| malicia witness 2階の目線2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 07-08シーズン 6月30日 大分トリニータ 九州石油スタジアム ちょうど2年前、大分スタジアムに胸スポンサーに決まったマルハンの会長と社長が駆けつけ、大分サポーターの喝采を浴びていた。マルハンは胸スポンサー継続に意欲を示していたものの、Jリーグが認めなかったため、大分は再び胸スポンサーなしの憂き目に遭っている。消費者金融やパチンコ機メーカーは許されるのに、パチンコホールはなぜだめなのか。 それでも、マルハンはスペシャルスポンサーという形でサポートを継続しているらしい。九州石油ドームと名を変えた同じ場所で、マルハンの会長が挨拶した。「現在チーム状況は苦しいです」とストレートに訴えた後目標を述べる。 「目標は8位です」 さすがにサポーターの前で目標を「残留」とは言えないし、「上位進出」というのも現実味がない。何とまあサポーターに配慮しつつ現実を見据えた目標だろうか。しかし、試合が始まるとその目標はあまりにも険しく思えた。 横浜の先発メンバーは、大島以外は大宮戦と同じ。松田の先発復帰後はG大阪戦、大宮戦と完封が続いている。守備は安定した。しかし点も取れない。大宮戦は全体に足が重く、特に功治の蓄積疲労による切れのなさが際立っていた。 点が取れない要因の一つとして、セットプレーを活かせていないことが挙げられる。かつては「セットプレーでしか点が取れない」と揶揄されたほどの得点源だったのだ。空中戦に強い選手を揃えながらなぜだ。答えは簡単、相手守備陣と競る以前にいいボールが上がらないから。功治の蓄積疲労は、セットプレーのキックの精度にも影響していた。 この日はセットプレーのキッカーを功治と幸宏で分担していた。そして引き気味の大分を攻めあぐねる中、先制点はセットプレーからもたらされたのだった。35分、功治のCKからネットを揺らす。今季CKからのゴールは記憶にない。ビジター席からはよくわからなかったが、映像で確認するとニアポストの大島がヘッドで流して河合がボレーで決めていた。FW陣に見習ってほしいゴール。河合の攻守にわたる貢献には頭が下がる。 一方の大分。序盤こそ攻め込んだが前半は横浜ゴールを脅かしたシーンは皆無。広島から移籍の前田俊介、セルジーニョというツートップだが、このブラジル人FWがまったくの見かけ倒しではないか。どこがシャムスカの眼鏡にかなったのだろう。前田についても、セットプレーのキッカーをさせるなど起用法に疑問が残る。中盤に関しては、U-20日本代表の梅崎や、怪我らしく控えに回った根本らを欠いた影響はあったとは思う。しかし、それを差し引いてもシャムスカマジックは賞味期限切れかと思わせる内容だ。 後半、さすがに大分が動く。やはり怪我らしい高松と松橋を投入し、ツートップを入れ替える。これで明らかに流れが変わった。高松というターゲットを得て、大分の攻撃に前半にはないリズムが生まれた。松橋の機動力も生きる。前半の横浜が大島と坂田のコンビでペースを作ったように。立て続けにFKを与え、押し込まれる展開が続く。このくらいできるなら、シャムスカはなぜ先発させなかったのだろう。 松田・中澤のセンター2枚は磐石とはいえ、1点のリードでは何があるかわからない。待望の追加点はまたセットプレーから。後半23分、今度は幸宏のCKをファーポストの中澤がヘッドで合わせる。枠に飛んでいるがそれほど勢いがなく、大分の守備陣が楽に触れるタイミングに思われた。しかし、ボールはそのままゴールに吸い込まれていった。最後に誰かに触れたように見えたが、映像で確認すると河合の動きがGKの死角になったらしい。意図的にスルーしたのかはわからないが、またしても点に絡む河合。 いつ以来か思い出せない、セットプレーからの2得点。功治と幸宏が終始いいボールを上げ続けたから生まれた得点なのは言うまでもない。そしていいボールが上がったのは、一週間開いたことで功治と幸宏の切れが戻ったからに他ならない。もちろん二人だけではない。久しぶりにセットプレーから得点できたことで吹っ切れたのだろう、横浜は全員の動きが軽い。ここ数年、セットプレーといえば決められる側だった横浜。どれだけダメージを受けるかは身をもって知っている。 2点のリードで余裕ができた横浜は、後半33分に坂田に替えて陽介を投入する。横浜がようやく最初のカードを切った後の35分、大分が切った最後のカードは山崎。しかし、杓子定規にブーイングすればいいってもんじゃないだろう。大分サポーターがかつてシャムスカマジックの中核を担った吉田に浴びせたブーイングとはわけが違う。 3点目は功治の復調を象徴するファインゴールだった。後半38分、隼磨からのクロスを受けて放ったシュートは一旦GKに弾かれるが、リバウンドを受けると今度は豪快に突き刺した。これも映像で確認できたことだが、功治は左足から右足へ素早く持ち変えていた。功治ならではの、横浜では誰にも真似できない一発で勝負は決まった。追い討ちをかけるように跳ね返ったボールを蹴り込んだ陽介はいい性格をしている。ゴールへの強い意欲…と思うことにする。 まだ交替枠を残している横浜が、この後どうしたか。後半40分、吉田に替えて狩野。ここまではいい。後半41分、故障上がりの大島に替えて…勇蔵??? 早野監督は中澤不在のナビスコに向けて走らせておきたかったとコメントしたらしいが、大分にしてみれば屈辱以外の何物でもない。しかもそこそこポストとして機能していたのだから。ネタとしては最高だが、さすがに礼を欠いているように感じた。幸か不幸か勇蔵が4点目などというオチはなく、タイムアップ。 アウェイでの勝利は格別だが、何よりセットプレーから得点できたことを喜んでいるサポーターは多いだろう。この後は大事な大事なナビスコが控える。セットプレーはもちろん、すべてに磨きをかけてほしい。横浜はもっとできる。そして8.11を迎えるのだ。 後半の序盤こそペースを握ったものの、大分の状況は深刻だ。試合後、最後までコールを続けた大分サポーターは抗議の居残りをしたという。17位で中断を迎え、現実的な目標は「残留」になる。あのシャムスカが何も考えていないとは思えない。2年前、皇甫官の後を受け見事に大分を立て直した。ホームで0-3と大敗した衝撃は忘れていない。合計8点も奪っておいて言うのもなんだが、是非とも残留してほしい。 と、城下かれいや関あじに舌鼓を打ちながら思ったのだった。 今日のポイント ●累積警告リーチの功治と河合がもらわずに済んだ ●セットプレーはボールの精度で決まる ●土地柄か、それほどでもなかった吉田へのブーイング ●さすがに余裕がないのか、横断幕への返事はなし 今日の査定
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