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自己中心的な声援
石井和裕 6月13日

「ワールドカップなんて面白くないよ!」
そう声を大にして主張する人が入るとしたら、それはワールドカップの当事者ではない人だからだ。いくら日本戦には関心がない、と日頃言っている人でも、ひとたびスタジアムでピンチの連続を切り抜ける青いユニフォームの選手達を見れば拍手と声援を贈ってしまう。

そんな訳だから、これまでの観戦ゲームで、もっとも印象深かったのは日本-ロシア戦である。ところが、もう一つ、何の因果か、自分が当事者になるゲームが出現したのだ。それは「エクアドル-クロアチア」。

6月16日から私は渡韓する。TST-6Cチケットでイタリア代表を追うためだ。私が応援するチームはマリノスと日本代表なので、イタリア代表を応援しているという程ではないが、どこかの国を選んで見るのであれば、知っている選手の多いイタリアが面白いだろうと思ったからだ。ところが、そのイタリア代表が(いつものように)大ピンチ。大分での試合でメキシコに勝っても、新横浜でクロアチアが大勝すれば得失点差でひっくり返るというシビレル展開になったのだ。もし、イタリアが一次リーグで敗退すると、私の旅行プランは大幅に狂う。そこでだ、今日、私はこのゲームの当事者になった。エクアドルを応援する。

幸い、座席は座り慣れたNの7階席。しかも、目の前はエクアドルの応援団達だ。入場時にマリーシアマフラー(旧)とハチマチ、ネックストラップと交換。もう、気分は赤道直下。さぁぶちのめせ(2点差以内で)エクアドル。

試合はクロアチアがやや優勢。特にラパイッチがイタリア戦に続いて人に強いところを見せ突破で沸かせる。エクアドルはなかなか面白い。これぞ南米という妙なテンポの横パスが多い。見ていて楽しげだ。ただし縦への突破は弱く、身体を寄せられてしまうと、ほとんどボールを奪われる。しかし、エクアドル人応援団達の「ニッポン!!エクアドル!!ニッポン!!エクアドル!!」のコールの成果か、スタンド内の空気は、心なしかエクアドルびいきに傾いていく感じ。

ハーフタイムでメキシコ先制の報を受ける。まずい。落ち込んでいても仕方ないのでエクアドル応援団の中に入って記念撮影。押され気味の試合展開だがエクアドル人の表情はみな明るい。一番神経質そうな表情をして後半を心配しているのは私なんじゃないか。ここでマリーシアマフラー(新)とTシャツを交換。みんなユニフォームと交換したがっていたが、値段が違いすぎる。でも、それよりも、頼むエクアドル。

後半開始早々にエクアドルが目の前のゴールネットを揺らす。
「うぉ〜!」
あまり喜んでいたのでM君とK林さんに笑われた。いいんだ、私のために勝ってくれエクアドル。
その後のピンチを切り抜ける。終盤になるとクロアチアはいつものように運動量がガクッと落ちる。頼む、私のためにエクアドル。攻め手がないクロアチアは放り込みに入る。耐えろ、私のためにエクアドル。
そして試合は1-0のまま終わる。イタリアが2位抜け決定。見事だ。希望の2位抜けだ。1位抜けだとウルサンにいかなくちゃならなくて遠くて嫌だなぁと思っていたからだ。2位抜けならホテルからタクシーで行ける大田スタジアムからだ。
ありがとうエクアドル。帰ったらウルサンのホテルの予約はキャンセルするよ。そして、これから死ぬまで、4年ごとの南米予選ではエクアドルの勝ち抜けを祈るよ。おめでとう初出場で初勝利。

    
(左)我達はワールドカップ決勝戦のスタジアムに来たぞぉ。
(中)エクアドル美女母娘とマリーシアマフラー(旧)。
(右)エクアドル父子じゃなくて鷲尾さん親子。

    
(左)右の兄さんのTシャツと交換した。暑い国の人たちは厚着だった。
(中)コンドル、亀・・・いろいろいる。鳥男も複数発見。
(右)YOKOHAMAと書かれたマフラーと一緒に記念撮影がぷちブーム。順番待ちができた。

    
(左)チャンスになれば立ち上がる。「ニッポン!!エクアドル!!」。
(中)一次リーグ敗退。でも嬉しい初勝利が見れた。「ニッポン!!エクアドル!!」。
(右)結局、全身黄色のエクアドルファンになってしまった。かなりの人が新幹線で東京へ。