malicia witness 2階の目線2007
J1リーグ 07-08シーズン

8月11日 偽横浜  日産スタジアム

やっとすっきりした。
歯牙にも掛けていなかった相手が因縁を付けてきたかと思えば薄汚いプレーで勝利を盗まれてからこの5ヶ月余りの間、なんと鬱陶しかった事だろう。

三ツ沢での対戦では両チームサポーターの境目をバックスタンド真ん中に引かれたせいでトリコロール側が混雑する一方で偽の方はゆったり観戦出来る状態だったにも関わらず水色に染まった三ツ沢などと表現するメディアもあった。Jリーグを盛り上げようとしてくれるのはありがたい。だが、そこに嘘や虚飾があっては長続きなどしないものだ。

それでも、結果は出てしまった。惜しいシーンは何度もあった。相手の汚いプレーと偶然が重なっての敗戦という見方も出来るかもしれない。何処かに油断は無かったか。何かが足りなかったのではないか。絶対に勝つ、という強い気持ち。

サッカーは番狂わせの多いスポーツだ。弱いチームでも相手にちょっとした油断があれば戦前の予想を覆す結果を出す事がある。

だが、負けてはいけない相手というものがある。

トリコロールのサポーター達は充分それを認識していた。三ツ沢での屈辱的な敗戦の後、チームも漸く事の重大さに気付いたかのように本気で準備を進めてきてくれた。

最後のダービー。

正に退路を断って臨んだリベンジマッチ。日産スタジアムは美しいトリコロールに染まった。

キックオフとともに攻勢に出る。

開始早々の大島のヘッドは惜しくも枠を外れると、ボールを支配するもののマルケスが空回りしてて小宮山が窮屈そうにしているのが閉塞感を抱かせる。マルケスはこの試合の重要性がよく分かっているからこそ自分が決めたいという気持ちが先走ってしまったのだろうか。シュートは枠に飛ばずイエローまでもらってしまった。だが元来FWの選手だけに責める気にはなれない。

次第に慎重になり過ぎたのか、相手に合わせたような展開になる。

そんな膠着状態を救ってくれたのが相手のGKだったというのは皮肉なものだ。

有り得ないファンブル。まるで体育の授業のサッカーで下手な子がやらされたGKのようだった。

そのファンブルを見逃さず体を捻りながらもきっちりとゴールに流し込んだ大島。ごっつあんゴールなどという表現もあるが、其処に居て決める事が重要なのだ。

この1点は大きかった。何よりも撃てばどんどん入るんじゃないかという期待感を大いに抱かせてくれた。

だが、まだトータルで1-1のタイになったに過ぎない。この試合には大量得点での勝利が必要なのだ。

もっとゴールを。

嵩にかかって攻め続けるのかと思いきや、ちょっと一回落ち着こうかとばかりにペースダウン。まだ暑さの残る前半での消耗を嫌ったのかもしれないが、ゆっくりとしたパス回しは時折相手の危険なプレーを誘発していたようにも思う。

真夏のゲームプランとしては決して悪くはないのだろうが、獲れる時には獲るという意識がこの試合では重要だ。前半体力を温存して後半勝負等と考えていたらまた事故にあってしまうかもしれない。

等と思っていたら本当の事故が起きてしまった。オフサイド崩れのボールを追う隼磨に相手FWが突っ込んで交錯したように見えた。当然ファールは無い。だが相手FWが立ち上がらない。前半も残り僅かで時間稼ぎなのかと一瞬思ったが、担架に乗せるのに時間が掛かっている。これは頭を打ってしまったのかもしれない。担架に乗せられて運ばれていったのでルーカスの時のような心配は要らないようだがベンチまで連れて行かれたのでどうやら交代だろう。哲也に突っ込んで行ってた辺りから危険な事をする選手だと思っていたが怪我をしてピッチを去る選手が出るのは嫌なものだ。

なんだかブルーな気分でハーフタイム、と思いきや坂田が重い空気を一掃してくれた。ロスタイムにコースを狙った股抜きシュートが決まり、2点差で前半を終える。

ハーフタイム、マルケスの所を何とかしないと等と考えていたら後半山瀬弟に交代。イエローを貰っていた事も考慮したのか勝ってる時の采配はまともだ。

そしてこの交代で前半窮屈そうにしていた小宮山が躍動する。

左サイド深い位置からマイナスのクロスがピタリと山瀬兄に合う。そして相手GKの届かない位置へ冷静に流し込む山瀬兄。

ゴール。これで勝敗は決した。

それでも貪欲にゴールを求めるトリコロール。

小宮山に負けじと積極的な突破から放たれた隼磨のミドルが惜しくもクロスバーを叩いたかと思うと坂田から山瀬弟へ渡る。そしてダイレクトシュートはプレースキックのような精度でゴール左隅に突き刺さった。なんというスキルフルで美しいゴール。積極的で諦めない姿勢が紡いだゴールに至る過程がまた素晴らしい。

5分と経たない内に今度は小宮山がミドルを放つ。相手GKの守備範囲だったが、シュートの威力がキャッチする事を許さない。弾いたボールは大島の目の前に。簡単に決めてみせる大島。だがやはり其処に居る事が大事なのだ。素晴らしいポジショニング。こういうのをゴールへの嗅覚と云うのだろう。

5-0

まだ後半は半分も残っている。もっと獲れる。もっとゴールを。振り返ればこれまでトリコロールは大量得点とは縁遠いチームだった。

伝統といっても良い守備の美学。守備を楽しむ事の出来るサポーターの質と量では恐らく他チームを圧倒しているだろう。それは今も重要なアイデンティティを形成している。リアリズムによる連覇もあった。だが、それらは得てして相手チームを蹂躙するような得点力とは相反しがちで去年までトリコロールの試合では所謂大勝と呼べるものは少なかった。

だが、ゴールはやっぱり気持ち良い。それもこの相手なら尚更だ。

獲れるだけ獲ってくれ。

そんな気持ちを見透かしたかのように二人目の交代は松田から栗原。連戦を見越しながらも乗ってきた攻撃陣には手を加えない。栗原の試合勘も維持しておきたい。それもこの点差から来る余裕のなせる業だのだが、やっぱり勝っている時はまともだ。

300試合出場セレモニーのあった松田をもっと見たい気もしたがこの展開に至っては出番もあまり無いだろう。チームを鼓舞する姿、圧倒的な存在感。失点する気がしなかった。三ツ沢での対戦時に居てくれたならきっと、と思わずにはいられなかった。

そして3人目は累積リーチの続いている河合から上野。これもまともな采配だ。流石に上野で落ち着かせにかかったかと思っていたらそんな事は無かった。

隼磨がスルスルっと持ち上がって大島に預けてパス&ゴーからシュート、ではなく大島が素晴らしい反転から電光石火のシュートを放ちハットトリックを達成した。

相手DFを引き付けた隼磨の動きと大島の反応速度、判断力、シュート精度。なんと美しいゴール。

6-0

この点差の試合なら今年見た事がある。あの時は相手にアンラッキーな面もあってある程度偶発的な部分もあった。このまま終わったらなんだかあの時の相手が比較対象になって可哀想だ。万人に有無を言わせぬ結果とするにはまだ足りない。まだ15分も残っているし、何より入りそうな空気が充満している。

もっとゴールを。

そんな空気を察したかのようにすぐさま坂田の踏ん張りから山瀬兄へ渡り、またしても相手GKの届かない位置へ流し込んだ。

7-0

素晴らしい。もう充分だ。完膚なきまでに結果を出してくれた。ありがとう。

…んー、でもまだ時間残ってるな。Jリーグ記録って9-1だか8-0だった気がする。なんだか狙えそうだなぁ。でもどっちかっていうなら8-0の方がいいなぁ。確か連続のチーム記録がかかってたはずだし、0で抑える方がやっぱり気持ち良い。

好事魔多し。

そんな皮算用が伝播したわけでもないだろうが、ちょっとした油断から失点。なんだかまた狡すっからいプレーが挟まってた気もするが、まぁいい。なかなか全てが上手くはいかないものだ。

このまま終わっても何の問題も無い。でもまだ時間もあるし、最後はトリコロールのゴールで締めてもらいたいな。

贅沢な思いは叶った。隼磨のクロスが美しい弧を描いて大島に届いたかと思うと叩き付けるボレーによってボールはネットに吸い込まれていった。大島4得点の大爆発。

8-1でゲームは幕を閉じた。

8点か。トリコロールがこんなに容赦なくゴールをあげるなんて思ってもみなかった。1点失ったのも気にならない完璧な点差、圧倒的な勝利。全てのトリコロールを愛する者が求めていた理想的な結果を見事に出してくれた。

お蔭でやっと煩わしさから開放された。面倒臭いので出来ればもう絡んでこないでいただきたい。


今日のポイント

●強い気持ち

●大入り
●アウェイ側があの範囲に納まるのもある意味すごい
●スッキリ


今日の査定

stan

満足などしてはいけない。 どんな試合でも反省すべき点はあるものだ。直ぐに次の試合が待っている。 …でも、ありがとう。

暑っ!

-100

大入り

500

松田300試合達成記念

300

両SB

2000

坂田1スッキリ

1000

山瀬弟1スッキリ

1000

山瀬兄2スッキリ

2000
大島4スッキリ
4000
勝ってる時はまともな采配
500
ちょっと流し過ぎだった吉田主審
-100
この試合での勝ち点3
3000
14100

なかむ〜

結果・内容・応援・スタジアムの雰囲気、「すべてにおいて圧倒する」(by小宮山)を実践できたことは大きい。ただ、試合そのものは前半で終わり。後半、ピッチ上にいたのは1チーム、本物の横浜だけだった。

基本給

1000

SS奢ってみた          

1000

すべてにおいて圧倒

1000

大島ハット+1

1000

山瀬兄弟競演          

1000

坂田の狙い済ましたゴール

1000

こういう試合には松田

500
河合・吉田の地味な貢献
500
創り出した最高の雰囲気     
500
はしょりたかったリプレイ    
500
逃げずに最後まで居た偽サポ   
110
勝利の美酒 Priceless
8110

三沢まりの

言葉にできない快感。金額に換算できない感動。

ダービーの勝利

3000

ダービーで8ゴール

8000

fcのラフプレー  

-1000

余計な失点

-700

サポーターの応援と演出

3000

市長にブーイング

2500
14800

白火

3月の敗戦の際に散々聞かされた言葉「結果がすべて」。その言葉の意味を、ここまで形にして見せ付けてくれたトリコロール戦士たちを誇りに思う。この勝利は、トリコロールに携わるすべてのものの勝利だ。

すべてが美しかった雰囲気・展開・得点

8000

偽の最後の支えを完膚なきまでに打ち砕いた

100

偽への餞別の一失点(無ければなお良かった

10
8110








トリコロールランサーズお出迎えによる入場。


フットボールの世界では、弱者は努力をしなければならない。力がなければ、下のカテゴリーから出直せば良い。


文字のサイズを小さくして、なんとか収めたスコアーボード。スタッフは焦っていただろう。


試合後に目撃をされた偽サポーター。背中には「送別会」と書いてある。すでに自覚していたのだ。


たまごクラブ事件について
開門前の入場列に偽横浜サポーター集団側からビール缶と生卵が投げ込まれた。これについては、多くの目撃者がおり、地面に散乱した生卵の写真や防護柵に押し掛けてトリコロールサポーターを挑発する偽横浜サポーターの写真も存在している。その一部は、クラブに提出済みだ。当然のこと警備会社からも報告はクラブに上がっているであろうし、リーグにも報告済みであると考えるのが常識的だ。ところが、偽横浜クラブからのリリースでは「証拠資料の提供を依頼する」ということになっている。ダービーマッチは激しく争うモノだが、両クラブは円滑に興行を執り行う義務がある。そして、この責任はホームチームが100%を負うのではない。アウエーチーム側も運営スタッフや警備スタッフをスタジアム内に配置して、円滑な運営をサポートすることはJリーグのルールとなっている。そこに、犯人が「サポーターであるか」の「証拠」を求めるということは、いささか素人じみた責任回避の意図が見え隠れする。再発防止への強い意志が見えないのだ。「超法規的措置」で立ち上がり、さらには経営権を実質譲渡し、初めてJ1に昇格した「急ぎ過ぎたクラブ」だからなのか、同じリーグのクラブ組織として日本サッカーの共同体意識が欠けている思わざるを得ない。

同日ハマトラ掲載原稿
Jリーグ開幕の年、1993年6月12日。三ツ沢球技場ではトリコロールがフリューゲルスとの一戦を迎えようとしていた。Jリーグ初のダービーマッチだ。対戦相手の横浜フリューゲルスは、日本リーグの全日空を母体としていた。しかし、トリコロールに本拠地横浜を押さえられ、Jリーグ入りへのウルトラCとして、当時は九州地方にJクラブがなかったこともあり、長崎県、熊本県、鹿児島県を「特別活動地域」としてホームゲームの一部を九州で開催することと引き換えにJリーグ入りを果たしたチームだった。この試合の前にテレビ局のインタビュアーが永野君(マリーシア:当時のゴール裏コールリーダー)に質問した。「初のダービーマッチの意気込みは?」彼は答えた。「ダービーマッチ?奴ら、九州のチームでしょ。」このインタビューはお蔵入りしオンエアされることはなかった。この試合はゴール裏ではダービーマッチとして認められてはいなかった。
Jリーグ開幕の前年、1992年10月11日。平塚陸上競技場でナビスコカップ予選最終節が行なわれた。ここまで1勝7敗でダントツの最下位のフリューゲルスに対して4位で臨んだトリコロール。誰もが勝利を確信していた。スタンドもトリコロールで一杯。薄い青のフラッグを探すことは難しかった。しかし「前半5点だマリノス」という私が始めたコールがスタンド全体に油断を呼び込んでしまったのか、伝統のへたれ試合を披露したトリコロールは延長戦でアルフレッドの一発に沈む(それ以来、「前半5点」はスタジアムの禁句となっている)。シュートを決めたアルフレッドがフェンスを乗り越えてバックスタンドに飛び込むと、スタンドの数カ所から、それまでどこに隠れていたのかニョキニョキと小さなフラッグが現れて、小刻みに振られた。当時から、薄い青いフラッグは、ひと前でおおっぴらには振ることが許されない代物だったのだ。
最も怒り狂ったダービーマッチは1993年7月10日に0−1で敗れた試合だ。失ったゴールは、当時は無名の前園によるもの。前園は無名すぎて試合前の選手紹介では写真が掲示板に表示されず、代わりにキャラクターの「とび丸」の写真が表示されていたのだ。試合後にゴール裏サポーターは「とび丸にやられるなんて」と大いに悔しがった。
そういえば三ツ沢のスタンド半分を初めてトリコロールのペーパーで染めたのも1994年のダービーマッチだった。ダービーマッチは、多くのサポーターに熱き想いと心の傷を刻み込んできた。ここまで紹介したエピソードは、全て、もう10年〜15年も前のことだ。それが、昨日のことのように思い出せるのがダービーマッチ。相手は偽の横浜「偽横浜」だろうと、ダービーマッチは激しく燃えて、100年先まで語り継がれる試合であるべきだ。
        石井和裕
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