| malicia witness 2階の目線2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 07-08シーズン 5月6日 鹿島アントラーズ 鹿島国立スタジアム ホームとアウエーの違い、豪雨のコンディション、連戦の疲れ・・・原因が何かは明確には分からない。慎重にプレーをしただけなのかもしれない。前半開始直後、そして後半開始直後、ここ最近には見ることのなかった、出足の遅いトリコロールがフィールド上にいた。 「もっと行かなきゃダメだ!!」 叫んでみるが、声は届くことはなく、鹿島の細かく素早いパス回しや、最終ラインからの眺めのボールにペースを乱されていく。すっかり安定している栗原と中沢のセンターバックは、ほぼ危なげなく鹿島のボールを跳ね返していくが、そもそも、これほどにセンターバックが悪い体勢でボールを跳ね返すこと自体が、トリコロールのゲームではないことを物語っている。 けっして恵まれた戦力ではない鹿島(しかも11番は何も貢献していない)だが、トリコロールのプレッシング(プレッシャーではない)をするりするりとかわして、豪雨のフィールド上にボールを動かす。スタンドから見ていれば、もっと勢い良く走り込んで、躊躇なく前線からプレッシャーをかけていけば良いのに・・・と、思えるが、おそらく、フィールド上の感覚は違うのだろう。ベンチ前では大声とアクションで早野監督が「前へ!前へ!」と促している。 そんな中で生まれたゴールは、吉田の切り返しの時点で70%信じられていた。飛び跳ねて、仲間に飛びつき、前の列の椅子で脛を想いっきり打ち付ける。鹿島でのゴールに流血はつきものだ。 屋根がある場所には観客はほとんどおらず、豪雨の中で声を枯らして応援してる不思議な光景。到着時は、まだ普通の雨であったが、試合開始前には反対側のゴール裏はかすみ、斜面には水が流れた。とてもワールドカップを開催したとは思えない、1階は後部3列にしか屋根がない欠陥スタジアムで、ずぶぬれになっている様は、理解できない光景に映る人も多いだろう。だが、そんな人を納得させる理由はない。ただ、ここが鹿島国であり、そこにトリコロールのユニフォームの選手たちが立っているから、豪雨であろうと立って応援している、それだけの理由以外に説明のしようがない。 ほんの少し、鹿島国の伝統のラフプレーと審判への抗議、そしてタッチライン際で囲み込んでボールを後ろに下げさせる守備を披露する鹿島アントラーズ。憎たらしいほどの悪役は曽ヶ端と岩政くらいしかいなくなってしまった。今回の外国人選手も、「チキン」と他チームのサポーターから陰口を叩かれ、ラフプレーを嫌う伝統のサンパウロから招聘している。 得点には、正直ホッとした。 立ち上がりの消極的な守備からして、この試合が難しいものになることは見えていた。だから、あの強引なシュートに、いつも以上に熱狂をしたに違いない。そして、失点は必然だった。後半の立ち上がりは、試合開始直後と同様に、主導権を鹿島国に明け渡していた。鹿島国は、それを逃さずに突いてきたのだ。 「取り返せ!!」 「このまま終わるな!!」 声援は一段と熱を帯びる。試合も激しさを増す。 誰もが期待したのは鈴木のゴールだったはずだ。 「今日のベストは、鈴木のへなちょこシュートを止めようとした曽ヶ端と岩政が交錯して、ボールが当たって、転々とゴールに転がり込んでいく自殺点だね。」 鹿島国へのプレゼントには、長年の恨みを晴らすほどにダメージを与えるゴールこそが、ふさわしい。しかし、フリーの体勢から鈴木が放ったシュートは力ない弾道で、大きく枠を外れて飛んできた。 「勝てた試合だなぁ。」 「よく頑張ったよ。可もなく不可もなくって試合だって。」 「負けなくて良かったよ。」 この試合を巡る評価は人それぞれ。ただ、試合後の選手は、私たちが想像している以上に悔しそうに見える。 私たちはバスで、未だ止まない豪雨の中を帰っていく。湖の国境を越え、東京都内に戻ってくる頃には、すっかり雨は止んでいた。 「じゃぁ、また水曜日ね。」 いつも行動を供にする仲間と別れて帰路につく。この時間になれば、悔しい想いは選手たちだけがしていれば良い。私たちは個々に帰りに電車に乗りながら、ただ、次のゲームを楽しみにしてる。 今日のポイント ● 小さなトラップミスがシュートチャンスをなくす。 ●エルゴラッソは「いつもより良かった」と評価した 脅威のダメ外人ダニーロ。 ●試合の流れに取り残された狩野。 ●試合のたびに進歩を見せる大島のポスト。 ●もっとシュートが撃てたはず。 今日の査定
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