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これが徹夜だ!
1997年9月28日---日韓戦前夜レポート

4年に一度のワールドカップ予選。日韓の直接対決はあの1985年10月26日以来だこれだけの大一番は、4年前のUAE戦以来。 

いやがおうでも雰囲気は盛り上がる。最終予選緒戦ウズベキスタン戦でも多数の徹夜組が出現。日韓戦ではそれ以上の大量の徹夜組出現が予想された。さて、
「サッカーで徹夜?いったいなにやってんの?」
と疑問に思っている方も多いはず。一般には秘密のベールに包まれていた決戦前夜の模様をここに公開する。

9月27日 15:00
今回の徹夜はここから始まった。 前日9月27日は土曜日。Jリーグが行なわれていた。しかも、優勝戦線生き残りを賭けたカシマ決戦。試合開始は15時。東京を発つのは8時。日韓戦の試合開始の30時間も前のことだ。 試合はマリノスが一点を先制。しかし、それも束の間、前半終了間際に追い付かれ、後半は一気に逆転されてしまう。白熱の一戦のはずが、どうも盛り上がりに欠ける。すでに明日のことが気にかかっているようだ。そういえば、試合前は日韓戦の話ばかり。キングシャウトの奥山君が言ってた。
「UAEの気温40度なんて嘘っぱちだよ。スタンドは50度以上あった。フィールドなんか何度あったかわからないよ。」 

9月27日 19:30
バスの中から国立へ電話。どうやら、もう凄い数の列が出来ているらしい。こりゃ、一度家に帰らずに直接行かなきゃならないな。 

9月27日 20:00
東京駅にバス到着。大手町のam/pmで飲み物を大量購入。一路信濃町へ向かう。 

9月27日 20:40
国立に到着。スタジアム内で行なわれている「浦和-ガンバ」はまだ終わっていないようだ。列にならんでくつろいでいる先発隊に合流。すでに代々木門を先頭にした列は青山門に迫る勢い。先発隊の場所は「南2門前」。とりあえず、今日のカシマの話。な〜んか関心薄い感じで「まぁいっか状態」。リーグの望みもなくなり、これで、ワールドカップ予選に集中できるなんて、これは強がり? 

9月27日 20:50
「浦和-ガンバ」終了。浦和の惨敗で、大量の人は出てくるものの、雰囲気は静か。門を出て、そのまま列の再後尾につく人も多い。人は多いし、地べたで酒は飲んでるし、屋台はあるし、な〜んか祭みたい。そうだよ、4年に一度の祭なんだよ。たとえ決戦といえども。 

9月27日 22:00
「どうしようかなぁ。帰って始発でこようかなぁ。」
とかあちらこちらで会話が出ていた頃。でも今回は厳しい。シミズスポーツが巡回して、誰もいない敷物には警告カードが貼られる。このカードが2枚になると敷物撤去。つまりイエロー2枚で退場ってこと。だから、帰るに帰れない。しかも、24時から26時の間に、一度大規模な列詰めがあるって噂。さ、覚悟を決めてビールを飲もう。 

9月27日 22:30 
広島、名古屋、福岡といった地方のメンバーが到着しはじめる。どんどん席はにぎやかになる。広島から来た豊岡さんは
「ロペスが出るっていうから来た。」
なんと、ベルマーレのシャツを着てるじゃない。生粋の日産ファンなのに。
「いやぁ、僕はベルマーレとは一切関係ない。フジタとも関係ない。でもロペスだ。」
シャツの背中をみればロペスの文字。
「いやぁ、明日こそ、オスカーの蒔いた種が実を実らせる日だよ。」
と、名古屋から来た伊東さん。
「僕はねぇ、韓国の国歌をすこし歌える。」
と、Mr.九州の野田さん。ビールいっぱい、人沢山。もう、なんだかわからなくなってきた。 

9月27日 23:00 
ワールドカップの形をしたボトルのワインを開封。美酒に酔う。ビールも飲む。トルコ土産の妙なスピリッツは薬臭くて不評だった。でも、この酒。水で割ると、白く色が濁るんだ。不思議。 

9月27日 24:00
話は8年前のワールドカップ予選、北朝鮮戦。あのときは、両国のサポーターの衝突もあって緊迫した試合だった。
「ビデオで見ると、客席が後ろ向いていて、試合を見てないときがあるよね。」
「あのとき、市川さん、北朝鮮応援席に突っ込んで行ったでしょ。」
「水沼のゴールは凄かったよね。」
「それに佐々木のンターリング。」
「そうそう、抜き切る前に上げる。」
「それって、松本育夫さんは好きなんだよね。(笑)」
「あの人、水沼のゴールが決まる前に、佐々木が上げた瞬間に、もう『やった(物まね)』って言ってるの。( 爆)」
「最後にオーヨンナムの自殺点だったじゃん。でも、松本育夫さんは『これはもう、吉田君のゴールといってもいいですね(物まね)』って勝手に決めるな。(爆)」
ここから、松本育夫ものまね大会『信藤君、競らなきゃ』ほか。
「山本アナウンサーの『万歳はまだ早い』って実況は忘れられないよ。」
尽きない話題。この試合だけで1時間近く喋ったかも。

9月28日 1:00 
まだ、飲んでる。話題はロペスのこと。日本リーグのこと。戦術のこと。星勘定のこと。青山門のところでは、朝日君が座席の位置のことなどを沢山のサポーターと話をしている。サポート方法は決めなくても、始まればなるようになる。そう、その通り。 

9月28日 2:00
「徹夜組」って嘘。半分くらいの人は「野宿」。シートの上で寝てる。寝袋も多い。そして、さながらテント村。特に列の前のほうと東京体育館側は立派なテントが多い。それに、コンロを持参して調理をしたり、なんだか、お手のものって感じ。空腹にはホープ軒のラーメン。食った〜。車の中で寝る人も多い。もう、普通じゃないっていうか「自分が病気で死にそうだった話」とかを面白そうに喋って、また馬鹿受けだったりする。ネジが抜けたみたい。決戦前夜の緊張感なし。 

9月28日 4:00 
ねむ〜い。さすがに喋りも勢いが衰えてきた。少し寒い。試合開始まで、あと10時間。 

9月28日 6:00
始発で来る人達が歩いてくる。どんどん列が伸びてくる。徹夜組に差し入れの暖かな風景。こんなに早朝から朝食なんて、普段はないなぁ。暖かい飲み物大歓迎。もっとも鈍い時間。日差しがまぶしい。 

9月28日 8:00 
もう一杯。道は青いウエアの人々であふれている。みな騒いでいる。大きな日の丸を掲げて走る人もいる。こりゃ何かあっても治外法権、 無法地帯だな。 


9月28日 9:00 
韓国サポーター第一陣がバスで入場。付近一帯は、もの凄いブーイング。バスのなかは真っ赤だ。でも、興奮してバスに物を投げた奴がいる。でも、それは反則だ。サポートはフェアーにいこう。 

       

9月28日 11:15
スタジアム内に入る。すぐにゴール裏は一杯になってしまう。びっしりだな。特に、代々木門側の半分は韓国側に引き渡しているので、スコアボード側にウルトラスも陣取っている。だから、中央部分は開門と同時にぎっしり。

9月28日 12:00
韓国の応援席が赤く染まりはじめる。ゲートからすこしづつ入ってくる赤い人達を見て「蟻がでてくるみたい。」何度か小さな応援合戦。でも、まだ序盤。いまから叫んでたら持たないよ。試合開始まで、あと2時間。

9月28日 12:30
試合前は星勘定とロペスのはなし。なにしろ、今日はメンバー紹介が全然ない。ロペスはでるのか?そして、いやなジンクス。快晴、14時キックオフ、といえばこれ「井原自殺点」。今日だけはないように、お願い。

9月28日 13:00
緒戦ウズベキスタン戦のときは、緊張でビールも食事も進まなかった。でも今日は食べれそう。でも早めに食べとかなきゃ。快晴。突き刺さる日差し。日焼けしそう。そろそろ、ゴール裏もヒートアップ。我慢仕切れなく大合唱も始まる。コリアコールには日本コールで応戦。まだまだ序盤。 

9月28日 13:30
ゴール裏に大横断幕や日の丸が広がる。そして、青いポリ袋。これは凄い。ただの幕ではなくて、ポリ袋は立体だから迫力がある。バックスタンドにも人が入りはじめて声量はどんどん大きくなっていく。いよいよテンションは最高潮に。韓国はフィールドで練習。韓国応援席も赤く盛り上がる。特に、ほえる虎が朝鮮半島になっている大横断幕は秀作。すばらしい。

9月28日 13:45
やっとスターティングメンバー紹介。ここで、この日最初のゴール裏爆発「ロペス先発」。早くも紙吹雪も。

9月28日 13:50
何周もウエーブが回る回る。大きな青波が回る。これもポリ袋の成果。 

9月28日 14:00
いよいよ選手入場、試合開始。さあ、日韓戦だ。 

…そして負けた。