maliciaのプロフィールはこちら
マリーシアのプロフィールを紹介します。
フィナーレ
stan 6月30日

前日の3位決定戦でちょっと惚れていたトルコが勝ったことも手伝って上機嫌でホーム横浜国際スタジアムへ向かいます。東横渋谷駅でサポーターチケットなる6月30日のみ有効の小机まで区間内乗り降り自由の往復切符を購入しました。渋谷経由で横浜国際へ向かうにはとっても便利で記念にもなるのでマリノスの試合の時にも発行してほしいものです。

新横浜で降りると、決勝当日の盛り上がり振りを楽しむ為に集まった方も大勢居るのでしょう、キックオフまで大分あるのに既に大賑わいで、お祭りムードでした。

スタジアムまでの道程は細くてなかなか進まないのですが、道沿い公園でニセユニやマフラーを売っていて色んな国の方で盛り上がっていたのでそれほど苦になりませんでした。

私が行った4会場の中でスタジアムまでの導線上にこうした公園があったのは横浜と大阪の2会場なのですが、楽しい雰囲気作りに果たした効果は大きかったように思います。規制された一本道の埼玉やチケット無しではバスに乗せてくれない宮城はこうした面ではちょっと残念でした。

スタジアムに入って、まず最初に目指したのはグッズ売り場です。何故なら決勝当日限定の対戦Tシャツを買う気満々だったからです。ところがキックオフ2時間前にも関わらず、どの売り場に行っても対戦Tシャツは売り切れていました。ちょっとブルーになりながら席に着くと、ピッチに聳え立っていた富士山が萎んでいくところでした。

反対側のゴール裏に大きなブラジル国旗が広げられ、ドイツ側の席であることを認識しました。日程発表に時点でどちらがホーム側とかは決まっていたようですが今回のTSTFixチケットの場合、それまでの勝ち上がりの考慮の仕方に納得いかないものがありました。日本が負けた後、セネガル側トルコ側ドイツ側という順にだったのですが、一度観戦したチームに少なからず愛着を感じてしまう私としてはトルコ側×2→ブラジル側で観たかったです。

そうはいってもブラジルの人気は凄まじく、ドイツ側カテ3でも2階席は7割方黄色かったです。全体に黄色に白が混ざったスタンドはちょっと眩しかったです。

両チームアップを終えるとキックオフ前のセレモニーで公式ソングをアナスタシアが生で歌っていたのですが、あんまり興味が無かったので「まさかヒール履いてたりしないだろうな!」とか「腹筋が勝矢を思い起こさせる」とか言って弄ってました。

そしてヴァンゲリスのアンセムが流れて選手入場へと移ります。初めはこの新しいアンセムに違和感があったのですが、すっかり馴染んでしまいました。

更に両国国家吹奏へ移るのですが、ここで困った事態が判明しました。私の1つ前の席にドイツサポのカップルが居たのですが、1人は大きなドイツ国旗をもう1人は小旗を2本掲げて熱くなっています。どう見ても思いっきり日本人のこの2人、あまり熱くない日本人の多い2階席で国家吹奏が終わって皆が座っても、なかなか座らずはしゃいでいます。
実は見た目は日本人でもドイツ人かとも思いましたが、ドイツのコールをカタカナで「ドイツ」と言っていたので間違い無いでしょう。きっと強い思い入れがあるのだとは思うのですが、ちょっとした違和感と視界を遮られるもどかしさを禁じ得ませんでした。周りの空気に気が付いて席に着いてからもプレー中でも構わず旗を掲げたり振り回したりでかなり鬱陶しかったです。

もうちょっと席割りを工夫してくれていれば御互い気持ち良く観戦出来たように思います。そういう意味ではその広さ故に自然と住み分けの出来ているマリノスの試合は快適です。
(本当はもうちょっと入ってほしいのですが。)

さて、試合の方ですが序盤はドイツが攻勢に出ました。これは互いにカウンター狙いのチームであり、相手に攻めさせてスペースを突きたいのに決勝戦ということもあり慎重になっていてドイツの想像以上にブラジルが引いていた為、仕方なくドイツが前に出たように思います。ドイツが我慢比べに負けたといったところでしょうか。

ドイツの攻めに対して、ゲームプラン通りの展開(だと思います)にブラジルの守備陣はきっちりと対応していました。特にクレベルソンの動きが素晴らしかったように思います。

そんなドイツの攻勢に耐え、前半30分過ぎからはブラジルが攻めに転じます。特にロナウジーニョの溜めてからのスルーパスは美しかったです。何かこう、坊ちゃんを彷彿とさせるものがありました。
この展開に、はしゃいでいた日本人ドイツサポカップルも意気消沈するかと思いきや、ドイツのしょぼいミスをカーンがキャッチして事無きを得た時もなんだか嬉しそうにはしゃいでいました。一体何が嬉しいのか全く解りませんでした。

ブラジルが攻勢にでるまでの時間、連戦の疲労もあってかパスミスが多く、ゲーム展開としては生観戦したどの試合よりも詰まらないものでしたが、決勝戦だから仕方無いかと半ば諦めかけていましたがブラジルが動き出してからは楽しいものに変わりました。

攻めるブラジル・守るドイツという御約束の展開ではあるのですが、ドイツがブラジルの両サイドを警戒し、5バックにしていた為サイドを自由に使えないブラジルはクレベルソンが効果的な上がりからシュートに至るという活躍を見せたかと思えば、ドイツもカーンを中心に集中を途切れさせることなく弾き返すという攻防は、とてもスリリングで見応えのあるものでした。

後半、前半の展開の影響から中央のマークにズレが見え始めます。それまで運動量も少なく殆ど働いていなかったように見えたリバウドにボールが渡るとエゴイスティックなシュートを放ちます。これをカーンがファンブルした瞬間、詰めていたロナウドがゴールへ流し込みました。

一流のストライカーだけが持つ嗅覚と一瞬のスピードが可能にしたゴールだったと思います。これでスタジアムは一気にヒートアップします。

流れに乗ったブラジルはその後も攻め続け、クレベルソンの低く速い中央へのボールをリバウドがスルー、その先に割って入ったロナウドが2点目を叩き込み、勝利を決定付けました。1点目以降、更に運動量が減り殆ど前線中央で張っていたリバウドでしたが、1点目の時とは違いスルーした事が効果的でした。

こうなると優勝へ向けてのカウントダウンといった雰囲気です。フェリペの御決まりの交代が続きます。ロナウジーニョに代えてジュニーニョで掻き回しにかかります。2点目の後、「89分にデニウソン投入!」なんて言ってたら本当に89分にデニウソンを入れた時はちょっと面白かったです。2点差付いてて余裕の展開なのに更に時間稼ぎ要員を入れるという手堅過ぎる位手堅い交代は実にフェリペらしかったです。

まったりとした時間の経過の後、コッリーナさんの笛が響いてブラジルの5度目の優勝が決まりました。

そしてフィナーレへ。

表彰の舞台を組むのに時間が掛かって変な間は空いてから表彰式に移ります。
ドイツ代表が準優勝の表彰を受けている間もはしゃぎ続けているブラジル代表はスタッフも一緒にハート型に座ってみたりしてました。3位決定戦の時とは違い、明確に分かれた勝者と敗者のコントラストはやはり決勝ならではなのでしょう。ドイツ代表は本当に悔しそうで、2006年自国開催に雪辱を期す選手も多かったのではないでしょうか。

ブラジル代表へ優勝メダルが渡された後、いよいよワールドカップがカフーの手に渡りキスをして高く掲げると、カフーは銀色に包まれスタンドへは沢山の折り鶴が舞い降りてきました。残念ながら2階席後段まで舞い降りる折り鶴は無かったのですが、とても美しい演出でした。

ブラジル代表が場内を一周し退場していくと、雨粒が落ちてきました。
まるで試合が終わり折り鶴が舞い降りるのを待っていたかのように。

帰り道は表彰式の最後まで観客が殆ど席を立たなかったことと降り出した雨と歓喜に沸くブラジルサポーターのダンスでとても混んでいましたが、W杯の名残を惜しむには丁度良い時間でした。