malicia witness 2階の目線2006
J1リーグ 06-07シーズン

5月6日 ジェフ千葉  日産スタジアム

放り込むならサイドから。それは、誰もが知っていることだ。その定石通りのクロスが右から入る。ゴール前をボールが横切りディファンダー達が首を右に振る。そこには、信じられないことにマイクがフリーで存在している。そのとき、マイクは高く、高く飛び、背中を逆エビに反り返し、ボールを地面に叩き付ける。その姿、その高さ、その弾道は、今からちょうど4個前のワールドカップ、90年イタリア、開幕戦で世界に衝撃を与えた、あの男のヘディングにソックリだった。アルゼンチンを葬り去ったサンシーロ2階からのヘディング。その男の名はオマンビイク。

試合終了のホイッスルと同時にスタジアムは静まり返る。そこに3万2千もの人がいるとは思えないほどに。その凍った空気を震撼させる声を出してしまう。
「久保いらねぇーーーー!」
だが、もはや強豪と崇めなければならないジェフに追いついた選手達に賞賛も必要だ。芝生の上を歩く選手達を迎えるべく座席から立ち上がり拍手を贈る。
「よくやった!」
「松田!お前こそ代表選手だ!!」

常に相手合わせのトリコロール。だから復活の期待は大きかった。

「今日は、なんとかしてくれるよ。」
「今日こそは速い攻めができるって。」
「清水が戻ってきたんだから、前線からの守備も大丈夫。」
「やっぱ、マイクでしょ。」
「本当は、マイク出すようなサッカーにしちゃダメなんだけどね。」
「さすがに岡田も、マイク、久保、大島を3人並べるようなことはしてこないだろ。」
「なんで?」
「だって、あれは見苦しいだろ。」
「しかも時間が長過ぎる。」
「マイクパフォーマンスは長過ぎちゃダメだ。」
「せいぜい15分、いや5分10分だったらアリだろ。」
「マイクパフォーマンスは最後に短くビシッと決めないと。」
「そうだよ、猪木だって、ひと言言って、1、2、3、ダーがいいとこだ。」

マイクが悪いわけではない。マイクを使えば何とかなるという慣れのような采配に自らを追い込んでいるチームが悪いのだ。
「マイクパフォーマンスも仕方ないけど、それよりも先制して追加点を獲って、しっかり勝ちたいよ。」
本日のマイクパフォーマンスは15分だった。

これまでに見たことがないようなアウエー側の黄色い人々。

その期待を裏切るジェフの出来。好ゲームのあとの停滞。それはジェフの持ち味でもある。
「相手合わせのはずの、うちにジェフが合わせてくれるとはね。」
「これは、勝たないといけない試合になったよ。」
それでもジェフは先制する。

巻、本来の得意な楔、軽くタッチして前方へゴーをかけてスペースでボールをもらうプレーがでない。いや、中沢が食い止めている。ヘディングに注目が集まる巻も、自らが組み立てに参加しなければ、サイドからのクロスは的確に入らない。中沢は、相変わらずコンディションが悪いのか100%の力を出さないのか動きが重いが、得意の前方まで相手フォワードに付いて行って前を向かせないディフェンスが復活している。松田の好プレーはここ数試合の通り。そして、それを生み出す、前方からのプレッシャーは清水を筆頭に、大島、吉田らが献身的にこなす。相手を囲み込むだけで拍手が起きる。やっと日産スタジアムらしい雰囲気が戻ってきた。

しかし、厳しい声が飛ぶシーンもある。

たとえば、もう、いつものことだが、久保が競らない。ディフェンスラインが那須にボールを渡して誰もフォローにいかない。一人でドリブルでなんとかしろと言わんばかりだ。
「そんなの無理に決まってんだろ!」
「フォローにいけよ!」
「みんなでサッカーをやってくれよ!」
この連携の希薄さは、ブラジルトリオが崩れてから、リーグ中断まで改善されることはなかった。

経験が人を変える。

思うように試合を運べないジェフは阿部やストヤノフがゲームを作ることが出来ない。この日に、ボールの収まりどころとなったのはプルクニコビッチ。ガンバ在籍時代にエムボマとコンビを組んでいた頃とは雰囲気がかなり違う。ブンデスリーガの中継で、その姿は見慣れてはいたが、やはりスタジアムでは視覚以上に感じるものがある。もはや、審判に悪態をついた悪童の印象はない。ただし、彼にボールが収まっているというのは、トリコロールがジェフの素早い攻撃を封じているということだ。

ジェフの脚が止まり、攻勢をかけて来る気配はない。そこでマイクパフォーマンスだ。これまでの出場では、脚でのプレーは1本のパスを繋げたことだけだったマイク。だが、ヘディングの着地後、素早く、躊躇なく振り抜き、それを清水が押し込む。想いを強くしなければ始まらない。それを証明するかのようなゴールの強奪。

中断期間前の3戦を勝ち点5。


優勝を狙うには、まったく不十分な勝ち点だが、どん底の状態を考えれば、よく獲れたと考えても良いだろう。さて、これから、12月までのシーズンを、どう過ごすのか、よく考えなければならない。6月の中断期間に、何をすべきなのかを。そして、次週日曜日には大切な浦和戦がある。もはや、カップ戦は「獲れれば良いタイトル」ではない。獲らなければならないタイトルだ。


今日のポイント

● ちょうど帰りに新横浜駅で選手が乗り込んでいたセレッソの選手バス。
 軽く挑発しておいた。
● 大切なところで清水のゴール。
● これで代表入りしない理由が考えにくい松田のプレー。
● また無意味だったショートコーナー。
● 試合前の円陣を終えて走ってポジションへ散るジェフ、
 ダラダラ歩いて広がって行くトリコロール。


今日の査定d

石井和裕

やはり、このチームを立て直すには前線から守備が重要だ。清水の復帰で、やっと歯車が噛み合ってきた。それにしてもマイクの頑張りは素晴らしい。諦めたり倒れたりファールに頼ったりする選手は、彼を見て、考えるべきだ、FOOTBALLの原点を。

マイクの高さ
800
マイクの振り抜いた脚
600
よく入れた、清水の判断
500
ギリギリのところを的確に通す松田の右のスルーパス
900
封じ込める松田の身体能力
400
幾分戻ってきたのが収穫の中沢の守備力
100
気の毒だった那須の攻撃参加
100
3400

三沢まりの

浦和に完勝したジェフ相手にガツンとやられれば、監督一同チームは目が醒めるかもしれない。いつも相手合わせのウチがハイレベルなジェフと対戦してうっかり勝てば、浮上のきっかけになるかもしれない。そんな相反する個人的な思惑が、どちらも叶わなかった哀しいGW。

序盤20分の攻撃的姿勢
300
慣れない左SBで奮闘する那須
800
那須に左サイドの攻撃をおまかせする姿勢
-700
シュート撃たないとゴール決まりません
-1000
攻守に奮闘する清水、吉田
700
誰が何と言おうと松田が俺たちの代表だ!
1000
日に日に長くなるマイク・タイム
-300
オマンビイクばりのマイクのヘディングシュート
600
山岸のボレーシュートの美しさ
200
1600

なかむ〜

放り込みで勝ち点を拾うのが精一杯。20 分は「football」が持続するようになったのが光明か?

基本給
300
ジローの公式戦年間3点目
1000
残り5分の「マイク・パフォーマンス」(by K林さん) 
500
奮闘が目立った那須と松田
300
動けない9番
-100
2000

stan

近年ジェフとは好試合を繰り広げてきた。状態の悪い時にジェフと対戦する事が浮上への良いきっかけになれば、という淡い期待は打ち砕かれた。ジェフでさえも泥仕合に巻き込んでしまった罪は重い。泥仕合に巻き込んだ時点で評価すべきなのかも知れないが、そうであればもっと体を張れる選手を起用すべき。

立ち上がりは悪くなかった
200
那須は頑張ってた
200
河合に考えさせちゃ駄目
-100
きっちり崩されて失点
-300
ジェフもお疲れ?
200
コースが空いたら撃て!!
-200
清水vsジェフ
500
代表レギュラー組
-300
松田と大島
300
放り込み大好き
-300
正当な報酬を得た清水
500
ジェフ相手に3万越え
100
ジェフ相手に勝ち点1
500
松村主審
200
1500







confidential 秘密 message 伝言 photo&movies reference 参考 witness 目撃
scandal 醜聞 legend 伝説 classics 古典 index LINK