| malicia witness 2階の目線2008 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| J1リーグ 08-09シーズン 4月12日 柏レイソル 日産スタジアム 守備では、大島のゆっくりとしたルーレットが回るのを放置するし、攻めでは前がかりになることもなく淡々とした時間をおくる。柏には覇気がなく、馬鹿一代も爆発せず。名古屋での完敗を引きずるのではないか、と心配をされたゲームだが、まったく危なげない完勝に終わる。 「リーグ戦の次の対戦相手ってどこだっけ?」 「えーと、デレオだ。」 「これもまた調子が出ないチームだね。」 「ここは完勝で連勝しておかなきゃね。」 鹿島、名古屋には敗れたものの、ある程度のチーム力を有していることは誰もが認めるところ。上位定着は、間違えなくクリアしなければならないハードルだ。そして、優勝争いについていけるかは、これからのリーグ戦が進む中でのチーム力の向上に懸かっている。そんな期待を胸に秘めて、私たちは新しくなった新横浜の駅に足を踏み込み帰路につく。 「名古屋では久々に言ったよ。なーんで、こんな外人を使い続けてるんだって。」 名古屋遠征組はテレビ観戦組とは違い、あのゲームを好ゲームとは捉えていない。圧倒的な力の差を感じた惨敗と感じているのだ。それだけに、無得点が続くロニーへの評価は、少々辛辣な表現が入り交じる。 試合開始から14分。松田は縦に強気のパスをおくる。ディフェンダーを背負ってボールを受けたロニーはワンタッチでボールを完全にコントロールして身体を反転。 「うぉ!」 「上手い!!」 それらの言葉を発した瞬間に、すでにボールはゴールラインを超えてゴールイン。 「すげぇ!!」 スタンドは熱狂。それは、このゴールがファインゴールだったこと以上に、誰もがロニーのゴールを待ち望んでいたことの証明だ。そのとき、名古屋遠征組の、ロニーに対して辛辣な表現をしていた仲間は言い放った。 「俺は信じ続けていたぞ!」 嘘ばっかり。万国共通、フットボールファンなんて、そんなものだ。 ロペス不在でトップ下には山瀬。そのせいもあってか、今日の試合展開では強気の縦パスが目立つ。そして、常にゴールに向かってドリブルシュートを第一選択肢にしている山瀬は何度もチャンンスを創りだす。それを阻むのは、またしてもクロスバー。 柏に攻め手は少ない。 フランサ不在のせいか、攻めのアイデアも迫力も不足。柏らしさを表現していたのは南と古賀だけだ。コーナーキックをかぶってフリーで中沢がヘディングシュートを放ったシーンは、もっとも南らしさを表現している。しかし、このシュートを阻むのは、またしてもクロスバー。 もう1点取れる展開だったが、前半は1点のみ。追加点がほしい。どうしてもほしい。この柏のデキであれば、何点獲っても不足はないはずだ。だが、それでも・・・やはり清水が絶好のチャンスにゴール枠を外しても怒りの声は上がらない。 「ジローだろ。」 「セーフ!!」 「あっぶねぇー。」 「まずいよ。柏ごときに大事な2点のうちの1点をつかったらもったいない。」 なんとも不憫な男だ。 後半も圧倒する。山瀬とツートップの距離感が良い。 「ロニーは難しい局面のほうが良いんじゃないか。」 「フリーだとシュートが入らないんだけどなぁ。」 「山瀬と近い距離だとやりやすそうだ。」 さらに、気の抜けた攻撃を繰り返す柏攻撃陣からボールをかっさらうなど、守備でも貢献。 思うようにゲームを支配できない柏のファールが増える。 競り合いにホイッスル。柏ボールの判定。 「おいおい、誰が競ってると思ってんだ!よく見ろ!!」 「古賀だぞ!!古賀が競ってんだったら、古賀が悪いに決まってんだろ!!」 90分のゲームでは、何度か自然と流れが入れ替わる時間がある。60分ころからは、完全に柏の時間となる。石崎監督は勝負に出たのだ。60分、65分と交代のカードを切り3人の交代枠を早くも全て使い切る。 「ずいぶん早くないか。」 「そでもしないと手の施しようがないと思ったんじゃないか。」 その采配の効果があってか、柏の時間がやって来たのだ。 その時間は短時間だった。あっけなく時間はトリコロールに戻ってくる。柏のコーナーキック。なぜか、ゴール前で黄色いユニフォームの手が上に伸びてバレーボールのスパイクを放つ。 「え〜何考えてるんだよ。」 「あっ黄色。」 「あっ赤。」 「えっ一枚もらってたのにバレーボールやったの?」 「どんな馬鹿なんだ。」 このとき、柏ベンチ、柏ゴール裏、柏の選手も固まった。なぜ彼が手を使おうとしたのか、誰も理解できなかったからだ。 こうして、失点のピンチは自然遠のく。そして追加点のチャンスも柏が運んで来てくれるのだ。 選手交代で集中力を欠いたのか、松田がペナルティエリアに侵入。坂田がそれをフォローし山瀬がシュート。見事にゴールネットを揺らす。 「よーし、これで安心だ。」 最後に心配なのはハユマだ。右サイドの攻撃が活性化すれば、トリコロールはかなり強くなる。だが、その気配は一切ない。清水が自由に動き回りすぎたために守備の負担は大きかっただろう。だが、そうであれば、スペースは広大に目の前に広がっているわけで、攻撃参加をしやすい環境も整っていたと言える。いつものことだが、ハユマは、チームメイトとスタンドにフラストレーションを溜めておいて、いつも終盤になると攻撃に参加してくる。勝利を確信するまで攻めに出る勇気がないのか、それとも、誰かに活を入れられるのか。 素晴らしいハユマが戻って来るのはいつのことになるのだろう。 監督はハユマをいつまで我慢するのだろう。トップ下は山瀬が適任なのかロペスが適任なのか、松田はどこまで進化するのだろう、そして河合は怪我から復帰してもポジションがないのでは・・・贅沢な悩みは、勝利の余韻に浸りながらの会話の中では解決しない。昨年とは明らかに違う今年のトリコロールは、私たちに、週末の夢と希望を与えてくれている。 今日のポイント ●攻守に活躍したボランチ松田。 ●みるからに伸び伸びとプレーをしていたロニー。 ●すっかり定着した小宮山ゾーン。 ●みんなで聞き入った「柏バカ一代」。
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