malicia witness 2階の目線2006
Jリーグ ヤマザキナビスコカップ 06-07シーズン

6月3日 磐田  日産スタジアム

勝負はここからだ。一次リーグでの問題点はリセットして、アウエーゴールルールのノックダウン方式に挑む。

「今日必要なのは完封勝利だよ。」

しかし、雰囲気が悪い。世間はワールドカップモード。このスタジアムの中でさえ、これから目の前で起こる大切な試合のことよりも、遠くドイツでの出来事に話題が偏る。しかも、観客は一万人に足りない。

「ただいまのゴールは久保竜彦!」

ゴールにねじ込んでヘッドでファーストレグを制する。まだ半分だ。だが嬉しい。嬉しさは爆発する。通路にはみ出して飛び跳ねる。すると、身体がは宙を浮いたままになる。前の席にいた男が私を抱え上げている。まるでメキシコ大会のペレのように拳を突き上げてスタンドを見回す。跳ねたときに痛めたようで、股関節が痛い。

「何が何でもゴールしろ!」
「今日は、どんなムリをしてでもゴールしろ!!」
その願いが叶ったかのように見える。ただ、ゴールまでの久保は久保とは思えなかった。いや、最近いつもの見慣れ始めた久保だった。

ゴールの後、ドリブルに、守備に、見違えるほどアグレッシブに動く久保。結局は心の問題なのだ。「医学的には問題はない」しかし「身体が重い」ということで回避された先発。途中出場するものの競り合いは弱々しく、動き出しも遅い。それが、ゴールで一変する。心が走り出さなければ、身体は目を覚まさない。久保の心は、やっとゴールで解き放たれた。

試合後の嬉しそうな選手達に大声を張り上げる。
「よくやった!!」
「よかったぞ!!」
「次は完封だ!!」
「松田!松田!松田!松田!松田!」
何度も繰り返し松田を叫ぶ。理由は自分でもわからない。ただ、松田を叫ぶ。松田が代表に選ばれようが選ばれまいが、ワールドカップ直前となれば、それは監督が自由に決めること。そんなことよりも、今、松田が目の前で素晴らしいプレーをしてくれたことが重要だ。
「松田!松田!松田!松田!松田!」
何度も繰り返し松田を叫ぶ。理由は自分でもわからない。ただ、松田を叫ぶ。気が付くと、頬を涙が伝っている。涙の理由は自分でもわからない。
ただ叫ぶ。

「松田ーーーーーーーーーー!」

本調子ではないマルケスが左へ流れ停滞し、中央は吉田なので楔が入らない、攻め手を失った試合展開から、最後の最後で逆転した。これは、浦和戦で諦めず、最後まで闘って2得点を得たことの延長戦だ。トリコロールの選手達のポテンシャルは高い。そう、だから、ある程度のことは心が解決できるのだ。



今日のポイント

凄みすら感じられた疲れ知らずの清水。
●切り返しせずに縦に突破を最後まですると万雷の拍手が上がる。
●栗原と1番は一触即発。
●コーナーキックは平野が沸かせる。






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