| malicia witness 2階の目線2007 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 07-08シーズン 3月31日 サンフレッチェ広島 ビッグアーチ 常に前向きであることは難しい。チームの歯車が狂い始めると、原因を監督に求め、フロントに求め、選手に求め、そしてサポーター自身に求める。何のためにここにいるのか、何ができるのか、存在意義を自問自答する。簡単に見限れるなら悩むことはない。思い入れが深いほど悩む。そんなときは難しく考えず、とにかくスタジアムに行く。それしかない。 下馬評は広島有利。昨年の0-3での惨敗も記憶に新しい。そんなことは百も承知。行くからには勝利を期待する。しかし、勝利を期待することと現状認識は別だ。厳しい試合になる。先日の日本平で垣間見えた光明が本物であることを信じて広島に乗り込む。 ビジター席の電光掲示板下に陣取ると、隣に広島サポーターの親子連れが座った。我々同様に少しでも雨を避けようというのはわかるのだが、なぜビジター席に。「いいんですか?」と聞くと、「いいですよ」と言う。……。 前半9分、簡単に崩されてウェズレイのJ1通算100得点を許す。しかし、そのわずか1分後。隼磨が素早くゴール前に上げたボールを大島がヘッドで押し込む。あまりに簡単に失点し、あまりに簡単に同点。一瞬ぽかんとした後、「ゴールだよね? ゴールだよね?」と確認し合う。ビジター席からはクロスに合わせたように見えたが、映像で確認するとかなり後方からのボールだった。試合終盤のパワープレイで決まったためしのない形が、こんなところで決まるとは。 さあこれでリセットされた。ところが、この後は広島の攻撃に防戦一方になる。サイドチェンジを効果的に使う広島の攻撃に、左右に揺さぶられる横浜。佐藤寿人は常に危険な位置に飛び込んでくる。横浜はわずかな攻撃機会に狭いエリアで繋ごうとし、高い位置でボールを奪われる。それでも、不器用ながら最後の最後でしのぎ、前半は1-1で折り返した。 後半から吉田が下がり、狩野が入る。前半の広島の猛攻をしのいだ立役者の一人は吉田だ。リズムを変えるというより吉田の疲労を考慮したのだろう。極めて合理的な選手交替だ。ここでリズムを変える間もなく後半1分に逆転弾が生まれる。坂田が一旦弾かれたシュートのこぼれ球を功治に送り、冷静に決めた。さらに5分後には、狩野のふわっとしたクロスに大島が辛うじてヘッドで当てたボールがゴール左に転がった。瞬く間に1-3。何ということだろう。ここまでリーグ3試合で挙げた2点を、1試合で上回ってしまった。 押している時間帯に得点できず、逆にやられる。横浜が何度も経験したことだ。後半序盤の立て続けの失点で、広島は前半とは違うチームになっていた。2点リードした横浜はようやく効果的な攻撃を見せるようになる。まだぎこちないながらもサイドチェンジを織り交ぜる。坂田は今日も切れている。大島も懸命に追う。裕介が、隼磨がサイドを積極的に駆け上がる。幸宏はナビスコ清水戦同様にいい形で攻撃に絡む。入団5年目にして遂にブレイクか。 この日は選手もサポーターも貪欲だった。2点リードを守り切ろうとは思っていない。36分には2得点の大島に替えてマイクを投入。マイクにボールが渡る度に声援が飛ぶ。これでマイクのリーグ初ゴールが生まれれば完璧だ。42分には坂田に替えて乾投入。そう、これが正しい若手の使い方だ。どうしても1点がほしい悲壮感漂う局面で使うのがそもそも間違いなのだ。4点目を奪うことはできなかったが、1-3となった後の残り時間は充実していた。選手もサポーターも忘れていたサッカーの楽しさを思い出すのに十分だった。 広島サポーターの親子連れが静かに席を立って間もなく、試合終了の笛が鳴る。挨拶に向かう選手の足取りも軽い。選手とサポーターの幸せな関係が、そこにはあった。対照的に、ウェズレイの先制点で楽勝を予感したはずの広島サポーターは大ブーイングで迎える。 大島の失点直後の同点弾がなければ、あるいは前半に勝ち越されていたら、結果は逆だったかもしれない。後半も危ない場面や不用意なファールはあった。楽観は禁物だ。とはいえ、この勝ち点3は大きい。今はいいイメージを継続させることが大事。 サッカーの怖さ、難しさ、醍醐味が凝縮された90分だった。勝って喜ぶのも、負けて落胆するのも、スタジアムにいるからこその特権なんだ。下馬評がどうあれ、勝負はやってみなければわからない。だから、行ける人はスタジアムへ行こう。 用意してきたポンチョの世話になることはなかったが、試合終了を待つかのように雨が降り出した。天までも横浜に味方してくれたようだ。たまにはこんな日があってもいいだろう。 今日のポイント ● 前半をよく耐えた。 ●799点目と801点目を決め、チーム通算800点を逃した大島。 ●山瀬兄弟、森崎兄弟との兄弟対決に完勝。 ●不用意なファールの多さは気になる。 ●結局水沼路線に回帰。 今日の査定
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