malicia witness 2階の目線2006
Jリーグ ヤマザキナビスコカップ 06-07シーズン

4月12日 東京  三ツ沢球技場

平均年齢が高い横浜の主力選手たちは、なまじっかサッカーを知っているだけに、ボールを持つと複数の選択肢が浮かんでしまう。そして考え込む。キープ力がある選手はなおさら考え込む。出し手が迷えば受け手も迷う。これは勝手な想像だが、当たらずといえども遠からずではないか。

そんな選手たちに、岡田監督は自主性を求めているというが、正直今のメンバーに合ったやり方とは思えない。一から十まで教えてやれというのではない。ほんの取っかかりの約束事だけでいい。それさえも選手たち自ら見出せというのだろうか。

主力の故障が相次ぐ中、2年目の天野が先発する。プロデビュー戦となる横浜一の小兵は、あれこれ考える前に走る。前半のペースを作っていたのは明らかに天野だった。彼のひたむきさは、サッカーを難しく考える先輩たちの動きも引き出した。天野を初めて見たのは、2004年のACLペルシクケディリ戦。ユース時代のあの頃から、彼は変わっていなかった。

両サイドから次々とクロスが上がる。しかし、防戦一方の東京のゴールを割ることができない。ネットを揺らした大島のゴールは取り消された。オフサイドだったらしい。結局前半は0-0で折り返すが、それでもスタンドには充足感が漂う。天野のおかげだ。

後半10分、大拍手に送られて天野が下がり、上野投入。同時に吉田に替えて狩野投入。そのわずか2分後だった。坂田からのクロスを土肥がこぼす。そこに詰めたのは狩野。何とファーストタッチが先制点だ。前半はぬか喜びだったが、今度は本当に喜びが爆発する。一見線が細く、優男風な狩野だが、なかなかふてぶてしい。流し気味のジャッジの中、がつがつ当たっていく。

しかし、スタンドの誰もが思っていただろう。1点では危ないと。やはりと言うべきか、魔の時間帯に突入すると何度となくピンチを迎える。そんな中、チャンスに燃えていた坂田が負傷してしまう。後半31分、久保が緊急出場する。この時点でもっと差がついていれば、ハーフナー・マイクの出番だったかもしれない。1点差ではやむなしか。

大島の胸トラップからのジャンピングボレーに、「それが決まればファンバステンだよ!」と声が飛ぶ。この日フル出場した大島は随所でいいプレーを見せてくれた。唯一足りなかったのはゴール…。結局、試合を決定づける2点目を決めたのは、当初は使う予定ではなかったと思われる久保だった。早いリスタートから軽く浮かせて流し込む。ようやく勝利を確信した瞬間だった。

天野、狩野という若い力の台頭。ほんの少しの約束事と、ほんの少しの柔軟性があればこのチームはずっとよくなるはずなのだ。岡田武史という指揮官の頑固さは、重々承知しているが。何はともあれ、久しぶりのやけ酒ではない酒はうまい。天野と狩野に乾杯だ。次の出番は遠くない。


今日のポイント

● 中澤の名前は「裕二」じゃない!
●狩野の読みは「かりの」じゃないぞ!
●もっと長く見たかった天野
●もう90分使うのは限界のドゥトラ。終盤の交替を真剣に検討してほしい。
●ほとんど何もしていないのに点は取る久保
●万事に雑な松田のプレー。もっと丁寧にやってくれ。





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