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Korea 2003

韓国に来るのは97年の予選以来およそ7年ぶり。しかしソウルは空港もスタジアムも新しくなっており、懐かしいという印象はあまりない。仁川空港からまず大韓航空のリムジンバスに乗りソウル市内へ。ソウルプラザホテル前で降りるが、もちろんそんな高級ホテルに宿泊するわけではなく、そこからタクシーで少し町から外れたゲストハウスへ。ここは友人の趙さんがW杯の時に紹介してくれた所だ。しかしW杯の時は急遽私だけ訪韓できず、海外旅行初心者のなかむ〜さんを一人でそこへ送り込んでしまった。そんな事もあって、今回そのゲストハウスに宿泊するというのも今回の楽しみの一つであった。

タクシーの運転手も良く知らないような住宅街の坂道を登り、なんとかゲストハウスにたどりついた。そこは本当に普通の家で、2階を宿泊できるように少し改良してあるだけ。韓(ハン)さん夫妻と息子さんの3人で運営しているようだ。到着するとすぐに韓さん夫妻が出迎えてくれ、韓国の伝統的なおもてなしだと、お米の入った甘いスープを頂く。冷えていて、お米の汁粉みたいでとてもウマイ。ちょうどステイしていたアメリカ人のジェフ、イタリア人のマリアンジェラ(かわいい)と簡単に挨拶し、早速趙さんに会いに市内へと出かけた。

無事趙さんと合流し、チケットを受け取ってスタジアムへ。チケットは銀行で売り出したそうで、並んで整理券をもらい入手したとの事。普通韓国では前売り券を買うという習慣はあまりないようで、W杯効果及び日韓戦ならではの人気だろう。

”ワールドカブキョンギジョン”に着くと、もうその周りは赤いシャツを着た人でごった返していた。日本代表ユニフォームもちらほら見かけ、テレビクルーの取材陣もいる。しばらくスタジアム周辺の露店を物色し腹ごしらえ。ユニフォームやマフラーは売っていないようだ。また、コカコーラなどのスポンサーがイベントをやっていて色々と騒がしい。そこで赤いスポンジボールを配っていたので土産にと思いもらったが、コカコーラのマークと宣伝しか書いておらずがっかりする。サッカーの試合で配るんだからBe the Redsくらい書けよなぁ。

一通り物色が済んだので、次は写真撮影とマフラー交換だ。まずはマリノスの青いユニフォームに着替え、そしてマリーシアマフラーも何枚か準備する。すると青いシャツの効果は抜群で、写真撮りましょうと韓国サポーターが次々寄って来る。マリノスのユニフォームだと知っている人も多い。レッドデビルズの”COREA”マフラーはあっさり交換できた。また水原三星な連中を発見したので、こちらからアプローチ。ある女の子は写真撮影後にブルーウィングスのピンバッチをくれた。嬉しかったのでお礼にマリノスクラブの携帯ストラップをあげる、ファンクラブ限定だぞう。また97年に交換したブルーウィングス・マフラーとは別タイプのマフラーを発見。これは何とか交換せねば、と交渉したらあっさりOKが出た。聞いてみるとそのマフラーは水原のショップで買えるらしい。明日水原には行く予定だが、入手できる保証はないため喜んでマリーシアマフラーと交換した。

 

 

 

スタジアムへは手荷物検査などなしで入場。プログラムの類は例によって売っていない。座席は韓国サイドのコーナー付近、一番上の段だ。ピッチから遠いが傾斜が急で見やすい。やはり専用競技場は最高だ。現地で取ったチケットのため、周りはもちろん赤いシャツだらけで、日本サポーターは反対側である。遠いから彼らの応援は韓国サポーターの声でかき消されてしまう。

選手入場の後、大統領のスピーチがあった。趙さんによるとリップサービスで日本を持ち上げているとのこと。しかし最後は韓国チーム激励の言葉で締めくくったようで、スタジアム内が大歓声に包まれる。そして国歌斉唱。もう若い人は君が代がどうのという人はほとんどいないようで、皆静かに聞いている。しかし韓国国歌は大きな声で歌う人が多かった。国際試合というのは国歌を歌うことで、観衆のナショナリズムを刺激し、より一層の盛り上がりを見せるものである。いい雰囲気になってきた。
 


試合開始直後は韓国に硬さが見られ、日本が中盤を支配する。韓国サポーターも押されぎみの展開におとなしい。しかし、イ・チョンスの決定的なボレーがポストに当たって外れたあたりから、韓国のペースとなり応援もだんだん盛り上がっていく。韓国の人は喜怒哀楽がはっきりしており、前の座席の人なんか、シュートが惜しくも外れた時などのオーバーアクションが楽しい。特に後半、ユ・サンチョルのコーナーからのヘッドはサイドネットをゆすり、ゴールしたと勘違いした人が多かった。もう、やった〜、ゴーーーールって大喜びしちゃって、全然入ってないっつーのに落ち着けよみんな(笑)。しかし今回アウェー席で感じたことは、観戦に来ている若い人たちのサッカー理解度や反応は日本も韓国もほとんど同じだということ。ただ単に国が違うだけである。ゴールかと思ったらオフサイドだったという時や、ペナルティーエリアでの微妙な接触プレーなどの反応などホントに同じ。どの国行ってもサッカーはサッカーだから当たり前だけど、それで韓国という国が一段と身近に感じられたのも確かだ。

試合はロスタイムの永井のゴールにより日本が勝利。ふわりと浮かんだボールがネットに吸い込まれた瞬間、周りはシーンとなり、悲鳴のような声も聞こえた。反対のゴール裏はもちろん大騒ぎだが、こちらまでその歓声はあまり聞こえずお通夜のよう。私自身は引き分けで良しと思っていたし、気の抜けるようなゴールだったから何だか申し訳ない気分である。もう昔ほど日本代表に入れ込んでないとはいえ、もし負けたら悔しいだろうなあと想像していたが、勝って複雑な感情を抱くとは自分でも思っていなかった。

試合後はスタジアムから10分の所に住んでいる朴さん夫妻とも合流。地元の人ならではといった川沿いの道を通ってレストランへ行った。道中朴さんは、今日の韓国は個人技に頼るばかりで何年か前の韓国に戻ってしまった、と言って残念そうであった。レストランではカムジャタンという、骨付きの豚肉とジャガイモ、野菜などを煮込んだ鍋を食べた。日本の雑誌でも紹介されたらしく、日本語記事のコピーが飾ってあったが、店にいるのは赤いシャツの人たちばかり。ここは韓国のテレビでも紹介されたことがあるらしい。このカムジャタンだが、骨付きの豚肉がものすごく旨い。しかし唐辛子が辛い、辛いけど旨い。趙さんにはこんなの辛いうちに入らない「ゼンゼンカラクナイー」と言われてしまったが、一般的な日本人にとってはかなり辛い方だろう。最後ご飯を入れてチャーハンのようにしてくれ、それもとてもうまかった。帰り際、朴さんのかみさんにマリーシアマフラーが欲しい!とせがまれたのでタダであげてしまった。朴さんにメシを奢ってもらったお礼にというのは嘘で、単に美人に弱いだけです、ハイ(笑)。しかし彼女のマフラー写真を撮り忘れてしまった。むむ、一生の不覚。


寺山功