malicia witness 2階の目線2006
J1リーグ 06-07シーズン

3月11日 鹿島国  鹿島国ナショナルスタジアム

年に一度の国際試合は、早くも第2節に設定されていた。昨年の第32節で乗ったばかりの国際列車に、また乗っている面々。2時間前に到着し、駅から歩いていると先発隊の姿が目に入る。バスで12時40分には到着していたらしいが、スタンドが寒そうでまだ入場していなかったようだ。天候こそ晴れだが、異国の地の風は肌寒い。そこにまた別のメンバーが現れる。やがて、一台のバイクが通り過ぎていった。

「あれK林さんっぽくない?」
「ドゥカティってあんなバイクだっけ?」
「バイクのことはわからないよ」

それはやはりK林さんだった。事前に場所を決めていたわけでもないのに、なぜかいつもの面々が集まったところで入場する。

試合の流れに関係ない「ヤナーギサーワ!」コールを聞くのは久しぶりだ。鹿島戦らしくなってきたぞ。腰痛騒動で各紙の一面を賑わせた久保も先発する。先発メンバーは開幕戦と全く同じ。控えは那須が坂田に変わっただけ。
「柳沢は開幕戦のハットトリックで打ち止めだな」
「ジローはまだ打ち止めじゃないぞ」
前節京都戦は、スコアだけなら大差だが、内容的には相手合わせの悪い癖が出ていた。鹿島相手ならあれじゃやられるとの声も聞かれた。勝つに越したことはないが、今日は負けなければいい。行きの車中ではそう話していたのだが。

ところが、前半から押し込むのは横浜。鹿島は横浜の左サイドを警戒してくるが、能力の高いブラジルトリオだけで形を作ってしまう。攻撃は極端に左に偏る。京都戦と違い、横浜がよくプレスをかけていたためでもあるが、鹿島の攻撃に怖さがない。報道によれば、中澤は鹿島の攻撃を警戒するコメントをしていたが、試合後には「中がすかすかだった」と言われる始末。小笠原がボランチの位置に引き気味なのは監督の指示なのか。

左サイドと比較して、右サイドの停滞ぶりが気になる。プレシーズンマッチからの3試合、中盤右サイドは吉田が先発しているが、試合ごとにパフォーマンスは落ちている。何よりも弱気だ。勝負を仕掛けないし、すぐ後ろに戻す。なぜか松田が上がって吉田が下がる。当然厳しい声が飛ぶが、これは叱咤だと思いたい。

点が入りそうで入らない嫌な流れの中、前半39分だった。CKからニアサイドのマグロンがヘッドで決めた。すかさず「ザル!」と野次が飛ぶ。スーパーサッカーではファーサイドの久保に釣られたように解説していたが、それはさすがに代表ネタへのこじつけではないか。代表ネタといえば、我らが柳沢はしっかり期待に応えてくれていた。

この試合のターニングポイントと思われる、後半開始直後の1分。鹿島のCKから柳沢のヘッドが枠を捕える。誰もが失点を確信した。

「やられた!」
「いや、クリアだ! 入っていない!」

ゴール裏からは誰かがクリアしたところしか見えなかったが、帰国して映像を確認するとまず達也がセーブしていた。それをドゥトラがクリアしていたのだった。散々苦言を呈された昨年までとは違い、今年は安定してきつつある。

「柳沢消えていますね」
「いや、消えていて突然現れるのが怖いんだよ。目立っているときは全然怖くない」

実際、時折そういうシーンが見られる。CKのシーンもそうだった。1点では危ない。ところが、鹿島は驚異的な采配に打って出たのだった。増田と本山を下げて、深井と野沢を投入する。

「おいおい、4トップかよ!」
「前線がたくさんいれば点が入るのかよ!」

横浜も動く。吉田に替えて隼磨を投入。ただでさえJ屈指のスタミナの持ち主である。右サイドが一気に活性化した。75分には「今日は点取っていいからな!」の声に送られて清水投入。そして79分、絶好の位置でのFK。

「ドゥでいいよ」
「マグロンだ!」
「うおおおおお!」
「ドゥにやま張っているから動けないよ!」

待望の追加点は、岡田監督もびっくりのマグロンのFKでもたらされた。鹿島はたまらず青木に変えて田代を投入する。

「5トップかよ!」

その直後だった。81分、隼磨が掴みかかる新井場を振り払い、クロスを送る。今度こそドゥトラ! 予想外の3点差に狂喜乱舞のアウェイ席。すっかりいい気分の面々はコメントもヒートアップしていく。

「いやあすげえや、柳沢が押し出されてサイドをやっているよ!」
「おっ、今度はボランチだよ!」
「さすがセリエA仕込みの守備!」
「試合に出ていたかは定かじゃないけどな!」
「定かですよ!」

もはや鹿島のバランスはめちゃくちゃである。松田にまでリフティングで遊ばれている。横浜は終盤に平野を投入する余裕を見せる。アウェイのこのカードでは記憶にない3点差の勝利。鹿島臣民席からブーイングが飛ぶ。

「右は隼磨で決まりだな」
「いや、相手が疲れたところで投入したのも大きいだろう」

今のところ、吉田は良さを出せていない。岡田監督の起用意図は想像するしかないが、隼磨を刺激するためだとすればそれは成功しているだろう。吉田だって刺激を受けたはず。もっとも、大分では中盤の中央に入っていた吉田にとって、右サイドが適任かどうか。いずれにしても、二人の競争から目が離せない。

台数を心配していた東京行直行バスには問題なく乗れた。長距離の帰国も、今日は苦にならない。


今日のポイント

●成田駅で鹿島サポに車に乗っていかないかと誘われた。
●センター栗原・左中澤・右松田のフォーメーションは磐石。
●ますます手がつけられないブラジルトリオ。
 ドゥトラも全盛時を彷彿とさせる。
●決められていたら試合はわからなかった、
 達也のナイスセーブとドゥトラのナイスクリア。
●誰もが興奮した、奥がカウンターで全力で駆け上がったシーン。
●スタジアムナビゲーターに坂田と間違われた清水。
 あのポニーテールは間違えようがない。
●久保の腰痛騒ぎは何だったんだ。


今日の査定

今野隆之

こんなにいい気分で帰国するのは記憶にない。まだ早いけど、今年はひょっとしてひょっとするかも? そしてこんなに怖くない鹿島も記憶にない。ありがとう僕らの柳沢。

それほどフリーでもなかったマグロンのヘッド
1000
オプションが増えたぞマグロンのFK
1000
気持ちいい〜隼磨の突破からドゥトラが決める
1000
磐石の身体能力3バック
700
こんなもんじゃないだろ吉田
-500
ますます鋭い隼磨
700
奥のカウンターに興奮
500
まだ打ち止めじゃないジロー 
300
枠内をセーブした達也
700
壊されなかった久保
300
松田のリフティングショー 
300
やっぱり味方の柳沢
300
鹿島の5トップシステム
200
もつ煮
500
7000

stan

ここでの勝利は格別。3-0で気分爽快。ブラジル時代は結構ゴールを決めていたというマグロン、フィットしてきた証左と考えたい。細かなテクニックも良いが視野の広さも素晴らしい。もう少し微調整が必要だがしっかり修正してきた守備も良かった。

好天
100
それでもちょっと肌寒い
-100
そんな時はモツ煮
500
アウェイ側でこそ茨城名物を出すべき
-200
ウォーミングアップ時のキープ合戦
100
左サイドの鬼キープ
500
マルケスは攻撃の潤滑油
300
ドゥトラが元気
300
不憫な高校生
20
置いとくだけで効果のあった久保
100
悪い流れを止めてくれた達也
500
奥復調気配
200
スーパー・マグロン
1000
上野が効いてた
500
前節からの守備の修正
500
松田が楽しそう
300
吉田は損な役回りだが…
-100
5650






おなじみM.O.I.S.T.の日替わりTシャツ。本格的に「鹿島メルダ」をみんなで言い始めたのは2002年の春。偶然、隣の席になったイタリア人にメロディーを教えてもらったイタリアと鹿島の国際Aマッチ。あれから4年。すっかり定着した。

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