| malicia witness 2階の目線2005 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 05-06シーズン 5月4日 清水エスパルス 日産スタジアム 最近、私たちは「予言者になれる」と思えるときがある。過去、失点の気配は、プレーの流れで感じていた。ボールの軌跡、選手のポジショニング、その他、目の前の起きている諸処の情報を、過去の失点シーンに瞬時に照らし合わせて「危ない!」と叫ばせる。ところが、このところ、全くそれを上回る出来事が続出しているのだ。ボールを蹴る前に、例えば、コーナーキックを副審が旗で示した瞬間に「このキックは危ない」と誰もが口にするのだ。そして、それは、1試合に何度もあることではなく、たった1度、そう、この日、「これはヤバいぞ。」と、多くの仲間の口から言葉が発せられ意見が一致したのは、あのシーンだけだった。 私たちに予言の能力がついたのだろうか。 いや、それは違う。きっと、危険な時間は常にある。だが、察知できる危険な時間を耐えきることができない、それが今のトリコロールなのだ。あの時間、忍耐の限界を超えそうな圧力を浴び続け、ここを越さなければ勝利はないというピンチ。やはり、耐えきることはできなかった。選手は全力を尽くしただろう。スタンドも危険を察して、より一層のハイボルテージで声援と手拍子を送っただろう。2階席も全てが上段まで埋まったゴール裏は、今期一番の破裂音を響かせていた。それでも、それでもやっぱり、勝ちきれないのだ。 ゴールデンウイークはたくさんの家族連れを日産スタジアムに呼び込み、期待を透き通った青空にまで膨らませる。だが、試合は序盤からのこう着状態。守備を重視した長谷川健太のデレオは大宮を思わせる守備の組織でトリコロールを封じ込める。 「これは、大橋と上野がもっと顔を出さないと崩せないだろう。」 「この清水に勝てなかったら、どこに勝てるかわからないぞ。」 打開は組織ではなく個人。 勝負しようとする心だった。個人技ではあるが「時間をかけない個人技」だ。 「撃ったのがプロ。」 「コネないでゾーンに入れば決めるんだよ。」 まさかの角度からのシュートはネットを揺らし、スタンドを揺らした。 「よし!終わり!!終わり!!」 「もう終わっていい!」 「ロスタイムはマイナス10分でいいぞ!!」 「こっから先だって、いいサッカーなんてできやしないんだから、ここで終わってくれ。」 つまりは、この1点では勝てる訳がない。0-0でも一瞬の油断から失点をするチーム状態だ。リードすれば、失点する確率は高くなる。だから、もう1点を早く穫れということだ。 だが、主審の上川さんは私たちの願いも聞き入れず、わずかなロスタイムを計上しただけで、規定通りに前後半の90分を行った。 試合は終わり、大型ビジョンには「本日のダイジェスト」が上映される。ジョンファンの信じられないゴールが流れると、席を離れてスタンドを後にする。 「さぁ、帰ろ、帰ろ。」 「こっから先は、見ても何も面白いことはない。」 今は耐えるのみ。 今日のポイント ●選手紹介の下川に大歓声。山西にも拍手。 ●ボールボーイはデレオのチャンスにボールを入れるのが早すぎる。 ●途中出場直後に魅せた中西の素早い守備対応。 ●前への強さを発揮したエノテツ。 ●不注意のオフサイドが多すぎるジョンファン。 今日の査定
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