malicia witness 2階の目線2006
J1リーグ 06-07シーズン

10月14日 ガンバ大阪  万博記念競技場

寒かった新潟とは打って変わって汗ばむ陽気となった万博記念競技場。降格も優勝も無くモチベーションを保つのが難しい状況。相手は昨年王者だが覇権を争ったわけでもなく一昨年王者としてのプライドも2年連続中位では大した効果が無い。因縁も5番に柳想鐵を壊された位で、ここだけには負けたくないという相手ではない。

だが、状況は一変した。

其処に松田の姿は無かった。今シーズン、すっと外れる事のなかった右膝のテーピング。ずっと痛みを我慢していただろうにプレーでは微塵も感じさせない獅子奮迅ともいえる働きをしてくれていた。出場停止以外は全ての時間に出ていたキャプテンが欠場するという緊急事態。戦術的な理由や調子の良し悪しでベンチに留まったり途中交替させられる相手の5番とは重みが違う。

一体どうするのか。

新潟戦を受けて水沼監督がメンバー構成の変更を示唆していた事と合わせて興味深い点だった。結果は松田の位置に那須、久保の1トップから久保・坂田の2トップ。いきなり大きく変える事はしない辺りは状況を考えると致し方無いだろう。

試合は序盤から苦しい展開。

ラインが低く、受け止めて何とか跳ね返す事に終始する前半。前線に良いボールが入らない。フィードの質が良くない。サイドが機能せず押し込まれる。相手の圧力に押し上げの出来ない中盤。キープも儘ならず殆どシュートを撃てない前線。

攻撃面では殆ど見るべき所は無かったと言っても良い。

だが、守備では体を張ってよく集中していたように思う。特に那須のひたむきな姿勢と哲也のセーブは素晴らしかった。フィードが駄目でがっかりしたり、飛び出しすぎて怪しかったり、そんなマイナスを補って余りある活躍だった。

やはり松田の存在は大きい。その松田の不在を埋めるべく必死に戦う選手達。マイナスばかりではないのだと思った。

誰かに頼る。

そんないつしか染み付いてしまっていた悪い癖を直すきっかけになってくれるかも知れない。少なくとも守備面では殆どそんな印象を受けなかった。これが続くのなら松田が戻って来た時に往時の鉄壁の守備が見られるような気がする。

しかし。

松田の不在は攻撃面でのマイナスの方が大きいのか。前線へのフィードや機を見ての効果的な攻め上がりが無い。チーム戦術として松田の存在に依存していた部分が埋められない。

山瀬は頑張っている。

献身的な運動量でなんとか後ろと前をリンクさせようと走り回る。だが周りは守備に忙殺されてサポートに行けない。とはいえ、守備面では松田の不在を全員でカバーして何とか持ち堪えている。相手の遠藤不在という影響も大きかったのだろうが。コーナーからでもオウンゴールでも良いから1点獲って逃げ切る事が出来たなら今後に向けて大きな自信となると共に変革の端緒とする事が出来るのではないかと期待していた。

そして前半終了間際、山瀬が一瞬の煌きを見せる。

傾斜のあまり付いていない万博のゴール裏からは逆サイドではっきりしなかったが、帰ってからVTRを見ると軽くルーレットを入れてからの一閃。スーパーゴールだった。久々にリードしての折り返しに活気付く。だが決して内容が良かったわけではなく個人技で奪ったリードに過ぎない。

果たして、後半相手の圧力は増してきた。だが何とか食い止めると相手が前掛りになっている分付け入る隙も出て此方も惜しいチャンスを作り出せるようになってきた。カウンターで追加点が奪えれば。

だが、カウンターに適した坂田を残り1/3で下げてしまう。替わって入ったのは奥。2点目を奪いに行くのではなくゲームをクローズさせる為の交替。それにしては大分タイミングが早かったのはまだ坂田のコンディションが万全ではないのか。

そして序盤から広大なエリアを1人で奔走していた山瀬は疲労のピークだったのか狩野と交替。結果的にはこれが良くなかった。焦点はこのまま逃げ切れるか否かだったが、山瀬と比べて特に守備的というわけではない狩野。将来はどうあれ、現時点では山瀬に一日の長以上のものがあり、相手も嫌な選手が下がってくれたと思ったのではないか。

山瀬を下げる事自体はコンディションの問題であれば致し方無い。だが代わりは全く別のポジションの選手を入れていれば結果は違っていたのではないか。例えば、マイクを前線に置いておくだけでも相手の後ろの選手が上がれなくなるという守備面でのプラスがあったのではないかと思う。だが替えてしまったものは仕方が無い。出ている選手で守りきるしかない。

届かなかった。

播戸と明神と5番を下げて中山とフェルナンジーニョと前田を入れるという相手の謎采配に混乱したのかも知れない。

残り5分。

いつもの集中が切れたかのような終盤での失点。お約束のように相手のエースに決められた。勝ち越そうと攻勢に出るものの簡単にはシフトチェンジ出来ずに交替枠を1つ残したままタイムアップ。3人目を替えなかったのはバランスを崩して勝ち点3を狙って結果0に終わるリスクを避けたとしか思えない。

これが現実なのだろう。彼我の今の力の差。20ポイントの勝ち点差は最下位とのそれよりも大きい。

この相手に負けなかった事は評価すべきなのだろう。試合後は多くのサポーターが拍手で選手を迎えていた。だが自分は拍手出来ずにいた。勝てなかった事がただただ悔しかったから。こういう悔しい試合が出来るのなら、きっともっと上に行ける。久し振りにそんな試合を見せてくれた選手達に感謝していた。


今日のポイント

●久し振りに「勝てなくて悔しい」と思えた。


今日の査定
stan

松田を失ったのは大きな痛手だが得るものもあった試合。この悔しさを次にぶつけなくてどうする。災い転じて福と成せるかどうかは次節次第。

暑い
-50
松田欠場
-1000
遠藤欠場
500
全員守備
2000
でも攻められない
-500
山瀬ゴール
1000
油断を誘う西野謎采配
100
堪え切れず失点
-200
那須に試合後謎イエロー
-100
上川主審
200
勝てなくて悔しい
1000
2450

今野隆之

今のチーム力を考えればドローは御の字なのだろう。しかし、ここ数試合では最も守備陣が体を張って頑張っていただけに、悔しいドローだ。やはり2点目を奪えるようにしなければ。松田の長期離脱もあり得るだけに、光が射したドローと思いたい。

こっち側に決めてほしかった功治
1000
勝点1の立役者は哲也
500
久々登場那須の頑張り
500
しかし終了後のイエローは何だ  
-300
プレーの軽さが消えた勇蔵
500
結局マグノアウベスに決められた
-200
ガンバに最低限の嫌がらせは果たした
500
2500







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