| malicia witness 2階の目線2006 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 06-07シーズン 3月5日 京都サンガ 日産スタジアム 「あけましておめでとう。」 「今年もよろしくね。」 笑顔で、いつもの顔が集まってくる。早すぎたシーズンオフから、心の穴がぽっかりとあいた日々を経て、今日、J1は開幕。電車の中で不安がよぎる。今までのJリーグのない毎日の自分は、今日、元通りの自分に戻れるのだろうか。自分の身体は気持ちと一体になっているのだろうか。胸を突く緊張。だが、それも、スタジアムに足を踏み込み、みんなの顔を眺めれば解けてくる。 「試合開始は15時35分です。」 アナウンスに時計を見る。 「まだ10分もあるのかよ!!」 「もう始めろよ!」 「試合まで何日間待ったと思ってるんだ!」 2006−2007年シーズン、2007年1月1日までのシーズンが始まる。小気味よくボールが繋がる。マルケスは中央でもサイドでも、上手くボールを触って味方に捌く。特に、サイドにマルケスやマグロンが流れて小さなパスで崩して縦に突破をかける。無理と見ればサイドを大きく変える。まるで、アスカルゴルタ時代のような創造力とスピードに溢れたサッカーに酔う。1点目は簡単に入る。 「マグロンだ!」 2点目は、もっと簡単に入る。 「西村だ!!」 「あいつ西村っていうのか。」 「こんなシュートで『久保復活ゴール』とか書かれても嫌だな。」 噂通りの好連携で2つのゴールを呼び込んだ左サイドとは逆に、右サイドは停滞する。期待の吉田はバックパスが目立つ。攻撃的なプレーがしたくてたまらない様子の松田は、立ち上がりにオシャレパスを狙ってミスを連発。圧倒的な力の差が見えるもののシュートが少ない試合。それでも、隙をついたリスタートからのクロスに飛び込んでのシュート。 「あっ西村、偶然に当てやがったな!」 「惜しい。」 「だれだ、今のシュートは。」 「吉田だ。」 「いいプレーだ。」 見慣れないサッカーに、違和感あるユニフォーム。誰が誰だかわかるのに、ほんのわずかなタイミングがずれる。そんなリーグの開幕戦。 安定した守備は、まるで横綱相撲のよう。 だが、試合自体には動きが少なく、開幕を待ちわびて沸き起こっていた手拍子も徐々に絞める。そこへマルケス、クロスを送ってドラゴンロケット!! 「やった!!」 ニアに頭で飛び込んだ久保から放たれた弾道はゴールに突き刺さる。 「これで久保復活って新聞は書いて良し!」 前半を終え、拍手で選手達を讃える。笑顔の中にも苦言がある。 「この試合運びじゃ、来週の練習にならないよ。こんな調子だったら、次節の鹿島じゃ、やられちゃうぜ。」 「もっと圧倒しなきゃね。」 ゲームを創るのはマルケス。奥ではない。 中盤で受けて、小さなパスを交換し、無理な体勢でもサイドにキッチリと大きなパスを決める。そこで、うわっと歓声が上がり、半テンポずれて拍手が沸き起こる。尋常ではない運動量で、前に後ろに顔を出す。守備にも奮闘し、これでは守備的FWの清水の起用の場面が減ってしまうのでは、と余計な心配までしてしまう。久保も守備に貢献。前線からと中盤からのサンドイッチでボールを奪い、前を向いて攻撃態勢に。ゆったりと停滞した試合の中で、何度か、目指すべき試合運びの形が見える。 「上手い!」 何度、その言葉を口にしただろう。 「まじめにやれ!」 「なめてんじゃねぇぞ!」 京都に対して罵声が飛ぶ。それは、時よりのこと。それよりも、止まらないのが「エ〜イング」だ。 ターゲットの選手よりも後ろにパスをして「エ〜」。サイドチェンジがタッチを割って「エ〜」。シュートしようとして勝手に転んで「エ〜」。これが、本当にJ2を首位で昇格してきたチームなのか。 「今の見たかよ。思いっきり反則して止めにきているのに振り切られて転んでるんだぜ。あり得ないだろ。」 「酷すぎるね。」 「あんちゃんのチームとは思えないよ。」 「早く、もう一点獲らないと、松永が出てきちゃうぞ!」 日産黄金期のセンターフォワード柱谷幸一、つまり柱谷兄弟の兄は「あんちゃん」として日産サポーターに親しまれてきた。反則をされても体力を活かして、ゴリゴリと力づくで突破してゴールを奪い獲る、そのプレースタイルとは対照的なひ弱な京都の選手達に失望する。 「これが3万円の年チケの1試合なのかよ。」 事態打開には選手交代。それは右だ。 大歓声とともにハユマが入ってくる。消極的なプレーに終わった吉田に変わり、勢い良くフィールドに入る。みんなわかっている。今日のハユマは、きっとやってくれる。その意気込みが見えている。 「行け!ドリブル!!」 「縦!縦!!」 「勝負!」「勝負しろ!!」 ハユマへの声援は単純だ。シンプルに切り崩せばいい。それができるのがハユマなのだから。 流れは変わる。クロスを久保がヘッド。 「ぐぁー!」 「惜しい!」 ゴールポストの角のところにあたってボールは弾き出される。 「ハットトリックだったのに。」 続いて、ハユマから浮き球が上野に。トラップを空中に浮かして身体を反転させながら、さらにディフェンダーと西村の間へ浮き球のパス。それを走り込んだマルケス(オフィシャルサイト掲載のプロフィールによると長野県出身)がキッチリとトラップして足を伸ばしてループで決める。 「おしゃれ!!」 「でも、なんか乗り切れないなぁ。」 「でも、良く決めた。」 4点差。試合再開後に、どう見ても間の抜けたパス交換。 パウリーニョの突破を止めにいく選手はおらず、ミドルレンジから決められる。トリコロール名物の油断だ。 「ほら、台無し。」 「出たよ。」 今年も開幕戦から見ることになった。このムードで開幕戦を終えるわけにいかない。 「獲りに行け!」 「勝負しろ!」 「一点獲れ!」 ハユマを中心に攻めの気持ちを見せるトリコロールの選手達に声援が起きる。けっして爆発とはいかなかったが、手拍子は試合終了まで続き、スタジアムでの毎週末の喜びを与えてくれる。 4−1。スコアで見れば快勝。内容で評価すれば、けっして快勝とはいえまい。それでも、王座奪回への足がかりにはなったかもしれない。浦和とガンバは勝ち点を失い、千葉に至っては勝ち点1も得てない。 勝利の報告へやってくる選手達に拍手を送り、声援が飛ぶ。 「来週だぞ!!」 「本番は来週だぞ!」 「鹿島に勝てよ!」 メンバーはスタジアムをあとにし、ハートランド・ビールを立ち飲み。テーブルを囲みながら会話が今ひとつ弾まない。4−1なのに。しかたなく2度目の乾杯をすることにする。 「せーの1、2、3」 「鹿島!」 「メルダ!」 やっと盛り上がった。さぁ、決戦は第二節だ。 今日のポイント ● 守備連携の乱れは京都が相手だから1失点にとどまった。 ●まさにトリオの連携のブラジル左サイド。 ● パスもシュートも上野らしさを存分に発揮。 ● あやうくゴールしそうになった清水。こんな試合で獲らなくていい。 ゴールは次節で。 ● バランスを変更したのかボーカルが聞き取りやすくなった音響。 ●まだ超高校級だった田原。 ● 表彰のために現れたMLJの偉いヒトにブーイング。 早くサイトを直せ。 今日の査定
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