J1リーグ 06-07シーズン
11月18日 清水エスパルス 日産スタジアム
いつになく重く冷たいスタンド。彼らは勝利やゴールだけを見に来ている。だが、私達は違う。クラブともに歩み、喜び悲しみを共有し、次の未来を一緒に創るためにスタジアムは足を運び続ける。横須賀市民を中心に大量の招待券入場がある今日のスタンド風景。プレーへの反応も少なく食事をしながらスタンドを眺める人々に、この日のプレーは、どのように映ったのだろう。
閉塞感のあるリーグ戦終盤に、水沼が打ってきた手は「解りやすさ」だった。4バックにして、攻撃的ミッドフィルダーを両サイドで分業して、常に両サイドの数的優位をつくり出そうという戦術だ。頭脳の駆使は必要ない。機動力さえ使えばいい。
立ち上がりは、これが功を奏する。特に左。右は栗原が上がってこないので、特に数的優位ができない。それでも、主導権は握る。
「撃ってくる、撃ってくる、撃ってくるって!!!!」
叫ぶ間も藤本はフリーのまま。距離があるとはいえ、あれだけ長い時間、プレッシャーを与えなければ、狙いすましたシュートが飛んでくる。しかも、素晴らしいコースに。
いつもよりも深く沈むスタンド。ゴール裏中心部のコールは孤立し、2階も手拍子するのはごく僅か。スタンドの雰囲気と同じようにプレーも活気を失っていく。ミスからカウンターを浴びる。しだいにポゼッションも失う。矢島の思い切りのよいシュートを決められ完敗ムードの前半終了。
「変えてくるかな。」
「いや、このままだろう。だって立ち上がりは、ちゃんとやれてたんだぜ。」
優勝も降格もないリーグで焦る必要はない。自分たちのサッカーを見つけ出せばいい。ついさっきまでは、それが手の届くところに見つかりかけたのだから。
前半はリードされて焦りから、そのサッカーを自ら手放しただけだ。前後の関係を見失って前へ行き過ぎる選手がでてパスコースが限定された。さらには、デレオの守備も甘く、コーナーキックでは大島が再三にわたってフリーになる。ついにはクロスを入れるとペナルティエリア内でトリコロースの選手が3人フリー。味方が邪魔になってゴールできない珍事も起きる。だから、さらに選手は前へ行こうとする。
坂田の頑張りが、そんなムードを払拭する。喜びもそこそこだったスタンドも、次第に活気を取り戻す。ゴールを襲うシュート。
「よし!!」
「やった!!!」
「あれぇ〜。」
「西部はいつの間に、こんなキーパーになったんだよ。浦和にいたときは、こんなヤツじゃなかったじゃないか。」
好セーブに何度も阻まれる。
自信を持ってプレーすれば、技術がある選手達だ。難しいことを水沼は要求していない。やればできるのだ。
誰もが歓声を上げる、有名な中沢のヘディングが爆発。
押しに押して、ついに同点。これには、招待券の観客達も大喜び。スタンドに勝たせるムードが少し戻ってくる。追いついた試合。何としても逆転してほしい。立ち上がりと同じように、目指すサッカーはできかけている。
失点で逆戻り。
さらに、久保の登場。大歓声だ。いや、必要以上の大歓声ともいえる。また一人、有名な選手が登場したからだろう。ところが久保は競り合いが弱々しく、とても使える状況に見えない。だが、ベンチ入りしているとはいえインドで体調を崩したマイクに頼るわけにもいかない。
「まだ始めて数試合だ。仕方ないよ。」
相手のデレオは、昨年のリーグでの不振を、終盤から立て直した。天皇杯で、それは開花し、今年のリーグでは優勝が狙えるところまで成長した。」
「デレオはずっとやってきてるんだから・・・。」
「ちゃんとやれる時間があったってことは収穫だと思うよ。まだ時間はある。」
「勝ちたかったけどね。でも悪くない。」
ちょっとしたことで崩れてしまう脆さはある。自分達の時間を、自分達でつくり出せない弱さはある。だが、まったく成熟していない4バックも、水沼が現実的な闘い方を選手達に授けている。少し前進した。それは信じていい。それを信じられる。なぜなら、私達は見物人ではないからだ。
今日のポイント
●4度も主審に判定をお願いした副審。
●チーム作りと勝ちたいキモチの狭間で評価が分かれる松田の攻撃。
●勝てなくなって、すっかり有料入場が減ったスタンド。
今日の査定
| 坂田のストライカーらしいゴール |
500
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| ボンバーヘッド炸裂 |
400
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| 浦和時代の西部なら4点は取れた猛攻 |
300
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| 矢島のごりごりプレー |
200
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| 立ち上がりに押し込んだ右サイド |
100
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1500
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勝敗よりも内容で収穫を見出すしかないのは悲しいが、段々様になってきているのは光明か。
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| 基本給 |
300
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| 難しくても押し込んだ先制点 |
500
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| 久々のボンバーヘッド |
500
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| 西部なのに好セーブ連発 |
300
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| 判定で冷静さが保てない |
-100
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1500
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ようやく4バックでの攻撃面のプラスが出てきたが逆に守備面でのマイナスも顕在化。4バックの成熟度の差と個人技が勝敗を分けた。残り3試合でどこまで上積み出来るか。試行錯誤は続く。
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| 4バック継続 |
1000
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| 藤本1人にやらせちゃった守備 |
-300
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| 西部1人にやられちゃった攻撃 |
-200
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| 2ゴール |
1000
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| スピード感はちょっと出てきた |
300
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| でも全体的にバタついてた |
-200
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| そこそこゲームにはなってきた |
500
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| もうちょっと冷静に |
-100
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| 森岡の使われ方 |
-100
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| 2万人入った |
100
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| 岡田主審 |
-100
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| ジャッジをしないバック側副審 |
-100
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1800
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