齢層はどのように推移しているのだろう?ゴール裏サイドに空席が増えているのは何故なのか?などなども、いまい一度、考えてみると良い。私もバックスタンドでの応援について再検証を行なって、これまで以上に、バックスタンドで手拍子や声援を巻き起こしていきたいと思う。

実は、昨シーズンで最も残念だった出来事は日立台にあった。純粋なゴール裏での観戦は、私にとっては久しぶりのことだった(味スタやエコパや等々力の場合はゴール裏席でもサイド寄りであったり2階席であったりして純粋なゴール裏席とはいくぶん雰囲気が異なる)。特に試合後に気が付いたのだが、ゴール裏でもコアゾーンから少しサイドに寄ると、応援姿勢が極端に受け身だ。目の前に活躍した選手の姿があっても「良かったぞー!」「次も勝つぞー!」といった声援が起きることはない。じっと無言でコアゾーンのコールが起きるのを待っている。それは、「サポーター」というスタイルに参加することを楽しみ、形式美の一つの要素となることで自らの役割を全うしようとしている。極めて控え目な意識を感じさせられた。つまり、そこにあったのは「応援」のスピリッツやパッションではなかった。果たして、それが、闘うゴール裏なのか、とても寂しい気持ちになってしまった。なぜ、このような空気ができ上がってしまったのだろう、その原因は何なのだろう。その解釈はサポーターの皆さんにお任せしたい。

さて、プロサッカーはエンターテイメントである。エンターテイメントは夢と幻想に対価を支払ってビジネスとしている。そのエンターテイメント産業のトップによる正月の挨拶とは思えないような「苦しい」「辛い」「許してください」という斎藤社長の挨拶が元旦に掲載された。それくらい、クラブは追い込まれている。そして、顧客視点から離れていっている。冒頭にご紹介した「2010年ホーム観客100万人計画」も、顧客視点とは無関係。ただ必要な数字を提示しただけだ。営業をはじめとするフロントスタッフにハッパをかけるようなメッセージ。ここまでクラブの目線が顧客視点に向いていないのであれば、不足する視線をサポーターが補うより他ない。

2009年は、これまでの常識が通用しなくなる新時代の幕開けの年だ。

私たちは、応援のみならず、日産スタジアムでのサッカー観戦の楽しさをもっともっと広く社会に伝えていくべきだと思う。SNS時代となりブログ衰退が著しい近年だが、内輪に留まらず、もっともっと外に向けて、私たちがはまってしまっているフットボールの魅力をアピールしていくべきだと思う。マリーシアのコアメンバーが陣取るバックスタンド2階にも、もっともっと若い観戦歴の短い人に来てほしい。ゴール裏にも新しい仲間に加わってほしい。そのために、どんなコミュニケーションが必要なのか、私も考えてみようと思う。

さぁ2009年が始まった。まず私たちにできること。それはシーズンチケットを購入することですね。みなさん、申し込みは済みましたか?







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