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maliciaのFRANCE 98 

7/7 準決勝 ブラジル対オランダ

 試合前から想像しただけでわくわくしてしまうような,この最高のカードは港町マルセイユで行われた。マルセイユの駅についたときはブラジル人が多い かなと思ったのだが,ブイヤベースを食べに港の方へ行くといるわいるわオレ ンジ色の人々。レンタカーで来ている人が多いみたいでクラクションを鳴らし ながら走っている。中には走っている車を止めて,”オレもスタジアムまで乗 っけてってよお”といった交渉をしてる輩までいたりする。どこかのテレビ局 が取材している所ではオレンジ色の人だかりでなかなか楽しい光景だった。 

  スタジアムの席はブラジルサポーターサイドだったがオランダ純も結構混ざ っており,前の席ではでっかい体してるけど童顔のオランダ人が,刻んだ葉を 紙でくるくると巻いてお手製たばこを作り,ひっきりなしに吸っていた。 

  試合はオランダが始めからガンガン攻めるのかと思ってたら,そうでもなく てちょっとガッカリしてしまった。いいところまで持ってってもヨンクあたりがボール下げちゃったりして,何やってんのアンタ。お手製タバコのにいちゃ んもヨーンク!とか言って怒ってた。しかしこれも後で考えると,ブラジルが ラインを下げてディフェンシブにやっていたからでオランダは攻めあぐねてた んだな。ロナウドなんか普段はブラーブラーして守備なんかやりゃしないけど, 一度ボールが来ると一気にトップギアに入ってチャンスを作るから油断できな い。後半はそんな形でブラジルが先制したのでオランダもやっと攻めまくるよ うになってきた。ここでぼくはなーんでオフェルマルス入れない,とか 思ってたんだけどケガしてたのね彼。オランダーアルゼンチン戦は移動で見られなかったし,パリでは手に入る日刊スポーツなんかも読んでなかったのでそんな情報は全く知らなかったのだ。 

 クライファートの同点ゴールが決まった時はブラジル負けるかなと思ったが, ブラジルにはいつもてれんこてれんこしているロナウド君がいて,チャンスボ ールが来ると人が変わるのでどっちに転ぶか,延長戦中なんか本当にわからな かった。1つオランダらしいなと思ったのは,ホーイドンクが入った時。ぼく は彼が入った時,もうオランダは彼の頭めがけてパワープレイにでると思ったわけ。だってそうすりゃブラジルから点とるのなんて,ノルウェー戦見てれば 簡単な事だって誰でも知ってるじゃない。でもオランダはやらないんだよなー。 きちんとパスつないで組み立ててアーリークロスのハイボールあげるにしても ちゃんとピンポイントをねらって蹴ってくる。容易に勝つ道を選ぶより,自らのスタイルを貫くというオランダのサッカー美学には感心した。こうなると本 当にオフェルマルスのケガは痛かったなという気がする。 

  さて内容も白熱したこの試合,実はスタンドでも熱く燃えてる人がいたとい うより燃やしちゃった人がいた。これは同じツアーの人から聞いた話なんだけ ど,あるブラジルサポーターのおやじが手作りの気球を持ってきたらしい。気 球というのはブラジル国旗柄の直径1mくらいある手作りにしては本格的なミ ニチュアで,かれはライターで火をつけ,その熱で気球を少しずつ膨らまそう としていた。しかしスタンドは結構風が強くて,気球を膨らましてるうちに火 が気球自体に燃え移ってしまったのだ。結構でかい気球だから炎がかなり高く 舞いあがって,その周りではそりゃあえらい騒ぎだったそうだ。それはそうだ まさに火事だもん。そのブラジル人のおやじは必死になってその火を消し止め たそうだが傑作なのはその後。彼はその気球が本当に気合い入れて作ってきた 自信作だったらしく相当落ち込んでしまったのだ。まわりもはじめはこいつこんな所で火つけるからだみたいな目で見てたのだが彼があんまり沈んでいるの で”まあまあ気にするなよ”と肩をたたくしまつ。なんでラテンの人間はこう 後先考えずバカやって喜怒哀楽がはっきりしてるんだろう。見ててあきないや。  他にもpk戦で勝った時にザガロが泣いていたみたいだが,スタンドでもさ っきまで大騒ぎしてた人間がうずくまって動かないんだって。よく見るとその人はボロボロと泣いていたという。。。。大の大人が。そんな愛すべきブラジ ル人が4年後日本に来たら,暖かい目でみてあげようね。
 


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