| malicia witness 2階の目線2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 06-07シーズン 11月23日 FC東京 味の素スタジアム 思い出してみれば、全盛期のドゥトラ、そしてマグロン、さらには、中村俊輔・・・。このチームは、みんな誰かに頼ってきた。差し迫った厳しいプレッシャーを受けたとき、安心して誰かにボールを渡し、そのままお任せで、展開を依頼する、そんなチームだった。 「押し上げろ!」 「なんだよだらだら歩いて。」 「獲られた!」「まずい!!」 「詰めろ!!」 逆襲をくらい、不運にも那須の手はルーカスの進路を妨害する。不運だが間違えとは言えないPK判定。主審も悪気の無い反則に、赤いカードを出すまでには至らなかった。しかも、その前の、本来であればPKで退場のはずの哲也のファールはペナルティエリアの外と判定している。 それでも審判を囲むトリコロールの選手達。 「なんで審判囲むときだけチームプレーなんだよ。」 前半に素早い寄せで数的優位を作ったのはわずかに1回のみ。この審判を囲むときだけだった。 チグハグでバラバラな前半。 河合にこじゃれた展開を期待するのはハードルが高すぎる。だから、山瀬と狩野が上限動でカバーしなければならないのだ。2人の運動量が少なすぎるために河合のところで手詰まりになる。特にフミタケと戸田は、素早いプレッシャーをかけてくる。特に戸田は、松田にまで圧力をかける。ボランチから展開ができないときは、松田がパスの起点になるのはトリコロールおなじみの攻撃なのだが、これでは、まったく手が出ない状況だ。打開しようと思えば打開できるのだが、自らが動き出さない限りは、何も変化は起こらない。 「最初にハッタリかまさなければならないんだよ。」 試合開始早々に、サイドを押し込まれると、前半は劣勢のままで時間を経過する。自らのペースを掴むためには、自らの行動が必要なのだが、ただ無理矢理に嫌な授業に付合う学生のように、ただ時間の過ぎるのを待っているかのようだ。それは、一見、我慢にも見える。だが、守備となれば、下がってこらえるのみであるし、都合が悪くなれば審判にクレームを付ける。オフサイドは笛が鳴る前にセルフジャッジ。もし、フラッグが揚がらなくても何かあっても責任は転嫁されるだろう。 幸い、前半は最低限のダメージだけで終えることができた。 後半になって、好転する。まず守備の立て直しだ。ハーフウエーライン付近でのくだらないファール。 「なんで、そんなので止めちゃうんだよ!」 「でも、止めただけいいぞ。前半だったら、競りに行かなかったんだから。」 ほんの少しだが、後半は改善しつつある。 水沼は知っているのだ。このチームの無責任で消極的なメンタルは、そう簡単には改善しないことを。だから、奥とマルケスの起用を我慢する。最初から2人を使えば、もっと展開は違っただろう。でも、ギリギリまで水沼は使わない。 この先、1月1日まで、きっとマルケスを頼らなければならないチームだ。だから万が一、マルケスが「家庭の事情」などで12月上旬に帰国したら、フロントの仕事は無能だといえる。そのようなことが無いことを信じたい。そして、水沼は、選手のキモチの立て直しを最優先に、我慢の采配を、残り2試合、続けるだろう。 試合後に松田は泣いた。スタンドももらい泣きした。 ロスタイムに失点を続けたチームが、残り2試合の土壇場で、やっとロスタイムに得点して勝利した。前監督の岡田さんは「腰の引けたサッカーだけはしたくない」と言っていたが、そもそも「腰の引けたサッカー」にすぐに陥るのがトリコロールで、岡田監督はそれを否定したかったのだ。松田もきっと同じだ。 この勝利は大きい。全ての責任を背負ってしまう松田のオーバーラップではなく、チームでカタチを作って同点に追いた。そして、アテネ以来、精神的な脆さを見せてスランプだった、本来は責任感の強いはずの男に決勝点を与えた。 「今日、喜ばなくて、いつ喜ぶんだよ。」 勝利は苦しみを忘れさせるのではなく、前へ進む推進力を高める。問題は明らかに見えている。でも出口も見えてきている。 「ねぇねぇ、ガスのゴール裏って、あんなに暗かったっけ?」 「そりゃロスタイムに逆転されれば暗いだろ。」 「そうじゃなくて、暗いっていうか黒くない?」 「立っているとユニフォームとか見えるけど、座っていると頭しか見えないからだろ。」 「それに、みんな落ち込んで、頭を抱えているから、髪の毛しか見えないんだよ。」 「ガス、次は浦和とらしいよ。」 「よし、切り替え!切り替え!次、頑張れよ!!」 今日のポイント ●テレビで見るとインタビューの後に、 何度もガッツポーズを誰にも見えない位置で繰り返してから ゴール裏に向かった那須。 ●ポストプレーが効果的だった大島。 ●ぬるぬるだったスタンドの雰囲気。 今日の査定
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