malicia witness 2階の目線2006 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
J1リーグ 06-07シーズン 11月11日 浦和レッズ 埼玉スタジアム 所用のため天皇杯初戦の愛媛戦は観ていないが、4バックと思い切った若手起用で臨んだこの試合後、激しいブーイングが飛んだと聞いている。それにも関わらず、浦和戦も4バックで臨むという。愛媛戦同様右サイドバックに勇蔵が入り、隼磨はベンチスタート。 骨の髄まで敗者のメンタリティに侵された今の横浜に、変化が必要であることは誰もが認めるだろう。一方で、負けてもいい試合は一試合もない。ましてや、この日は単なる1/34以上の重みがあるのだ。ホームを汚された因縁の相手。ナビスコ杯も含めて今季は3戦3敗。年間4敗など大恥も大恥。ビジター席にいた全員、期するものがあったはず。 0-1で終えた試合後、隣にいた普段は温厚な仲間が激昂した。結果だけ見れば大ブーイングになってもおかしくない。だが、実際にはブーイングしていたのはごく少数。自分自身の心中はといえば、奇妙なまでに凪いでいる。なぜだろう。 これが今まで通り3バックで臨んだ結果ならば話が早い。自分も激昂しただろう。現に広島戦では大ブーイングだった。試合後あまりに不機嫌だった自分は、同行した仲間に多大な迷惑をかけた。ところが4バックである。試合前から3バックで臨むべきという声が聞かれた。3バックなら勝てたかもしれないし、勝てなかったかもしれない。それは言ってもしかたない。一つ言えるのは、水沼監督は変化を選んだということ。 所詮は急造布陣であるから、首位相手に通用するほど甘くはない。攻撃に関してはてんで機能しない。慣れない右サイドをオーバーラップする勇蔵に、正確なクロスを要求するのは酷に過ぎる。競れない中盤にボールが納まらない前線。唯一の希望の灯、功治は孤立する。だが、実は3バックか4バックかなど些細な問題であって、誰もが人任せな消極性こそが問題なのだ。 それでも守備に関しては機能していた面もある。何度もやられたワシントンに仕事をさせなかった。一人で止められなければ二人、三人で囲い込む。守備では力を合わせるのに、どうして攻撃になると人任せになるのか。失点シーンだけ集中が切れてしまった。懸命に伸ばした松田の足は届かず、ポンテのクロスを山田に決められる。 この日に限れば浦和の出来もよくはなかった。だが、浦和の方が接触プレーを厭わず球際で体を張っていた。横浜は際どいボールに競りにいかない。その差があの1点だった。内容が悪いなりに勝つ、勝者のメンタリティ。それは数年前の横浜にあったはずのもの。つまらないサッカーと言われようが、しぶとく勝点3を拾っていた。 ある者は血迷った采配だと言い、あるものは選手個人に敗因を求める。サッカーの見方に正解はない。それがその人たちにとっての真実なのだ。では自分にとって、この試合の真実とは何だったのか。それがわかれば、怒るなり拍手するなりしていた。わからないからただ立ち尽くしている。ビジター席の多くは、結果をどう受け止めるべきか迷っていたように思えてならない。 「単にうちが弱いんだ。怒るうちが華だよ」 「フィニッシャーがいないんだよ」 そうなのかもしれない。そう割り切れればどんなに気が楽かと思う。試合後、飲みながら話し込むと話題は自然と来季に向いてしまう。しかし、今季残り試合は今のメンバー、今の監督で臨むしかないのである。横浜は既に、監督交代というカンフル剤を使っている。何度も薬に頼ると効き目は落ちていき、やがては免疫ができてしまう。 もちろん大一番の結果に納得はしていない。ならば、現場はサポーターに決意を示すことだ。何としても4バックをものにし、選手のメンタリティを叩き直すのだと。それは困難な仕事だが、誰かがやらねばならない。敗者のメンタリティを引きずったままシーズンを終えたら、来季はさらに厳しくなる。 結果にはこだわってほしいしこだわるべきだが、今季残り試合に横浜の未来が懸かっている。 今日のポイント ●このチーム状態だって終盤には押し込んだのだ。 今日の査定
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