malicia witness 2階の目線2006
J1リーグ 06-07シーズン

7月19日 清水エスパルス  日本平スタジアム

待ちに待ったリーグ再開。怪我人も戻ってきて春先の楽しいサッカーでW杯の憂さも晴れるのではないかと期待していたのだが、それは清水側だけだった。

昼間の雨のせいで思ったよりも涼しい。ピッチ状態も申し分無い。連戦とは言え緒戦で疲労も蓄積されていないはず。

こんな好条件だというのに序盤からペースを握られやられたい放題。人が入れ替わっただけの足元サッカーでは致し方ない。

清水はサイド攻撃のチーム。そんな事は分かっている。だがサイドを制圧され最終ラインで跳ね返す展開が続く。攻撃は左に偏り、右への展開は無いに等しく孤立する。狙いは絞り易くサイドを突破出来ない。

清水は守備が強い。

マイボールになっても連動性が無く余計なキープの挙句絡め取られる。其処に約束事は無く、個々のアドリブに終始する。それでも打開出来れば良いが、互いの意図が通じず簡単に相手ボールにしてしまう。前線にキープ力は無くロングボールに走り込む事も無い。

試合はピッチ上の選手がするもの。だが、どういうサッカーをするのかは選手個々の範疇には無い。日頃の練習から積み重ねて試合で発揮するべきもの。

試合は相手があってのもの。

どんな相手でも動じないだけの力の差を持っていれば相手など気にする必要は無い。それが出来れば理想かもしれない。だが、現実は違う。

2ヶ月は長い。W杯の各国の準備期間だってそんなには無い。怪我人も戻って来れるしコンディションも整えられる。チーム戦術を浸透させる事も出来るはず。これまでの序列の見直しだって出来るだろう。

一体この2ヶ月間何をしていたというのか。

清水は素晴らしいサッカーをしていた。チームとして機能していた。全員がよく動く連動性の有るサイドアタック。意図を感じる中盤の守備。前半は何もさせてもらえなかった。FW出身の青年監督は良いチームを作り上げた。ちょっと前線の決定力は不足していたかもしれないが。

後半は相手の運動量が落ちた事もあり若干盛り返す。相手のほんの僅かな遅れが此方の個を光らせる。だが個の力は単発でしか発揮されずゴールには至らない。今度は此方の決定力の無さが露呈する。

相手のミスを誘う献身的な動きを要求されていた位置はより運動量の少ない選手に替えられチャンスは減った。

それでも照準は合ってきていたように見えた。時間の問題。だがそれも新たな標的と取り替えられてしまい潰えた。

新たな標的に向けて放り込む砲台の為に精彩を欠いたチャンスメーカーはベンチへ退いた。

御決まりの放り込み。若い標的は健気に体を張り、競り勝つものの落とした位置に走り込む選手は居ない。

この陣容でこれ程までに何も出来ずに引き分けるのも已む無しという内容に承服しかねていた矢先、それまで耐えに耐えていた堤防が決壊し唐突に幕が下ろされた。

この試合唯一と言っても良い頑張りを見せていた守備が最後の最後踏ん張りきれなかったのを責める気にはなれない。
(というか、遠くてよく見えなかった。)

色んな事を考えてしまう。

オーソドックスな352はスーパーなトップ下が必要なものではないのか。そこでキープして気の利いたパスをFWなりオーバーラップしたサイドなりに展開出来てこそ機能するものではないのか。

この日はトップ下は居なかった。どちらかと言うと中盤をフラットにした343に近い。これはチーム状況も含めて意図したものだろう。だが機能しない。

何故か。

バランスが悪い。左に偏り過ぎている。偏った上に形成する3人の調子が悪くキープも儘ならない。気の利いたパスを出せればまだ良いのだが、独り善がりの奇を衒ったパスに反応出来ず相手ボールになるばかり。トップにボールが入らず2列目3列目から飛び出していくわけでもない。守っては二段構えでサイドを衝かれると1枚では対処出来ないのでボランチがフォローに回りバイタルが空く。

序列。

チーム内の競争原理は機能しているのだろうか。ベテランを重用して勝てるのならそれでいい。だがそうはなっていない。

同じ力であれば可能性に賭けるべきではないのか。同じ力でないと言うのなら力の差を見せなければならない。

怪我人が戻ったら穴を埋めていた選手は要らなくなるのか。それではチームとしての伸びしろを否定する事になる。それを青いと言うのなら力を見せてもらわねば。

いつまでも過去の遺産で食い繋げるほど甘い世界ではないと思う。

オーガナイズ。

今足りないものはこれに尽きるのではないか。チームとしてどう闘うべきなのか。ゲームの中で何処で落ち着かせ、何処でリスクを賭けるべきなのか。守備と攻撃の両方を1人が司るのは無理がある。攻撃を誰か1人に頼らないのであれば全体で連動させなけらばならない。

1人だけ、マグロンについて。彼は上手い。それは認める。恐らくチームで一番上手いのではないか。だが、使う側の選手ではなく使われる側の選手だと思う。上手さに目を惹かれてしまうが、気の利いたパスが出せる選手ではない。かと言って、守備力が高いわけでもない。一番上手い彼を使わない手は無いが、誰か1人センスのある相棒=彼を使える選手を同時に使う必要がある。そうでなければ前線のもっと自由な場所に置くべき。

素晴らしいスタジアム、日本平で勝ち点を得られなかった。勝ち星は五分となり順位は注意に沈んだままだ。この惨敗が転機となり序列を崩す一助となれば良いのだが。


今日のポイント

● 何かを変える必要がある。


今日の査定

stan

酷い目にあった一日でした。

行きの東名大雨
-300
温泉
500
湯冷め
-300
雨が上がった
200
富士山見れず
-100
パルちゃん
100
素晴らしいピッチ状態
300
清水のサッカー
1000
マグロン生着替え
20
200
真ん中
-1000
後ろ
500
綺麗にやろうとし過ぎ
-1000
放り込み
-500
踏ん張りきれず
-300
山西主審
50
副審
-50
花火
100
寿司
2000
1420







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