malicia witness 2階の目線2006
J1リーグ 06-07シーズン

12月2日 ジェフ千葉  フクダ電子アリーナ

千葉県の東京湾に面した海岸部、千葉港を中心として広がる一帯を京葉工業地域という。蘇我駅から臨海部は、旧川崎製鉄の敷地で、フクダ電子アリーナのある場所も、数年前までは製鉄所の敷地だった。今、再開発が進み、スタジアムや公園、ショッピングセンターが作られている。

今季のリーグの最終節に、今季、幾多の危機からの再開発が求められていたトリコロールが登場した。試合開始から試合終了まで、はつらつとしたプレー、そして、見る者の心をピッチに引きずり込むような、驚きのあるイマジネーション、さらには、倒れても引かない闘争心が、消化試合だったリーグ戦を無駄に費やしてこなかったことを証明した。水沼貴史は、ついに、このトリコロールの向かうべき、新しい姿を、私達の前に披露した。

「やっと、スタートだな。」
「天皇杯を前に、きっちり仕上げてきた。」
ジェフは主力を一部欠いていたとはいえ、なによりも、トリコロールの選手達が迷うことなく、水沼の求めるサッカーを体現できているのが嬉しい。

「本当に、長いプレシーズンだったよ。」

スタンドは、もうそろそろピッチ場でジェフのシーズン終了セレモニーが始まろうというのに、ずっとコールを続けている。アイドルグループの解散ツアーの幕開けのようなセンチメンタルな雰囲気が、会心の勝利の高揚に混ざり合っている。ただし、本番はこれからだ。
「水沼はやってくれるよ。」
「これなら、期待できるぞ、元旦。」
ゴール裏中央1階のコールが切れるのを見計らって、私達は水沼を讃える歌を歌い始めた。

一見、不器用な得点。

大島が楔を受けて吉田へ。吉田も相手のプレッシャーに負けずに、切り返しを繰り返し時間を作り出し坂田へ。背負った相手から距離を取るように大きめのトラップをして、素早く反転。左足で撃つ。ボールはゴールへ吸い込まれていく。
「よしっ!!」
「やった!!!」
「決まった!!」
日産スタジアムと比べると、狭くて急斜面のスタンドで、飛び跳ねる。力づくで奪い取ったゴールだ。
「また坂田だ!!!」
今季最高のゲームは、華麗さよりも力強さで幕を開けた。ゴール裏から見てこそ美しさがわかるビューティフルゴール。傾斜のキツいフクアリのスタンドで仲間同士が重なり合う。涙が飛び散る。

ジェフのお株を奪う、前線からの素早いプレッシャー。パスコースを限定し、仲間が協力をしあう。諦めることなく、ボールを追いかける。攻めに転じてはゴール前を何度も横切る小気味よいパス交換。不在の選手達の穴は一切感じない。堂々たる、水沼トリコロールのサッカーだ。
「いやぁ、吉田が効いてる。あの中途半端なポジションをうろうろされると、ジェフの羽生とか、前に出て来れない。」
「どうしちゃったんだ、今日の吉田は。」
「いや、違うって。大分時代の吉田は、こういうプレーだったじゃないか。」
「やっと、ポジションを与えたんだよ。」
「長かったなぁ、最終節かよ。」
「いや、本番前に、合わせてきたんだよ。」

やっと、誇らしいサッカーが完成に近づいてきたのだ。

前半は完全に田中裕介が左サイドの攻撃を潰した。けっして飛び込まない。ボールが来ないときに、状況を見極める視界の広さで絶妙のポジションを獲る。ジェフの攻撃に、怖さが見えないのは、スピードをトリコロールが完全に殺したからだ。
「よし、いいぞ!!」
ジェフがパスの出しどころを失って、ボールを下げるだけで拍手が起こる。こういう拍手は、数年前は当たり前のようにスタンドで沸き起こっていた。それを思い出す。

ハーフタイムに引き上げてくる選手達に大歓声。拍手、コール。そして吉田への声援。
「吉田!いいぞ!!後半も頼むぞ!!」

後半、とくに目立つのは玉際の強さ。

どこかひ弱な面が目立ちがちだったトリコロールにとっては、「変身」といっても良いくらいの試合運びだ。倒れても立つ。ルーズボールにも素早く寄せる。

逆にジェフも後半は積極的にリスクを負って人数を前線に運んでくる。何度もゴール前まで分厚い攻撃が押し寄せてくるが、那須と中沢が跳ね返す。そしてカウンター。坂田のドリブルからクロスで大島が競る。逆サイドまで溢れたボールには、交代で入ったばかりのハユマがクロスで折り返す。それを中央で二人が競る。すばらしいクロスの連発に、ゴールしなくてもスタンドは大拍手だ。こういうプレーが見たかったのだ。

後半のジェフの猛攻を見て、水沼は吉田を外してハユマで守備を固める策に出た。さらに、素早い直線的なカウンターを狙った。
「でもハユマが入って吉田がいなくなったから、ジェフは前に出れるようになったんだよ。あの吉田の中途半端な、なんともいえないポジションが効いていたのに。」
「田中のサイドは完封だからなぁ。」

坂田からクロス。逆サイドに流れる。またしてもハユマだ。これを、今度のハユマはシュートで振り抜く。

水沼が、ベテランではあったが、まだ貴公子といわれたプレーヤーだったころ、1993年、三ツ沢球技場での快晴の試合。主将・井原はニアサイドに飛び込んでダイビングヘッドでファインゴールを自陣に決めた。
それと同じような、素晴らしいゴールガ、主将・阿部のダイビングヘッドで決まった。

その数分後に、またもや抜け出したハユマは同じポジションからシュート強襲。次のチャンスには、ハユマは切り返して山瀬へ。山瀬もシュート強襲。ゴールしてもしなくても、いま、この場でトリコロールを応援できていることがキモチいい。フットボールの醍醐味を味わえる貴重な機会を、私達は、この最終節でやっと得た。そして、それは勝利への蜜が開けたことも意味している。

結果的には、ジェフの猛攻を押さえ、何度もカウンターでジェフゴールを強襲したハユマの起用は正解。水沼は、采配においても光を放ったのだ。

「よし、これなら期待できるぞ。」
「やっとワクワクする年末がやってきた。」
「正月はあけておくぞ。」
この勝利の笑顔は、ただたんに、一つの勝利への笑顔ではない。次への希望に胸を膨らませる仲間達の共感の笑顔だ。最多優勝6回を、7回にする希望がはっきりと見えてきた。

蘇我の駅は勝者でいっぱいだ。
「帰れなんて言葉遣いが失礼だよ。帰ってくださいって言わないと。」
「うちなんか、そんな失礼なこと、絶対に言わないぜ。逆に、レッズに横断幕の場所まで譲ってあげちゃうクラブだから。」
「しかも、帰れっていうから早く帰ったのに、駅に着いたら、電車来ないじゃないか。」
「失礼だぞJR。」
線路点検のために大幅にダイヤが乱れた京葉線のホームを埋める勝者達の表情は崩れ、言葉は弾んでいる。どうか、この幸せが元旦まで続きますように。


今日のポイント

●4バックらしい両サイドの攻撃参加。
●ポジションが流動的になってきた上野と山瀬のボランチ。
● 2度目のリーグ制覇時を思わせる迷いないカウンター攻撃。
● ハユマのみセルフジャッジが一つあり。


今日の査定
石井和裕

今季最高の試合。ドゥトラは良い選手だけれど、いなくたってできる。松田だってそうだ。今年だって、いなくても良かったはず。そう思えるくらい、能力の高い選手がトリコロールにはいるのだ。

時間稼ぎと見せかけてクロスを入れた田中裕介
300
守備で完封した田中裕介
550
前線での起点になって活躍の吉田
400
ゲルトミュラーのような坂田のゴール
900
撃ち抜いたハユマ
600
那須と中沢の厚い壁
500
山瀬がくるくる回った
300
入らなかったが低いクロスの連発
600
頑張りで繋いだ大島
300
素晴らしいフクアリ
200
弾むハーフタイムの会話
300
前線からの素早いプレッシャー
300
栗原の4バックらしい攻撃参加
300
栗原のセクシーショー
200
天皇杯への期待
900
6050

白火

たとえ結果が伴わなくても、これだけひた向きな試合を見せてくれるなら受け入れられる。来年以降も水沼体制の継続を熱望しています。

フクアリ
700
すばらしかった4バック
800
田中裕介期待大
700
縦横無尽吉田
1000
中盤支えた上野&功治
800
泥臭くひた向きに大島
300
千葉キラー坂田
800
隼磨もキレてた
600
哲也もまずまず
300
アウェーの引き際は心得よう
-500
5500

なかむ〜

長いプレシーズンを経て、闘うトリコロールが戻ってきた。

基本給
1000
戻ってきたチームのひたむきさ
1000
坂田の強引シュート
800
神出鬼没の吉田
600
田中裕介の守備
500
体を張れるようになった中澤
300
様になってきた4バック仕様
300
天皇杯に向けて明るい気分
Priceless
4500

stan

中位同士の最終節、せめてゲーム内容で楽しませてほしいと思って行ったら本当に楽しめた。相手はさて置き4バックも随分形になってきた。勝って長崎を迎えられるのは好材料。

サマナラカレー
700
大島効いてた
500
千葉に強い坂田
1000
セクシー栗原
300
アグレッシブな中盤
1000
W田中
1000
秋田犬のサンタ撮れず
300
完封
1000
なんだかバラバラだったジェフ
300
ジェフとは噛み合わせが良い
500
柏原主審
-200
小競り合い
-300
なんとか一桁順位で終われた
500
6000








プレシーズンのフィナーレ。


笑顔でフクアリをあとにする。


「パネルクイズ・アタック25」優勝者と「カルトQ(90年代にブームになった難問クイズ番組)Jリーグ」出演者の夢の競演。


月島の立ち飲みバーはマリーシアでいっぱい。


もんじゃ大会。マリーシアが認める美味しいもんじゃ屋は月島に数件しかない。

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