malicia witness 2階の目線2007
J1リーグ 07-08シーズン

10月27日 ヴァンフォーレ甲府  小瀬陸上競技場

小瀬陸上競技場には屋根が無い。
濡れそぼったベンチシート。
試合前に雨が降っていても避難する場所も殆ど無い。

因りによって小瀬でのアウェイゲームの日、10月も末だというのに
台風接近での大雨とはツイてない。
こういうアウェイでの悪天候の時ほど日産スタジアムのありがたさを感じる。
試合開始の頃にはあがるかと思っていた雨は止みそうにない。

6連敗中、雨(台風)、中位、シーズン終了後の指揮官退任の報、残留争い中の相手、小瀬。

甲府は前節G大阪に大敗を喫していたが、難しい試合になる条件が揃っていた。
とはいえ、此方も第1次早野政権下での6連敗という記録に並んでいる。
天皇杯に良い状態で望む為にも此方も負けるわけにはいかない。

冷たい雨が降り頻る中キックオフ。

左SHに何故か那須を配しCBは松田に換えて中澤、というよりは
中澤の復帰によって栗原と松田で栗原を採ったという事か。
ベンチには水沼が入っているという。
楽な展開で出してあげられると良いのだが。

芝は思ったよりも良い状態に見えるが、たっぷりと雨を含んで
コントロールし辛そうだ。
マイボールにしたかと思えば相手に渡る。
ボールホルダーが目まぐるしく入れ替わる、良く言えばスピーディーな
悪く言えば落ち着かない展開。

どちらが優勢ともつかない状況。

そんな中、那須から放たれたクロスが
フリーになった大島の頭にピタリと合った。

ゴール。

それはあまりにも呆気なかった。
決まる時はこんなものか。

なんだかぎこちなく横一列に並んでゆりかごダンス。
そうか、隼磨の赤ちゃんが産まれたんだっけ。

このまま勝利で終わってほしいものだ。

先制ゴールに安堵していたが、2点目が奪えない。
坂田も大島に続いてほしい所だが最後の精度が足りない。

そうこうする内に次第にサイドを再三崩されてクロスを跳ね返す
といったシーンが増えてきた。

密集から虚をつくタイミングで放たれたシュート。
哲也の手は届かない。
ゆっくりとゴールに吸い込まれてゆく様は美しい軌道を描いていた。

これは仕方が無い。
あんなのもう一度やれと言われてもなかなか出来ないだろう。

だが、そんな滅多に見られないようなゴールを決められてしまったりするのが
勝てない時なのだと思う。
有り得ない判定やまぐれのようなゴール。
普段起こり得ないだろう事が何故か起こってしまう。

負の連鎖。

それを断ち切る為にここに来たのではないのか。
連敗はもう見たくない。
台風だろうと何だろうと、勝利の為にここに来たのではないのか。

この所、先制しても安心出来ない。
相手を完封したのはどれ位前だったろう。

暗澹たる思いで前半を終える。

もっと出来るはず。
なのに何故出来ないのか。

シーズン終了後の退任が報じられた指揮官は迷走している。

来期に繋がる育成を残り試合で行うとでもいうのか。
健全な競争の下でなければ本当の力にはならないだろう。

ベースが研究されて勝てなくなったから継ぎ接ぎの布陣で臨むのか。
ベースが固まっていないのに付け焼刃で適切とは思えない対症療法を施して
奏功するとでもいうのか。

得点は那須のクロスからだった。
それが成果だというのか。
組織でサイドを崩され、押し込まれたのは何故なのか。
サイドハーフとしての動きが出来ていない。
SBとの連携も甲府とは雲泥の差。
攻撃は滞る。守備は後手に回る。

それはそうだろう。
センターラインの選手がサイドをやっているのだから。

試合の度に違うポジションを与えられ、その度に槍玉に挙げられる。
ユーティリティ?ポリバレント?
オシムに憧れているのか?
そんなものは緊急時に役に立ちこそすれ、スペシャリストが他にいる状況で
先発で起用してもみんな不幸になるだけだ。

それでも選手は与えられた役割を全うしようとする。
愚直なまでに。

残留に賭ける思い。

後半、甲府のプレーが荒くなってきた。
より必死なのはどう考えても甲府の方だろう。
だが、組織的な甲府に対して局面での個の力で押し返す。

双方決定力を欠き、試合は膠着する。
重馬場での疲労もあるだろう。
精度を欠いてボールを失うシーンが増える。

交代でリズムを変えるべきなのだろうが指揮官は動かない。

残り15分という所で甲府に退場者。
数的優位になったが、一人少なくなったチームが
やる事がはっきりして守りきる事はよくある。
意思統一が出来るチームならば尚の事。

相手が10人になった事で、引き分けを覚悟したのは
チームを信じる気持ちが足りないのだろうか。

勝ちに行くのならば、ここは経験豊富な選手だろう。
天皇杯に向けてここは勝利が欲しい。

山瀬弟に代えて水沼。
待望のデビューに沸く。

だが。

もうこの期に及んで目先の勝ち点はそれ程惜しくないという事か。
若手を使って育てるというのなら何故マルケスを連れて来たのか。
他の控え選手も一人少なくなった相手から点を取るための力が
高校生に劣っているというのか。

水沼は惜しいシーンは作った。
だが、それだけだった。
高校生に試合の趨勢を決める活躍を期待するのは酷というものだ。

その後交代は行われなかった。

年齢でサッカーをするわけではないが、このシチュエーションで
それが適切だったのか。

シーズン序盤の乾や斉藤の起用の仕方を思い起こす。
彼らは今自信を失ってはいないだろうか。
プロ選手に失礼かもしれないけれど。

結局、何も変わっていない。

当たり前の事を当たり前にやってくれれば相応の成果が出るだろうに
指揮官はそうしようとはしない。

そのまま試合は終了した。

指揮官が勝ちに行っていないのに勝てるわけがない。
勝つ気があったというのなら甲府を舐め過ぎている。
それでも、シーズン終了まで指揮を執るのだろう。

試合終了とともに雨が上がった。

チームに降り続く雨は天皇杯で上がるだろうか。


今日のポイント

●屋根が欲しい。
●なんかヤだったアウェイゴール裏に向けられた早野組の看板。
●遠かったゆりかごダンス。
●水沼ほろ苦デビュー。
●そうだ、きっとこれはベストメンバー規定に対する抗議に違いない。


今日の査定

stan

何もかも中途半端。天皇杯が思い遣られる。

大雨

-200

屋根が無い

-100

那須の左サイドハーフ

-300

坂田惜しいんだけどなぁ

100

大島の先制ゴール

500
悔しいけど綺麗だったなんとかベルトのゴール
300
数的優位を生かす気無し
-200
水沼デビュー
380
痛み分けで勝ち点1
500
安定していた高山主審
200
あの雨で9000人超えの甲府の根付きっぷり
300
1380

今野隆之

木曜日にマリノスタウンで観たユースの試合の方がやることが明確で、はるかに見ごたえがあった。やることがあやふやな横浜トップチームは、やることが明確な甲府のパス回しに右往左往。内容は大差で横浜の負け。甲府にとって惜しむらくは、決める選手がいなかったこと。天皇杯佐川急便SC戦は苦戦を覚悟。

那須の見事なクロス

1000

ヘッドで合わせた大島

1000
横浜にもできていたはずの甲府の速い寄せ 
500
ありゃしょうがないアルベルトの一発
500
10人になった相手に数的優位を感じない
-500
2500







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