| malicia witness 2階の目線2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 07-08シーズン 10月20日 清水エスパルス 日産スタジアム 試合開始前に、他会場の結果で偽横浜の降格が決まった。トリコロールは勝てない試合が続くが、この朗報を聞き楽しいムードがスタンドを包む。そこで、新しい課題を村ちゃんがピックアップした。 「このまま行くと、偽が最終節で浦和戦を残してるんですよ。これって、下手すると7万人近く来ちゃうんじゃないですか。」 「それ、やばいんじゃないの。日産スタジアムの最多観客数記録が、うちじゃなくて偽になるってのは、ちょっと気分が悪くないか。」 「消化試合になれば、ACLもあるし、そんなに来ないとは思うけど。」 「浦和が優勝するのは嫌だなぁ。」 「でも、浦和が優勝をするのは、まぁ、しかたないっていえばしかたないけどね。ちょっと気分がなぁ。」 「これって、究極の選択だよね。」 「俺は、浦和の優勝しょうがないって納得できるけれど、最多観客数記録を偽が残すってのは納得できない。」 「だったら浦和を応援するか。」 延々と議論は続く。 一部メディアでは那須と河合のダブルボランチを予想した記事もあったが、早野監督が選んだのは、いつもの布陣だった。ただし、前線からの守備に穴を作ってしまったマルケスを外し、代表での疲労がある中沢もベンチ入りしなかった。まさに、カップ戦敗退で落ちたチームの状態を元の良かった状態に立て直しする、そんなリスタートの一戦だ。早野監督は、しっかりと、その手を打ってきた。 ディフェンスラインの裏を狙った仕掛けを続ける清水と、前線からの守備をシュートに結びつけるトリコロールのスタイルが噛み合って、テンポよく好ゲームとなった前半。特に積極的な仕掛けはハユマ。思い切ったシュートを連発し、何が何でも勝とうという意欲が見える・・・のではなく自らの愛息の誕生を祝うゴールを目指す。ただ、サイドの角度からでもシュートを放つのは、本来のあるべき姿だ。小宮山も、思い切った仕掛けでドリブル突破。 「ナイスシュート!!」 「ナイスプレー!」 拍手と声援が飛ぶ。 前からのプレッシングで主導権を握れ。 大島がコースを限定し、坂田がパスの供給先を押さえ、出てきたボールを山瀬や吉田が奪い取る。相手ゴールに近い位置でボールを奪い、素早くゴールヘ殺到する。カップ戦ではやりきれなかった本来のトリコロールのスタイルが蘇る。山瀬が巧みなドリブルが清水のディフェンダーを混乱させる。ゴールヘの道は遠くないと思われた。 「頑張れ!飯倉!!!」。 トリコロール若手ゴールキーパーたちは、いつも堅守に助けられて幸運なデビューを飾ってきた。今日、J1でのデビューのチャンスを掴んだ飯倉は、ちょっと状況が違う。チーム状況は不調で、ウリの守備力も低下している。彼自身にのしかかる負担は大きい。そして、これまでのデビュー戦との大きな違いは、スタンドからの大きなサポートがないことだ。気の毒だが、このチーム状況に置かれた身だ。自分が頑張るよりほかない。サテライトでは噂のキックでスタンドを沸かせる飯倉。ほろ苦いデビュー戦とはなったが、良い経験になっただろう。 立て直しの気配が見えるトリコロール。だが、清水と比べると、前線の有機的な動きは少ない。大島が押さえられて坂田がサイドに出て行ってしまうと、中盤の誰かが下がってきてボールに触れなければパスの出しどころがない。結局のところ、本来はボールを受けて素早くドリブルを開始することが得意の山瀬が河合の近くにまで下がってきてしまうことになる。そんなシーンを何度も見ると、ダブルボランチを取り入れたくない早野の気持ちも解る。ただ、上野が戦力になっていない現状では、那須と河合というチョイスを出来ないのもよくわかる。 まずまずの前半を終えて、勝負の後半へ。 前半に出来ていたことを続けるには、早い時間にゴールを奪うこと。それこそが、自信を失っているチームの再浮上を確かにしてくれる原動力になるはずだった。しかし、失点。それを境に、守備が崩れて行く。失点を重ねることを恐れて、ハユマと小宮山は、一方が上がっている場合は、一方は上がらないという原則をかたくなに守る。 「ハユマ!もっと前だ!!」 ぽっかりと空いたスペースを活かしてほしい、スタンドから飛ぶ声は、虚しく響く。そして、両サイドが前に出たところで、裏を取られて失点。さらにはセットプレーからの失点。 やるべきことを、しっかりと見据えてプレーした前半とは異なる後半の展開。途中出場の清水ジローが怪我で、すぐに退くことになるなど不運もトリコロールを追いつめる。 カーンと2階席まで聞こえてきたクロスバーを叩いた坂田のシュートは、掴みかけたキッカケが、また遠くに離れていてしまったような航跡を描いていく。マイクの振り向き様のシュート、小宮山の右足のシュート、河合のミドルシュート、などなど、個々には素晴らしいプレーの数々があったが、チームとしての浮上に繋がるビッグプレーは、ついに見ることが出来ないままに後半を終える。 試合開始前から、いつもよりも早いペースで打ち続け、スタンドの多くのサポーターを置き去りにして焦りを自ら露呈していたゴール裏の太鼓。試合を終え、うなだれる選手たち。その選手たちにブーイングを浴びせるゴール裏。ナビスコでの敗退直後、天皇杯までの繋ぎのタイミングに、ホームスタジアムはチグハグさを見せたままだった。しかし、早野は、やるべきことをしっかりとやった。試合後のコメントに、それは現れている。 「ナビスコで敗れたことから回復して、いかにリーグに自分たちのサッカーを戻していくか。我々は、今までやってきたスタンダードをしっかりやることを目指した。」 サポーターが、それを応援できないようであれば、天皇杯への道は、今年も遠い。 今日のポイント ● 監督の意思が表現された前半。 ● 倒されかけても倒れない山瀬。 ● 思い切ったドリブルが復活した小宮山。 ● 強さを見せた栗原。 ● 試合終了と同時に炸裂した2階席の風船。 今日の査定
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