malicia witness 2階の目線2005
J1リーグ 05-06シーズン

3月5日 ジュビロ磐田  日産スタジアム

崩された場面は、ほとんどなかった。ピンチはいくつかあった。それは、榎本が前へ出るシーンだけだ。単に縦へ山なりのボールを放り込んだときのみ。磐田は申し分のない補強を行い、左サイドには日本随一の攻撃的な選手である村井を配した。だが、彼のポジションは、スリーバックの、さらに左。試合後の磐田の選手のコメントによると70分間は守りきる作戦だったようだ。

中西はヘッドで下げればいい場面も、無理な体勢で身体を捻ってキックで逃げる。失点の一つや二つは覚悟だ。だが、得点は出来ない。無難なポストプレーに徹していた大島は、時間が進むにつれて、巧妙なパスや早い反転を交え、起点となる。ドゥトラは完全復活だ。だが、磐田は9名で守る。
「こんなの磐田のサッカーじゃないだろ。」
だが、きっと守るのが9名であっても11名であっても、今日の試合は磐田の勝ちだったのだろう。能力の高い選手が、耐えて守りきり、相手のミスを待てばよい。実に手堅い、リスクを廃した試合運びだ。これを全試合通して行えば、優勝しかねない。ただし、選手やサポーターが、このサッカーに耐え切れればの話だ。

磐田らしさといえば、通称「西組」が健在だったことくらいか。再三にわたる西のバックチャージに罵声が飛ぶ。二階席も立ち上がって抗議だ。
「てめぇ、今年4回目だぞ!去年から合わせたら何回目だ!!」
だが、岡田さんのジャッジ基準ではカードは出ない。それはいつものことだ。

膠着状態が続き、ゴールの気配がない。レベルは高い守り合いだ。残り時間が僅かになって、ドゥトラが簡単にファールで突破を止めてしまう。そして名波のフリーキック。

「榎本、サッカー辞めろ!!」
「いい加減にしろ!!」
「何回やったら分かるんだ!!」
激しく罵声が飛ぶ。そして
「まだ時間があるぞ!始めろ!」
「1点獲れ!!」

確かに福西は福西らしく手でボールを押し込んだ。誤審だ。主審の岡田さんも、副審のあかねちゃんも見逃した。見えなかったものは仕方ない。だが、このゴールは防げなかったのだろうか。なぜ榎本はゴールラインと垂直に余裕を持って出ていったのだろう。福西の手に当たっているが、福西の手は高い位置にあるのではなく前に出ている。もし、福西の踏み込みが、もう少し早く、手ではなく頭に当たっていたら、どうだったのだろう。もし、福西の手と中澤が交錯せず、中澤の頭をかすめて、コースが変わってボールがゴールに向かって飛んでいたら、どうだったのだろう。榎本は、あの高さのボールを、自分よりも前では誰も触らないと確信して、ゴールラインと垂直に余裕を持って出ていったのだろうか。

「納得いかないよ。全然ピンチなんか無かったじゃないか、あいつが出てくるとき以外は。」
「俺は山本のチキンサッカーなんて認めないぞ。」

「あれに負けたっていうのがムカツクんだよ。」
「なんで、黄色いヤツのせいで、こんな嫌な気分にならなきゃならないんだよ。」
「信用ならないんだよ。」
「問題は、本人が気が付いていないことだよ。きっと、今日のだって審判のせいにするんだろ。」
「使い続ける監督も悪いよ。」
「去年は市原戦で『俺が悪かった』って謝っただろ。今日謝れば、去年よりも早い。まだ、間に合う。」

さて、ここまでの記述に反論もあるだろう。あの失点はハンドさえなければ防げた、と。榎本達也に先入観を持ちすぎている、と。そうだ、サッカーに正解はない。だから、両論のどちらが正しいとは言えない。ただし、榎本達也に対する悪い先入観があるとすれば、その原因も彼自身だ。すぐに変わることはできない。時間を与えるべきだろう、リラックスできる環境でのリハビリの。

飲まずにいられない敗戦というのは珍しい。荒れた気分でグラスを合わせる。
「俺達は負けていないぞ!負けたのは榎本だ!!」
「畜生、腹が立った。絶対に水曜日は三ツ沢に行くぞ!!」

私たちは美味いもので気を紛らせた。


今日のポイント

●奮闘したが気の毒だった中西。
●登場で大歓声の大橋。期待が大きい。
●運動量が豊富だった奥。得点はアウエーに持ち越し。
●あまりにも腰が引けていた磐田の戦術。磐田サポーターは、あれで納得か?


今日の査定

石井和裕
5階や10回のミスなら許す。だが、我慢には限界というものがある。
栗原の成長した強さ
200
ドゥトラ復活
100
武田にまたやられたが神野がいなくても勝てたOB戦
1000
もう許しません
1000
合  計
2300

奥田幸一郎
いい流れのときに点をとりたかったですな。誤審は天下の回り物。仕方なし。
メロンパンウマー
500
ドゥトラ好調
300
大島まずまず
300
まぁ、しょうがない
200
合  計
1300

今野隆之
ああ、悔しいよ。あの磐田が恥も外聞もかなぐり捨てたサッカーをしてくるか。これが王者の宿命。いいイメージは残しつつ、前を向くしかない。
現役時代に見られなかった和司のFK
500
衝撃の山田ビフォアアフター
300
妙なスタジオ特写をやっとやめたトレカ
200
ドゥトラの復調
500
ますます安定、急成長中の栗原
500
うまいものはやさぐれた心を和ませる
1000
合  計
3000

三沢まりの
我々にとってキーパーとは、「キィー!」と怒鳴ったり「パー!」と罵ったりするためのモノなのであろうか。戻って来い、佐藤浩。
木村和司のFK
700
佐藤浩の初出場
200
見違える山田
100
復活のドゥトラ
500
J1でも通用しそうな大島
300
安心できた栗原
300
あれが磐田?
-500
市長の「磐田をやっつけろ」発言
500
主にゴール前にいる黄色いもの
0
合  計
2100

なかむ〜
誤審もフットボールのうちで、敗因は点を取れなかったことに尽きる。ただ、GKが完全に信頼を失ってるのが大問題。一度外してみるのも吉か。それにしても磐田は往時の欠片も感じなかった。変わらないのは西の汚いプレイだけだな。
基本給 
300
木村和司のFK
1000
ドゥ復調 
500
CHARのライブ
200
合  計
2000




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